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ちょっと手伝って!

アルゼンチンの交通事情、いろいろと奥が深そうではある。
今日は車の運転についてのお話をご紹介。

まず、窓を開けて運転することを感染対策だと思っていた。しばらくしてからエアコンの故障だったことに気が付いた。

整備されている車の窓は閉じられ、そうでない車は開けたままで高速道路も運転する。わかりやすい見分け方としてご記憶いただきたい。


・ある日の出来事

アルゼンチンに来て、ホームステイでお世話になっていたある日の話。

ノブ(通称)!ちょっと手伝ってくれる?

こう言ったかどうかはスペイン語なのでわからないが、手招きされているので外に向かっていくと、近所の家の車が立ち往生している様子だった。

車が故障でもしたであろう、というのは見ていてすぐにわかった。運転席にいる女性は車を押して欲しいという仕草だったので、安全な場所に移動してほしいという理解だった。

・車を押すことにした

生憎そこにいた男性は自分と12歳の子供だけ、でも大きい車でもないしギアも動いていたので押すこと自体は容易だった。でもどこまで移動する気なのかはわからないまま押してみることにした。

ただまっすぐに車を押していく。どこまで移動するのかわからない。言葉もわからないので、言われるがままでしかないのだが何の疑問もなくひたすら押していた。

・車はどこまで行くのやら

男(自分)と女性一人で押すものの、段々スピードが上がる。何だか嫌な予感が的中した。そう、運転席の女性が車のエンジンをかけ出したのである。

そして「Chao!」とだけ言って、走って行ってしまったのである。そう、出かけるためにエンジンをかけるのを手伝ったというだけの話。あの車がどこに行くのか、行った先でどうやってエンジンをかけるのかは知る由もないが、アルゼンチンらしいエピソードだなと思った。

・大らかさが次元を超えてくる

良く考えてほしい。日本で女性一人でエンジンを押しがけして出かけることがあるだろうか?

交差点の真ん中で止まったらとか、想定することが多すぎて運転することをためらうのが日本の感覚。こちらは「動けばいい」そんな感覚もないのかもしれないが、不安が過るなんてことはないのかもしれない。

・こちらで一度事故に遭っている

こちらに来てから、アルゼンチンの方の運転に乗せてもらっていた時の話。普通に信号待ちで後ろから追突された。大したことはなかったが、日本なら警察と保険会社を呼んで、そこそこの時間がかかるものでそれが厄介だったりもする。

運転していた方は、当然ぶつけられた方なので「チッ」と舌打ちして車を降りる。ちょっとドキドキして観察していた。

すると「Noooo!」とだけ言って運転席に戻り、普通に運転を始めたのである。これには驚きしかなかった。さほどではないものの、信号待ちの人が集まりだしていたので、それなりの音と衝撃があったというのに。

まあ、ケガをするほどでもないし車も普段から事故の見分けもつかない。そんな状態だから腹を立てることもないのだろう。日本のように一応救急車、なんて発想はどこにもない。そんな文化の違いを感じた出来事。

・後部座席には12歳男子が乗っていた

そう後部座席に子供が乗っているのを思い出した。なんと、事故の前から終わりまでずっと爆睡したままで気づくこともなかった。家に帰ると一番の話題はそれだった。事故がどうというよりも、気づかずに寝っぱなしだったJaponの男子が面白エピソードに変わっていったのである。

「一応、病院、、、」なんて言い出す隙間もないほどの珍道中。これもこれでアルゼンチンの大らかさだし、日本男子の強さを見せることができたので良しとすることした。

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