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ロング・バージョン
*本作は稲垣潤一さんの「ロング・バージョン」をイメージしたオリジナルショートストーリーです。歌詞とは一切関係ありません。
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これは愛とは呼べない。なのに、また今夜も君を求める。急に無邪気な顔で俺に愛をせがんでくる君は、愛せない俺の心を見透かしているのか…
「遊びでいい」と、俺の胸に顔を埋めて強がる… そんな君の健気な一途さを愛してるフリすらせずに抱いた夜。無防備な君が悲しすぎて、そして何より自分自身が、世界から忘れ去られ部屋の隅に捨て置かれた古いマリオネットのようで、悲しみにすら背を向けられていた。
抱いても抱いても埋まらないこの空白。動かない心とは裏腹に、この指が君の髪をかき寄せる。
窓の外、都会の街並みは渇ききっていて、この砂漠で愛に選ばれた人たちはどれくらいいるのだろう。
今夜こそ、終わりにしよう。今夜こそ。
抱きしめた君の身体を通り越し自分自身を抱いて救って
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