7月10日 発電について

 結論からいうと、電気に関して困ることはなくなった。

 というのも、天候に左右されずに太陽光を日中は活用することができるようになったことに加え、蓄電技術が格段に進んだことが寄与している。

 旧時代では、ソーラーパネルは屋根や窓に設置し発電を行なっていたが、晴れの日以外は発電できない他、電気を貯めておくことが難しかった。安定的に電力を供給するために化石燃料を使用することや原子力発電を使用するしかなかった。

 ここ数年で、宇宙空間にソーラーパネルを展開し、マイクロ波で地球へと電気を輸送するSSPシステムが実現し、更に、炭素を用いた大容量蓄電池が開発されたことで、送電過程を除けば、失ってしまう電気を限りなくゼロへとできるようになった。

 ただ、山間部などの共同溝の設置が難しい地域で、落雷や豪雪、土砂崩れなどで送電鉄塔が断絶されると復旧にはかなり時間を要する。

周辺地域から送電しているという背景があり、東京都の電気網への脆弱性が指摘されていたが、東京の島嶼の近海に受電設備が造られたことにより、不夜城としての座をほしいままにしている。

 意外なこととして、穀物の世界供給が潤沢になされるようになったことがある。エネルギー確保のためにバイオマスエネルギーの原料として世界の20〜30%の穀物が使用されていたという試算もある。

 これらが、食用に供されるようになったり、畑で野菜や果物を育てるようになった結果、飢餓は人口の1%程まで低下している。10桁の世界人口からいけば、いくら1%といえども、その数は少なくない。

ほぼ無尽蔵むじんぞうに使用できるようになった電気を使い、海水を淡水化させ、水の少ない地域にパイプラインで供給する計画が上がっている。ただ、大量のチューブを使用する計画のため、中部線チューブラインと言われている。

当初はThe Lineでの使用を目的としていたらしいが、それを転用・応用し灌漑かんがい利用できるようにしようとしている。

 旧時代から水に困ることのない日本では、水は無料タダ同然だった。それに加え、電気も同じようになった。

けれど、温暖化は進んでいるため、まだまだ研究が急がれている。

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