5月13日 DVについて

 結論からいうと、家庭内暴力(DV)という言葉は死語となった。

 というのも、生体外部記憶装置(通称ログ)によって個人が見聞きしたものが記録・録画されるようになり、そのデータを内閣府の相談サポートセンターに即時転送することができるようになった。その結果、警察や地域管理局(旧称自治体)が介入しやすくなり、早期解決が成されている。

 また、特定の生体反応や音声データをログが判断し、相談サポートセンターに自動で送ることがある。成人している場合は任意で、この機能の利用を選択できるが、未成年者に於いては強制利用となっている。

 その理由として、旧時代に於ける暴力や無視、経済支援をしないといった脅迫などの精神的攻撃を与えるDVだけでなく、それと同じ反応をするイジメの対策に効果的であるということが示されたからだ。

 結果として、DVだけでなく、不登校の生徒や離職する教員、痴漢、ハラスメント、バイ春行為が著しく減少した。しかし、少年院などの社会復帰施設がパンクし、政府はその対策に追われた。

 他にも、ログによって誤認逮捕や冤罪は限りなくゼロになった。その上、未然に事件を防ぐこともできるようになった。

ログは比較的早く普及したが、政府がシステムに介入するということを導入する際には、かなり激戦があったらしい。権利やプライバシーの侵害ということで訴えていたらしい。

しかし『膨大な国民のログを政府が何かできるわけもない』という認識が広まり、導入される運びとなった。

 期せずして「失くしモノ」「落とし物」といった物を探す人はかなり減り、落とし物センターや迷子センターは無用の長物となり、今ではログではない記憶にのみ、記録されている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?