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2022年8月の本棚

8月に読んだマンガをまとめていきます。


ブレス 1 / 園山ゆきの(講談社)

元モデルの男子高校生・宇田川アイアはメイクアップアーティストになる夢を持ちながらも周囲に否定されることを恐れて諦めていた。そんな折にクラスメートの猫背なそばかす女子・炭崎純と学園祭のアーティストコンテストに出場することに。純にモデルとしての可能性と魅力を感じたアイアは自分のメイクで彼女の背中を押したいと願う。

設定的にちょっと粗さも感じた気がしたけど、それを差し引いてもあまりある情熱のこもった素敵な作品でした。アイアはメイクアップアーティストとして、純はモデルとして、夢への階段を上り始めたのです。


ウマ娘 シンデレラグレイ 8 / 久住太陽・杉浦理史ほか(集英社)

タマモクロス引退の有マ記念。世代最強の白い稲妻と、新たな時代を作る灰色の怪物の最後の直接対決は、熱く、激しく、美しく、そしてどこか呆気なかったように思えた。ゴールの瞬間はいつも虚しい。

「芦毛と芦毛の一騎打ち。宿敵が強さをくれる。」私の好きな言葉です。(JRA2012年度CM「The WINNER 1988年 天皇賞(秋)」より)


逃げ上手の若君 7 / 松井優征(集英社)

軍神・楠木正成登場。己と重なる信念を彼に見た時行は「逃げの極意」を学び得ようと単身楠木邸に招かれ入る。その折りに偶然聞き知る宿敵・尊氏へ接近する好機。京の都の去り際に、若君はまた一つ成長する。そして時は満ち、いよいよ天下奪還を目指す大戦「中先代の乱」が始まろうとしていた――。

今回も読み応え抜群でした。大河ドラマ化してほしい。


あかね噺 2 / 末永裕樹・馬上鷹将(集英社)

兄弟子たちの寄席での姿を目の当たりにして成長する朱音は、父の仇(?)の阿良川一生が審査員を務める学生落語選手権大会「可楽杯」出場を決意する。そんな朱音に志ぐま師匠が出したたった一つの条件は「寿限無」で勝つこと。これがどう影響してくるのか。猛者集う可楽杯編開幕!


SAKAMOTO DAYS 8 / 鈴木祐斗(集英社)

試験編続き。推薦組とかが出てきたり、ちょっと骨のありそうな奴が坂本さんと関係のあった人物の親戚だったり。そのうちアニメ化しそう。


ダンダダン 6 / 龍幸伸(集英社)

呪いの家編完結。邪視に憑依されたジジがパンツ一丁のくせにカッコよくて強くズルい。毎回破茶滅茶なのに読み終えてみるとなんか感動しちゃってるダンダダン。やっぱり面白いし凄い。

オカルンは承太郎だったり、ジジは最後らんまだったり、とパロもアリアリ。そのうちアニメ化しそう。というかもう決まってそう。


カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義 2 / 甲斐谷忍・夏原武(集英社)

加茂教授の次なる討伐(研究)対象は弱者をカモにする悪徳マルチ団体。人間関係を全面に押し出すクセして、当人たちはお互いを全く信頼し合えていない上辺だけの関係なのがもう脆弱さモロ出しって感じで哀れすぎる。今回もスカッとさせてもらいました。マルチだったりカルトだったり世の中色々大変ですね。


おいしい煩悩 2 完結 / 頬めぐみ(KADOKAWA)

かんろをいつも助けてくれていた後輩の言代くん。実は彼もかつてかんろと同じ呪いをかけられ、克服したという過去があった。そして今はその煩悩を美味しくいただくことに喜びを感じるように。その事実を知ったかんろの煩悩は今まで以上に暴走してしまい…。煩悩まみれのドタバタコメディー、解脱の最終巻

煩悩は決して悪ではない。自分の欲に正直になりながら他者との関係を築いていくのが一番良いんだよな〜とかなんとか考えたりしました。最後まで破茶滅茶だったけど好きでした!お疲れ様でした。


ヒラエスは旅路の果て 3 完結 / 鎌谷悠希(講談社)

死を求めて黄泉の国を目指した少女と不死身男と神の3人は旅路の果てに何を見るのか。締め括るのが難しそうなテーマだったど、3巻で綺麗に終わってくれたと思う。不死身の日々野と神様のハニの関係が尊くて素敵でした。


山口つばさ短編集 ヌードモデル / 山口つばさ(講談社)

『ブルーピリオド』の山口つばさ先生初の短編集。クラスの変わり者美術女子を落とす罰ゲームのために彼女のヌードモデルをすることにした男子高校生の話【ヌードモデル】、女子のフリをすることで承認欲求を満たす男子高校生の話【おんなのこ】、吸血症という病気のホストに嵌っていく自己肯定感の低い女性の話【神屋】の3作を収録。

ブルピに通ずるものもありつつ、また別ベクトルの面白さも味わえる大変満足度の高い一冊でした。相変わらず「読ませる力」みたいなのが凄まじい山口先生。表紙が強い。


大丈夫倶楽部 2 / 井上まい(レベルファイブ)

大丈夫の研鑽を日課とする主人公の花田もねが出会った謎の生命体・芦川。この芦川に「芦川」という存在を与えた人間の芦川は何者なのか。
大丈夫な日々の傍らで描かれるこの「芦川過去編」がどうもミステリアスでSFチック。水面下でじわりと流れるどこか不穏な雰囲気が不思議とクセになります。「大丈夫」とは一体…

電子版2巻の発売にあわせて1巻の紙版も発売。昨今、最終巻だけ電子版で配信、という作品はあったりしますが、それとは逆のスタイル。電子である程度売行が良かったということだと思うので素直におめでたい。


ちひろさん 1 / 安田弘之(秋田書店)

有村架純主演で実写映画化が発表された作品。元風俗嬢で、今は海辺の小さなお弁当屋さんで働く「ちひろ」という女性
自分の過去を隠すことなく自由に生きるちひろさんに町の人たちはそっと惹かれていく。これはとても良い作品でした。ちびちび読んでいきたいな。


クロシオカレント 1 / こかむも(KADOKAWA)

足が生えニャーと鳴くカツオ。触手を操る同級生。父とすり替わった悪の魔神。山奥のダムに潜む巨大な怪獣娘。に恋する記憶喪失の少年。は実は魔女の手下だったーー。
魑魅魍魎が跋扈する高知県を舞台に、平和で、ちょっと物騒で、かなり謎な日常が繰り広げられる

想像の遥か斜め上をいく謎な世界観でした。散りばめられた数々の謎要素たちはどう回収されていくのか。そもそも回収されるのか。良い意味であまり期待せずに読んでいこうと思える作品です。絵が好き。


インク色の欲を吐く 1 / 梅ノ木びの(KADOKAWA)

25歳で夭逝したイギリスの画家、オーブリー・ビアズリーの人生を描いた伝記マンガ。天才画家の苦悩と葛藤を白黒の世界で贅沢に味わえる。カバー下のデザインも秀逸です。


虎は龍をまだ喰べない。 壱 / 一七八ハチ( KADOKAWA)

虎が捕まえた獲物は一匹の龍。果たして虎は弱った龍を喰べるのか、それとも生かして肥やすのか。二匹の間の芽生える不思議な関係を美麗な線で描く。

世界観は動物たちが自由にヒト化できる桃源郷のような場所が舞台。腹筋バキバキな脳筋不器用お姉さんの虎と捕食対象だけど頭のキレる強かな少年の龍。これはなかなか良いおねショタです。


ダンジョン飯 12 / 九井諒子(KADOKAWA)

迷宮の主となったマルシルの欲望が巻き起こす混乱の12巻。マルシルと組む翼獅子が悪魔として彼女を誑かしているという構図でもなく、あくまでマルシル自身の願いが迷宮の力によって増幅・具現化された結果、大混乱になっているのが面白い。
出てくるモンスターもマルシル仕様だったり、郷土料理が最終的に二郎系ラーメンに着地したりするのも笑った。シリアスでもコミカル。

ダンジョン外の世界にも影響が大きく及び始め、いよいよ佳境といった展開だけど、最後はみんなで美味しくご飯を食べて終わってくれたらいいな、と楽観的に読んでいます。

そして遂にTVアニメ化決定!!いやもはや今更かよ!って感じではある。でも楽しみ。


私の胎の中の化け物 1 / 中村すすむ(講談社)

優等生の主人公・千夏の心はある日ポッキリと折れてしまった。閉じこめられていた自分の中の醜い衝動は何倍にも膨れ上がり「化け物」と化す。周囲の関係を壊していく快感を覚えてしまった彼女を止めるものはもはや何もない。

千夏の破壊活動は自ら直接手を加えずに、亀裂だけ入れてあとは周囲が勝手に壊れていくのを端から見て悦に浸る、というなんともいやらしいスタイル。
周りの人間も壊れるべくして壊れていくという程のクズっぷり。胸糞悪くも小気味良く爽快で気持ちいい。胸糞耐性がある人にはオススメです。


ミューズの真髄 2 / 文野紋(KADOKAWA)

夢を追いかけてもがいているはずなのに、逆に打ちひしがれてしまう。多分どこまで行っても報われないと、自分が一番自覚してしまっているのが読んでいてどうしようもなく辛くて苦しい。主人公の美優は最後はどうやって折り合いをつけるのか。次巻完結。


僕の心がチューと鳴く / 胃下舌ミィ(KADOKAWA)

ある日、義父が自分のこと猫だと言い張り出した。そして主人公の中年サラリーマン・たかしもかつて自分のことをネズミだと自覚していたことを思い出す。揺らめくアイデンティティーの物語。

ありのままの内容を書いてもちょっと訳がわからない程シュールで絵柄もキャッチーですが、中身はかなりハードな内容でした。救いはない。


みなそこにて 2 / 冬虫カイコ(双葉社)

閉ざされた町の中では、人魚である千年さんの存在を誰しもが容認せざるを得ない。このコミュニティーに蔓延る確かな悪に対して誰も何もできない(しない)という状況の描き方がなんとも居心地悪く、恐ろしい。引き続き楽しみな作品です。


回顧 冬虫カイコ作品集 / 冬虫カイコ(ジーオーティー)

『みなそこにて』の冬虫カイコ先生の作品集。女性が主人公の短編が6作収録。【帰郷】は『みなそこにて』に通ずる「田舎の閉塞感」が描かれていて息が詰まった。苦しい話もあったけど、ちょっと前向きになれるような温かいものも思いの外あって良い意味で想像以上の一冊でした。【ふたりの色目】が特に好き。


僕の心のヤバいやつ 7 / 桜井のりお(秋田書店)

お互いどっちつかずの関係なまま、Wデートやホワイトデー、市川の誕生日…からのお泊まりと怒涛のイベントラッシュ。女優業にも直向きな山田を影ながら応援したい市川。3年生に進級して更なる波乱が巻き起こりそう。中学卒業で終わってほしい。

満を持してTVアニメ化決定。人気的は申し分ないけどアニメ的な表現が合うかと言われたら正直ちょっと分からない。


アオのハコ 6 / 三浦糀(集英社)

反則的な表紙の6巻。雛ちゃんは、もう言うまでもなくいわゆる「滑り台キャラ」だけど、惨めさを出さずに、丁寧に丁寧に扱っているのが良い。あくまでも可愛く凛々しく描かれている。
千夏先輩にはやっぱりどうやって敵わないけど、そこを敵対関係的に描く作品でもないので、それぞれがそれぞれの良さを最大限出し切ってくれて、あとは大樹が困ればいいかな、と思う。競うな!持ち味をイカせ!!


ウィッチウォッチ 7 / 篠原健太(集英社)

ニコが料理に挑戦して大騒ぎになる回、挑まれたクソゲーを面白く作り直す回、ネタでしかない生徒会長が本気出す回、カンシがカフェでバイトする回、ケイゴとネムちゃんが良い感じになる回前後編、幼い頃のモイちゃんが描いた漫画で大騒ぎになる回、モイちゃんとニコの過去回前後編…を収録。

モイニコはお笑い要素が強いからケイネムをもっと摂取したい気持ちなのよ(ニコのちょっと不自然な「〜のよ」口調はあえてなんだろうけど、意外と好きです)。


愛してるゲームを終わらせたい 2 / 堂本裕貴(小学館)

愛してるゲームを終わらせる気のない幼なじみ高校生男女のラブコメ。相変わらずもどかしいけど、主人公(♂)の性格が個人的にはそこまで鬱陶しくなく、ストレスがあまりないのがポイント。ラブコメは、ヒロインはもちろん男主人公のキャラクターをどこまで好きになれるかが重要だと、改めて思うところです。


クプルムの花嫁 3 / namo(KADOKAWA)

新潟・三条市を舞台に職人と微ギャルが織りなす伝統工芸マンガ。同棲なんか始めちゃったりしていちゃいちゃは加速する一方。いいぞもっとやれ!読んでいるとますます新潟行きたい欲が募る。


今日から始める幼なじみ 4 / 帯屋ミドリ(新潮社)

いっぱしの幼なじみを目指す中学生のラブコメ。楓母にイジられる楓がかわいい。「すべからく幼なじみになっていく系ラブコメ」ってコピーがいいですね。すべからくいちゃいちゃすべし。


スタジオカバナ 3 / 馬あぐり(KADOKAWA)

歳上女子・春雪への想いを拗らせる優助に対する想いを募らせていくゆかり。一緒に勉強したり、ライブを観に行ったり、夏祭りに行ったり、時間を共有していきながらも、あともう一歩を踏み出せない。春雪がおる限り、あまり良い方向へは行かなそうなのがツラい。


サクラ、サク。 5 / 咲坂伊緒(集英社)

井竜くんがとにかく幼稚で鬱陶しい。性格的に掻き乱してくるようなキャラクターではないけど、ずっとイライラしていて周囲の雰囲気を害する奴。かな~り不快だった。これをツンデレと呼ぶのは違う気がする。無理に咲と陽希との三角関係に入ってこなくていいんだが、、と思うところです。


いとなみいとなめず 7 / 水瀬マユ(双葉社)

お正月に清の実家に行く澄ちゃん。清の故郷を訪れられて嬉しいのにその至る所で、清の幼なじみの梓月の存在を感じ取ってしまう。それでも好きな人に関わる全てのことを愛したいと思う彼女の言動は素晴らしかった。梓月なんかより遥か上にいてくれてよかった。それはそうと流石にそろそろいとなみいとなんでほしいんですけど…


白山と三田さん 1 / くさかべゆうへい(小学館)

上京したい田舎の高校生・白山は、ひょんなことから同級生の三田さんと付き合うことに。クセつよ同士だけどどこか波長が合う地味カップルが送るユル〜いラブ?コメディー。何とも言い難い感じでした笑


不器用な先輩。 1 / 工藤マコト(スクウェア・エニックス)

会社の不器用な先輩がかわいい、という話。社内恋愛系の作品はちょっと苦手だけどこの先、恋愛要素は増えていくのかどうなのか。久しぶりに読んだ工藤マコト先生作品。


はじめラブコメ オガベベ 2~4 / おきらくボーイ(小学館)

原始人の男女、オガとベベが知るはじめての感情。お互いの「土器(ドキ)」を伝え合い、その正体を理解しようと歩み寄る二人。4巻ではまさかの恋のライバルも登場。人類史上初の三角関係である。

1巻を読んだ時以上に好きになったこの作品の雰囲気。連載は先日最終回を迎えたらしく、来月出る5巻で最終巻なの、かな?寂しいけどあまりだらだらやっても仕方がないので良かったと思いたい。表紙のデザインがどれも素敵。


純猥談 2 / 田川とまた・純猥談編集部(講談社)

【出会って10年、夫の不倫に気付いてしまった。】【4年経っても、手を出してこない彼氏のことがけっこう好きだ。】【タバコの匂いがしない彼が好きだった。木綿のハンカチーフで泣く彼が好きだった。】【私もただの女の子なんだ。】という4編を収録。

各タイトルからも投稿者の人たちの自己陶酔っぷりが見て取れます(読者投稿形式の構成)が、それでも読んじゃう自分がいるのもまた事実。留年した主人公を地元に残して上京した彼氏がクソ陽キャになっていた話がキツかったです。


青い花 1~8 完結 / 志村貴子(太田出版)

天真爛漫な少女・あきらと大人びているけど泣き虫な少女・ふみ。幼なじみの二人は高校入学を機に再会する。二つの女子校を舞台に描かれてる少女たちの恋愛群像劇

「百合」と呼ぶよりもっとずっとシンプルな話。いや「百合」や「BL」なんて分かりやすく俗っぽく括っているだけで根っこは全部同じことだと思っている。自分に女子高生だった時期なんてないのに読んでいて静かに込み上げてくる感情がとても心地良かった。相変わらずこの「行間で読ませる感じ」が堪らない。

言わずと知れた志村貴子先生の代表作の一つを漸く読みました。先生の作品が好きな割には比較的最近の作品しか読んでいなかったのでこれからはどんどん読んでいきたい。


淡島百景 4 / 志村貴子(太田出版)

約3年半ぶりの新刊。淡島歌劇学校合宿所、通称「寄宿舎」を舞台に描かれる、少女たちの青春群像劇

夢、憧憬、努力、挫折、羨望、嫉妬、友情、恋、確執…。世代や時代を行ったり来たりしながら登場人物同士のそれぞれの関係が描かれています。人の数だけ物語があるんですよね(ありきたりな感想)。巻末収録の「若草物語」も良かったです。次巻で最終巻なのは悲しいですが、あと数年「待っていられる幸せ」が味わえると思うと嬉しい。


おとなになっても 7 / 志村貴子(講談社)

夫との離婚は成立してもまだまだしがらみは多い。児童の保護者たちに不倫の噂が広まり、保護者会で事情を説明するシーンとか恐ろしすぎる(自業自得だが)。

自分たちだけの世界にどうしても他人の入り込む余地を残してしまう。大人としては正しいのかもしれないけど、もっと図々しく自分勝手に生きられたら楽なのにな、と読者視点で思います。それでもどうやら同棲するみたいですよ。


ジーンブライド 2 / 高野ひと深(祥伝社)

自分と同じ顔と名前を持つ少女・壱に出会った主人公の依知。他人とは思えないものの関係に心当たりのない壱も自分が通った学園の生徒だという。そして思い出される学生時代の記憶。「フェミニズムSF」と呼べばいいのか、イマイチまだ掴みきれない。物語の幕は開いている模様。


弱虫ペダル 79 / 渡辺航(秋田書店)

弱ペダは「こうなったらいいな」という展開を尽くハズしてくる、悪い意味で期待を裏切ってくる作品だなとつくづく思う。悠人あれだけ引っ張って負けるんかーい。しかも見開きで盛大に負けるんかーい。マジでなんだったんだこの兄弟対決、と言わざるを得ない結末だった。

そして次は真波vs黒田の登坂バトル。ある意味因縁の対決で、やっと3年生追い出しレースらしい展開になってきたけどこれだけは断言できる。黒田は負ける。


サクリファイス 1~3 完結 / 近藤史恵・菊池昭夫(秋田書店)

同名原作小説のコミカライズ作品。「サイクルロードレース」を題材に描かれたミステリー。このスポーツの特異にして最大の特徴とも言える「アシスト(犠牲=サクリファイス)」という存在が物語に完璧に落とし込まれており、加えて、自転車に乗った時に抱く感情や見える景色といった心理描写・情景描写も鮮明に描かれていて、ただただ感動しました。大好きな作品になったかもしれない。

原作者はミステリー作家として有名な方みたいですが、今作発表時(今現在も?)はレース観戦経験もロードバイク乗車経験も一切なかったそうで、それでこれ書けたの!?と腰を抜かした。原作小説は続編がいくつか出ていてそれも読んでいるところですが、最近ちょっと滞っております。


シャカリキ! 1~2 / 曽田正人(秋田書店)

坂を登ることに魅せられた少年の自転車人生を描いた自転車漫画の金字塔的作品。古本で美麗なものに出会えたので迷わず購入。2巻まではまだまだ序章も序章で、全18巻をなかなか読み進められていませんが、これは読めなばならない作品だ。時間を作って読むぞ。読むぞ読むぞ。


スーパーの裏でヤニ吸うふたり 1 / 地主(スクウェア・エニックス)

社畜中年サラリーマン・佐々木さんの唯一の癒しは、愛煙する煙草と行きつけのスーパーのレジ担当・山田さんの笑顔だけ。いつものように癒しを求めてスーパーに向かうも山田さんはおらず、代わりにスーパー裏の喫煙所で田山さんという謎の女性と出会う。明らかに山田さんとはかけ離れた雰囲気の田山さんの正体は、なんと実は山田さんだった!!(佐々木さんは気付いていない)というTwitter産会話劇マンガ。

苦手な要素が多いな〜とちょっと敬遠していましたが、読んだら読んだで楽しめました。この手のマンガの書き下ろしは大体秀逸。田山さんが自分の正体を打ち明けられず、自分で自分の首を絞めているような構図がもどかしくも面白くて好きです。『次にくるマンガ大賞2022 Webマンガ部門』1位おめでとうございます。




雑記

8月も光の速さで過ぎ去っていってしまった。あまり夏らしいこともできなかったなーとちょっと後悔しています。気がつくともう秋だ。

今月は掲載順を発売日順からザックリとしたジャンル順にしてみました。途中よく分からなくなって、全体的にまぁまぁ適当ですが、毎月ジャンプコミックスから始まっていたので結構新鮮です(自分で言う)。

『次にくるマンガ大賞2022』の結果が発表されましたね。コミックス部門に冷たく熱いフィギュアスケートマンガ『メダリスト』、Webマンガ部門が今月1巻が出たばかりの『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』。『メダリスト』に関してはもう既に来てますがいやはやめでたい。『正反対な君と僕』Webマンガ部門2位もおめでとうございます。

こういう公式ランキングを参考にマンガを買うことって正直あまりないですが、知っている作品、好きな作品が上位に入っているとやっぱり嬉しい。特に上位入賞すると書き下ろしの感謝イラストが公開されるので。

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