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2021年12月の本棚

今年も素敵なマンガたちにたくさん出逢えた一年でした。12月はちょっとバタバタとしていたけれど。今年を振り返る記事も書いてますのでよろしければそちらもどうぞ。

怪獣8号 5巻 / 松本直也(集英社)

四ノ宮長官の前で怪獣8号へと変身したカフカは応戦?し、互角の戦闘を繰り広げるも、経過観察ということで最終的に処分保留となる。キコルと共に癖の強い鳴海隊長率いる第1部隊に配属され、「己の有用性」を証明すべく、新たな任務へと向かう。なかなか熱い展開が続くから単純に面白い。


ハイパーインフレーション 3巻 / 住吉九(集英社)

奴隷船編終了。奴隷戦脱出後、クソのような別れ方をしたグレシャムが僅か数話で頼れる味方として再登場したのは笑った。経済の小難しい話が多いが、時折挟むシュールなやり取りとグレシャムが笑いを誘って疲れずに読める。帝国側も新キャラも登場してまた面白くなりそう。


ダンダダン 3巻 / 龍幸伸(集英社)

vsアクさら編が普通に良い話で良かった。この漫画は本当にジャンルを一言で言い表せないし、何よりやっぱりマジで絵が上手すぎる。上手すぎてちょっと引く。


弱虫ペダル 75巻 / 渡辺航(秋田書店)

急にカチ込んできた川田と桜井とかいうクソ野郎二人。いや誰!?と思ったら坂道たちと同学年で1年生レースの後に辞めていったモブ同然のキャラをここで登場させるというとても正気とは思えない展開。引き延ばすにしてももっと他に方法あるでしょ。しゃしゃり出る川田を黙らせるためにイキる杉元だけど当然の如く負けてジャージを奪われる胸糞展開。次巻で坂道に軽く捻られてほしいし、なんなら川田自身の危険走行が原因で事故死してほしいレベル…


SANDA 1巻 / 板垣巴留(秋田書店)

『BEASTARS』の板垣巴留先生の新作はサンタクロースが主人公!?
超少子化が進んだ近未来。全寮制の学園を舞台に、サンタクロースの末裔の少年・三田とクラスの変人女子・冬村が繰り広げる奇妙で新しいヒューマンサスペンス漫画。学校が全寮制だったり、いきなりクラスの一人が死んで(行方不明)になっていたりしているのはノルマなのかな笑。でも「大人と子供の関係性」というテーマもはっきりしているのは見事で、一気に引き込まれる面白さだった。


きみのご冥福なんていのらない 2巻 / 松尾あき(秋田書店)

身体を動かすには「イチャイチャ」が必要なゾンビ・小野と小野に想いを寄せる女子高生・篠原のゾンビラブコメ第2巻。篠原の寮部屋で密かに同棲生活を始めた二人だけど、いまいち関係も進展しきらないまま、ライバルの先輩も登場して、夏祭りで波乱の展開。イケメンが夏祭りで狐のお面被るの好き。


はぐちさん 8巻 / くらっぺ(祥伝社)

芙蓉ちゃんの就職活動が中心だった第8巻。八千代さんたちも正直どういう仕事しているかまでははっきりと描かれていない(昔に比べてだいぶ描かれた方ではあるけど)から芙蓉ちゃんだけの就職活動を描かれてもちょっと戸惑うかな、と思った。ただ単に自分にそう言うのに対する嫌悪感があるだけかもだけど、流石にちょっとネタ切れ感は否めない気もする。それでも大好き。


君は冥土様。 4巻 / しょたん(小学館)

雪さんの悲しい過去が明かされてただただツラかった。ツラかったけど、悲しい部分以上に、人好をはじめ、優しい人たちとの微笑ましいエピソードも満載で総合的には幸せな一冊だったと思う。すぐ泣く雪さん可愛い。人好の両親がちょっと不穏な感じなのが気になる。悪い人ではなさそうなんだけど。


ミステリと言う勿れ 10巻 / 田村由美(小学館)

誘拐事件解決。犯人の思考が怖いし哀しいし、腹の奥が重たくなる話だった。 もちろんストーリーは面白かったけど、余りにも怖ろしい人間が複数人いてて、理解不能すぎる。全ての事件はもしかしたら繋がってるのかもしれないし、まだまだ膨らみそう。ドラマもそろそろ始まりますね。


ひらやすみ 2巻 / 真造圭伍(小学館)

今月の一番の楽しみ。燻る美大生のいとこ・なっちゃん、パパになる見栄っ張りな親友・ヒデキ、社畜OL・よもぎさん、なっちゃんの少し内気な友達・あかりちゃん。ヒロトの周りには優しくのんびりとした空気が漂っていてみんなの気持ちがほんのりとほどけてゆく。読んでいて元気になる素敵な漫画です。
ヒロトとなっちゃんのお互いなんだかんだ言いながら信頼し、気遣い合っている関係が好き。


推しが武道館いってくれたら死ぬ 8巻 / 平尾アウリ(徳間書店)

岡山で活躍する地下アイドル「Cham Jam」の不人気?メンバー・舞菜とそんな彼女を全力で応援する限界オタク・えりぴよのすれ違い微百合漫画。武道館への道はまだまだ果てしないけど、二人の関係は微笑ましくて楽しい。えりぴよさんの限界っぷりがホント面白い。


ウマ娘 シンデレラグレイ 5巻 / 久住太陽・杉浦理史ほか(集英社)

天皇賞(秋)で繰り広げられる芦毛と芦毛の一騎打ち。”怪物”オグリキャップの追い込みを退ける”白い稲妻”タマモクロスの「領域(ゾーン)」に入った走りは痺れた(この漫画「ゾーン」とかの単語出してくるのか…)。オグリとタマモの芦毛伝説はまだ始まったばかり。「宿敵が強さをくれる。」
同世代のスーパークリークの菊花賞制覇がこの巻に収録されていたのも、個人的には嬉しかった。天才を天才にしたウマ娘・スーパークリーク。「本当の出会いなど、一生に何度あるだろう。」
にしても、アプリゲームの方にも遂にタマモクロスが実装されて、タマモクロス尽くしな12月だったな。


かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 24巻 / 赤阪アカ(集英社)

石上、伊井野、大仏の三角関係めんどくさすぎて「これもう無理やん」って思ったけど、案外あっさり終わった、のか?伊井野に喝を入れるかぐやの姿にに成長を感じた。そんなかぐや周りのドロドロが本格的になってきていよいよ最終章開幕。でもあとコミックス5巻分くらいは余裕で続きそう。書記ちゃんだけが安心してネタにできるオアシス枠。


少年のアビス 7巻 / 峰山りょう(集英社)

前回の衝撃(もはや何が起きても驚かないけど)の引きで終わったけど、結局誰も死ななくて少し萎えた。こういう狂った奴らに限って妙にしぶといんだ。令児の周りの環境、優しい母親がいて、寄り添ってくれる先生がいて、頼りになる親友がいて、理解してくれる幼馴染がいて、憧れのアイドルがいて、一見すると幸せでしかないはずなのに中身は見事に地獄のドン底なのが最高に最低。下手なギャグ漫画より全然面白いし、量産型のラブコメより全然恋愛してる気がする。


妹の友達が何考えてるのかわからない 2巻 / 玲。(一迅社)

今年の初めに1巻が出て久しぶりの2巻。夏!海!水着!で眼福だったけどつゆちゃんラッシュガード!!…でもラッシュガード越しなのもまた乙でした。つゆちゃんが兄貴に対してあまりにも奥手で、兄貴も兄貴で鈍感だから「つゆちゃん×兄貴」より「つゆちゃん×ちえ」な構図の方が正直多い気はした。
ゆっくりでもいいので3巻、4巻と無事刊行されますように願っております。


ふたりエスケープ 3巻 / 田口囁一(一迅社)

待ってた現実逃避漫画第3巻。編集部のパーティーを抜け出して、コンビニおつまみを肴にビールを飲みながら歩いて帰るのが「最高」すぎて、何度も頷いきながら読んでた。基本的にバカでアホでしょうもないんだけど、作品の温度感が丁度良くて非常に読みやすい。こういうのでいいんだよな、こういうので。


鬱ごはん 4巻 / 施川ユウキ(秋田書店)

読むと違う意味で食欲が失せる鬱グルメ漫画。平成から令和へ年号も変わり、パンデミックによって生活様式も変わり、身の回りの環境は変化していそうで、その実、何も変わっていない。ただ食べ、ただ生きる。現代日本における独身男性のリアルな「貧しさ」を突きつけられているようで食欲どころか全てのやる気が失せる。失せた。でも読んじゃう。


バーナード嬢曰く。 6巻 / 施川ユウキ(一迅社)

怠惰な読書家・”バーナード嬢”こと町田さわ子とガチの読書家・神林たちによる「読書家あるある」を網羅する作品。町田さわ子ももはやガチの読書家と言っても過言ではないレベルで、全員難しい本を読んでいて素直に感心するけど、作品の醍醐味はそこではない。「何を読むか」も大事だけど、「どう読むか」だから、読書って。そこを色々な角度から取り上げているのが好き。あと出てきた作品について、読んだことなくても読んだ気になれるところとかも()
今回は図書委員の長谷川さんがコナン愛をぶちまける回が一番面白かった。コナン好きの人は周りにも多いけど、推理描写やホームズや他の推理小説からのオマージュをちゃんと理解して楽しんでいる人はそうそういなさそう。あとTwitterにも載せられていたけど、ゾロリと町田の後悔の回も良かった。


Q、恋ってなんですか? 2巻 / FiokLee(講談社)

女でも男でもないQさんに対する自分の感情が整理しきれない青井くん。地球に降り立った際に一番最初に会った地球人の姿をコピーしたと言うQさんのその「モデル」になったと思しき女性に偶然知り合ったり、会社の同僚とも少しだけ親密になったりと、色々進展しそうな予感。
月の引力が地球の生命体の生殖活動に影響を及ぼしているの、改めて思うとかなり神秘的だ。


チ。-地球の運動について- 第6集 / 魚豊(小学館)

前巻の第2章完結から25年の時を経て第3章突入。C教の権威が揺らぎ始める激動の時代。神の存在、聖書の解釈に興味がなく「金を稼ぐ」という己の信念に突き動かされる少女・ドゥラカが出会った一冊の本。あらゆる角度から、時代は変わっていく。


僕の妻は感情がない 2〜4巻 / 杉浦次郎(KADOKAWA)

未読巻から今月発売の新巻までをまとめて読んだ。家電ロボット・ミーナちゃんとサラリーマン・タクマの間に介護ロボット・マモルを加えて3人?暮らしがスタート。4巻ではタクマの実家にも挨拶に行き、広い家へ引っ越しも済ませた。ただのその引越し先が事故物件だったのはちょっとよく分からなかった。今後何か意味が出てくるのかな?あとはお隣さんの娘さんがまぁまぁの過激派でミーナちゃんと対立してしまって大変なことに。毅然とした態度を取るミーナちゃんの姿にちょっと泣いてしまった。「ロボットに人間の代わりが務まるのかどうか」の軸はブレずに描いていってほしい。


はやめブラストギア 1〜8巻 完結 / 竹山祐右(少年画報社)

主人公の女子高生・円城寺はやめが愛車のビアンキに駆り、行方不明な父親を探すため、「デストライド」という愛機のパーツと己のプライドをかけた闇レースに挑むという世紀末ロードバイク漫画。 作品の存在は認知していたけど、この度やっと読めた。関東を中心に各地の峠に潜む「王」とデスレースを繰り広げては友情が芽生えていくのが王道展開で爽快だった。終盤はちょっと駆け足感が強かったけど、振り切った内容で面白かったです。

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