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2022年2月の本棚

2月に読んだマンガをまとめて紹介していきます。


ウィッチウォッチ 4巻 / 篠原健太(集英社)

狼男のケイゴも仲間になり、より一層喧しくなったモイちゃんハウス。何はともあれ「付与の魔女」事件が一段落して良かった。結局どういう事件だったのかイマイチ分からなかった気もするが(笑

ギャグパートだと、嬉野さんと真桑先生の「神絵師とただのオタクの関係」が普通に尊くて好き。嬉野さんがネムちゃんと張るくらいに可愛いくてもっと出てきてほしいなと思う。不器用なクラスメイトの習い事サポートや英語教師の親の呪いにかかったキャラクターの恋愛相談と他も充実のラインナップ。つくづく満足感の高いマンガだ…


ココロのプログラム 1巻 / 中村ひなた(集英社)

父親を失った少年・九の元にやってきた、人間そっくりのロボット・いちこ。彼女の”心のプログラム”完成までの間、ホストファミリーとして一緒に住むこととなる。ドライな少年と心を学びたいロボット少女の関係を描いたボーイミーツガール作品。

作品の前提として、いちこのロボット設定はだいぶ緩めで、見た目や振る舞いはまんま人間。世界観的にもロボットが人間の仕事全てを担う、みたいなものではなく「存在は認知されているけど、浸透はしていない」感じ。ご都合設定な部分もあるかも。

あとは一番大事なのが、九に想いを寄せる幼馴染の愛ちゃんの存在。俗に言う滑り台キャラが大好きなので一番応援したくなる。作中の時間経過も結構早めで1巻だけで5年生→中学1年生とすんなり進んだ。”心のプログラム”の進行度的に中高校生編くらいから話数を割いていくのかもしれないので、まだプロローグって感じ。絵も綺麗で可愛い。オススメ。


株式会社マジルミエ 1巻 / 岩田雪花・青木裕(集英社)

「魔法少女」が一つの職業として一般人の憧れの存在となった社会。就活に苦戦する女子大生・桜木カナが出会ったのはベンチャー魔法少女企業「株式会社マジルミエ」とそこで働く個性豊かな従業員たちだった。変人だらけの零細ベンチャーで戸惑いながらも頑張る新人魔法少女の奮闘を描いたアクション×コメディー×お仕事×魔法少女マンガ、爆誕!!

変身バンクを見て涙する社長の気持ちにとても共感してしまった。初回の変身や最後の変身とかは特に胸にクるものがある。


酒と鬼は二合まで 3巻 / 羽柴実里・zinbei(スクウェア・エニックス)

嬉しい2ヶ月連続刊行。「神変奇特酒」を探しにやってきた山奥の蔵で化け狸の怪異に襲われるナオリとひなた。危機的状況の中で試される鬼とバーテンダーの絆の強さ。

宅飲みしたり、百合要素も気持ち多めで楽しい一冊だったけど、新たな鬼の人気アイドルがナオリの噂を聞きつけ近づいてきた。これもしかしてナオリが色んな鬼をお酒で攻略していくマンガだったりする?アイドル鬼がめっちゃ可愛くて今から次巻が楽しみ。


弱虫ペダル 76巻 / 渡辺航(秋田書店)

杉元に不正で勝った川田が坂道に対して勝負を仕掛けてきた。「フェアにいこう」と言いながら12kgもの重りリュックというハンデを坂道に押し付けてきたと思ったら支離滅裂な御託を並べながら終始不快な勝負を展開する川田。坂道も坂道で人が良いから真正面から付き合うという(読者の精神的に)厳しい内容。

勝負のことを知った鳴子と今泉の言動が読者の気持ちを代弁してくれるものだったので、そこは救いだった。坂道、鳴子、今泉の信頼関係とアキバ通いで培った体幹、そしてこの2年間で積み上げてきた経験に裏打ちされた坂道の走り、そして次第に取り乱していく川田の表情は見ものです(ただし、それらを差し引いてもあまりあるイライラは覚悟しておいた方がいい)。表紙を飾れただけでもありがたく思ってほしいな、川田には。


SANDA 2巻 / 板垣巴留(秋田書店)

図らずもサンタクロースの呪いから解放されてしまった三田。学園長からの刺客や国に決められた婚約者といった新キャラも登場したけど、今のところみんな善人っぽい。

失踪していた小野の真相と冬村の体質と共に明かされる子どもにかけられた「睡眠」と「第二次性徴期」の呪い。歪な世界設定とキャラクターたちの謎が話が進むにつれて絡み合っていてどんどんハマってしまう。面白い。


矢野くんの普通の日々 2巻 / 田村結衣(講談社)

相変わらずボロボロな矢野くんとそんな彼にすっかりゾッコンな吉田さん。席替え、ファミレス勉強会、カラオケと同じ時間を過ごす内に矢野くんにもしっかり恋愛感情が芽生え始め…!?という意外にも急展開な2巻。

1巻から「好き」の波動を感じていたけど、やっぱり大好きだな、と再確認した。キャラクターの何気ない手書き台詞とかのノリがドンピシャで好み。どうかどうか、羽柴くんが報われますように。


今日から始める幼なじみ 2巻 / 帯屋ミドリ(新潮社)

理想の幼なじみ像を追いかける少女とそれに振り回される少年のユルめラブコメマンガ。「幼なじみは初めての手作りお菓子を失敗するもの」とわざと失敗したクッキーを持ってきた楓ちゃんに対して「幼なじみはこういう時、美味しいって完食するもの」と完璧な返しを見せた航平くんの姿に、なんか感動してしまった。

熟年幼なじみへの道はまだ遠いけど二人ともなかなか光るものを持っている気はする。(「熟年幼なじみ」とは)


ガールクラッシュ 3巻 / タヤマ碧(新潮社)

天花のLJHでの練習生生活が始まった、かと思われたけど、同期の2人は癖ありまくりで前途多難。性格はちょっと悪いけどダンスの実力は本物のジウ。小柄でウェーブヘアが可愛い、天性の歌声を持つミンチェ。3人でチームを組んで事務所の月末評価の為の猛特訓の日々を送る。天花のとてつもない努力に、読んでいてちょっとクラクラしてくる。

今更だけどふきだし内の台詞が、日本語台詞は縦書き、韓国語台詞は横書きになっているのも面白い。K-POPに対する知識が多少でもあったらもっと面白いのかもしれないけど普通に読む分には問題ないかな。エリアンが一切出てこないから次出てくる時にラスボスオーラを醸し出してくるんだろうなと今から震えてる。


アサシンの休日 / 魚田南(マッグガーデン)

イタリアの片田舎に暗殺者が一人。マフィアに恐れられる最凶の男が過ごす休日(バカンツァ)は、意外にも癒しに満ちていた。主人公のコードネーム「ダンテ」は一言も喋らず、黙々と任務を完遂しては、自分の時間を満喫している。正直めちゃくちゃ悠々自適で楽しそう。イタリア行きたーい。

魚田南先生の作品を全て網羅してきたわけではないけど『はらへりあらたの京都めし』はとても思い入れのある作品で、今回新作刊行ということで購入してみた次第です。先生のインスタも美味しそうなご飯の投稿が多くて楽しい(マンガのネタにする為か店名とかは伏せられているのが悲しい)。


おとなになっても 6巻 / 志村貴子(講談社)

ずぶずぶな綾乃と朱里、綾乃の夫の渉、諸々の事情を知っている渉の妹の恵利。4人でファミレスで話し合うという最悪の出だしでもうイヤだった。綾乃と渉の離婚もあっさり片付いてしまっていてなんだかなって感じ。いや、別に好きでもない人と一緒にいる必要はないんだけど。

5巻までイヤイヤ言いながら楽しく読んでいたつもりだったけど、今回は結構しんどかった。他者に対する好意・愛情がここまで全てに優先されること自体がちょっと気持ち悪いというのと、その感情によって他人の家庭を崩壊させた挙句、性懲りもなくまた近づいてくる朱里という人間の皮を被った雌猿。もうさっさと綾乃と朱里でくっついて幸せになればいいと思う。


舞妓さんちのまかないさん 19巻 / 小山愛子(小学館)

気づけば20巻目前、京都が舞台のほっこりごはんマンガ。花街の一大イベント「春のをどり」の本番で大忙しのすーちゃん。そんな大舞台の千秋楽でアクシデントに遭ってしまう彼女の背中を押すキヨちゃんと健太。この三人の間には言葉なんてもはや要らないのです。


アビスアジュールの罪人 1〜2巻 / 冨明仁(KADOKAWA)

一挙2冊刊行。海の遙か底で生きる人魚たちの世界にはある掟があった。それは”人間にその存在を知られてはならない”ということ。

人魚界の掟を破り、人間との関係を持ってしまった親友のリュウを助ける為、地上に上った人魚・ジョーとリュウの想い人の青年・雪。悪い人魚や人魚の権利を取り戻そうとする偉い人魚など、思惑が入り乱れつつも、美しい線で描かれる画がとても魅力的でした。(新訳『人魚姫』的な話なのかな?と思って読み始めたけど、謎の丸薬で「人間⇄人魚」の変身が意外とあっさり出来ちゃうので全然別物)


スーパーベイビー 1〜4巻 / 丸顔めめ(芳文社)

東京の片隅、町田で出会った直球黒ギャル・玉緒と物書き志望の地味メン・楽丸のピュアラブストーリー。一目惚れからグイグイ押していく玉緒と最初は戸惑いつつも次第に向き合っていく”らくぴ”こと楽丸の二人を中心に描かれる優しい世界。

登場人物たちお互いを心の底から大切に思っているのが一つ一つの言動から伝わってきて、読んでいてとにかく気持ちが良い。周りの人たちも(一部を除いて)優しい人たちばかりで平和。全員一生幸せでいてほしい。

個人的には、玉緒のギャル要素が最近流行り?の取って付けたようなものではなく、ガチである点も好感が持てる(ギャルの何たるかを語れるほどギャルに詳しいわけでも、さしてギャルが好きなわけでもないですが)。

最新4巻では、玉緒とらくぴの同棲生活と二人の後輩であり友人であるジュリとトモティーのエピソードも収録。一緒にいるべき人たちが一緒にいてくれて嬉しい。愛って感じ。


海が走るエンドロール 2巻 / たらちねジョン(秋田書店)

1巻発売以降、各方面で話題の注目作の第2巻。自分が「映画を撮りたい側の人間」だと気づいたうみ子さんは美大生として課題に芸祭に奮闘中。相変わらず若々しい。そんなうみ子さんの心境を知ってか知らずか、掻き乱していくかのように振る舞う海。

それぞれの波がぶつかり、重なり、より大きな波になっているような感覚。新キャラの空がどう作用してくるのかも気になります。扉絵の元ネタ作品に関しては、もうまるで全然分からん。


ウマ娘 シンデレラグレイ 6巻 / 久住太陽・杉浦理史ほか(集英社)

世界の猛者たちが集う「ジャパンカップ」が開幕!秋天の激闘を終えたタマモクロスとオグリキャップもまた、出走の時を心待ちにしていた。

欧米式の肉弾戦を強いられるレースの中、本来の実力を発揮できないタマモとオグリ。しかし、圧倒的な実力を見せる海外勢の中でただ一頭、情報戦を展開するアメリカのウマ娘・オベイユアマスターだけが集団後方で不敵な笑みを浮かべる。

伏兵的なキャラクターの登場はやっぱり燃えるなー。史実的なネタバレを自ら踏みに行ったけど、相変わらず競馬界へのリスペクトが凄い。史実通りなら勝つのは奴だが果たして。


【推しの子】 7巻 / 赤坂アカ・横槍メンゴ(集英社)

舞台上で輝く有馬かなと黒川あかねの演技を見て、今一度自分のトラウマと向き合うアクア。やっぱり有馬かなめちゃくちゃ好きだな…

2.5次元舞台編もひとまず完結して、また一歩真実に近づきそうな「B小町オリジナル楽曲制作編」的なやつに突入。宮崎の地で色々進展しそう。ルビーの影が薄すぎるから早く活躍してほしいってもうずっと言っている気がする。


たぬきときつねと里暮らし 2巻 / くみちょう(集英社)

田舎で暮らす無職の主人公・泰葉が山で出会ったたぬきのももときつねのいち。そんな二人(二匹)は実は神様だった!?衝撃の事実発覚かと思われたけど、大騒ぎとかにはならないほのぼの具合。

カメラで大騒ぎしたり、山や川で遊んだり、夏祭りで踊ったり。色んな格好・表情で動き回る神様コンビが可愛くて面白楽しい。


よふかしのうた 10巻 / コトヤマ(小学館) 

探偵さんとの対決もクライマックス。「吸血鬼を殺す」為に生きてきた探偵・鶯アンコの真意とコウくんの行動と感情。事態は一応収まったけど、まだ根本の根本の部分の答え合わせが終わっていないからそこは次巻。…って次回予告盛大にネタバレじゃねーか!マヒルくん大丈夫なのかー!?

TVアニメは7月からだし、その頃までは連載も続くのかな。


SCRIBBLES 2 / 森薫(KADOKAWA)

先月に引き続き2冊目。漫画家さんやイラストレーターさんってマンガ描く息抜きにマンガ描いたり、絵描く息抜きに絵描いたり、そういうものなんだよなと考えると、それはもう人類を超越した何か別の生物とすら思えてくる。この世で最も尊敬する生物。

2月末からは埼玉で『大乙嫁語り展』なる、夢のような展覧会も開催されており、とてつもなく行きたいけど、どうしたものか… いやほんと行きたいんだけど…


スタジオカバナ 2巻 / 馬あぐり(KADOKAWA)

1巻はゆかり目線だったけど、2巻は遊助目線。己の顔面偏差値の高さ故に言い寄ってくる女の子たちに後を絶たず、うんざりしていた遊助。そんなある日、兄のように慕うダイちゃんのバンドのメンバーで、3つ歳上の春雪(はるき)に出会い、世界は一変する。

必死にアプローチを続け、バンドのヴォーカルとしても参加することになったものの、遊助も春雪もお互い未熟で、不安定で、ままならない関係が続く。

恋愛描写も丁寧でロマンチックで面白かった。でもバンド内で色恋沙汰を持ち込むのはよくないぞ!知らんけど。


ニャイト・オブ・ザ・リビングキャット 2巻 / ホークマン・メカルーツ(マッグガーデン)

2022年2月22日の”スーパー猫の日”に出るべくして出た、最強で最高のニャンデミックサバイバルサスペンスホラーSFコメディマンガ(要素が大渋滞)。

ネコたちの脅威を前に人類はあっけなく滅亡してしまったわけですが、なんとここまでがプロローグ。人類はここから為す術があるのか。そもそも人類に術を為す意志はあるのか。いや本当に次巻以降、何をどうすんねんって感じですが楽しみに待ちましょう。


青野くんに触りたいから死にたい 9巻 / 椎名うみ(講談社)

作中の重要人物”青野くんの母親”の霊を呼び出したと言う青野くんの弟・鉄平。美桜ちゃんが立てたあまりにも恐ろしい仮説の真偽も気になるけど、遂に文化祭の劇という名の”儀式”の幕が上がってしまった。

「青野くんの祟り」を信じる内田が巻き起こす”儀式”の結末。青野くんと優里の起こるであろう異変。展開が全く読めない中で、読者としては藤本くんだけが頼みの綱であり癒しで、期待せざるを得ないけど本人はしんどそうでしんどいな。

「六根清浄」のくだりも普通に怖いから見開きで盛大に始めないでほしい…心臓に悪い。青野母と優里姉も怖すぎる。巻末に収録されている連載初期の頃にアフタヌーンに掲載されたんであろう番外編の温度感がもはや別作品のそれで面白かった。

この作品の魅力の一つが「主人公の優里がずっと覚悟を決めている」という点だと思う。危うい精神状態ではあるんだけど、真っ直ぐに青野くんを想って行動しているから筋が通っていて胸を打つ。物語がどんな結末になるとしても、彼女の言動には納得できる自信がある。それが約束されていると思えるから、怖いけど読めているのかもしれない。

だからね 青野くん
生きることって
変わることなんだなって思ったの

青野くんを好きになる前
わたしは時が止まって死んでいた
君を好きになってから
嬉しくて
苦しくて
愛しくて
寂しくて
心は毎日かき乱されて
元の形には戻らない
変わっていく

これが生きるということなんだね
君もわたしも毎日変わっていく
もう元には戻らない

君もわたしも今 生きている
『青野くんに触りたいから死にたい』9巻 p.36-38

3月からはドラマもスタートするとのこと。恋愛寄りにするんだとばかり思っていたけどちゃんと怖そう。WOWOW入ってないので見られませんが。


おねぇちゃん日和 1巻 / ネリ夫(KADOKAWA)

軽いノリでボケる姉・あかね(高1)と振り回されるツッコミ担当の妹・ちえ(中1)の関西弁姉妹が繰り広げるユル〜い会話劇コメディ。なんとなく『日常』の長野原姉妹っぽいなとも思ったけどあんなにハイテンションではなく、終始穏やかで淡々とした掛け合い。

姉のノリが完全に母譲りで面白かったのと、絵が可愛くて好みでした。兄弟姉妹キャラはやっぱり仲良しでいてほしい。


異刻メモワール 巻ノ一 / るん太(KADOKAWA)

ずっと気になっていた作品をポイント還元セールを機にやっと読んだ。

現実での毎日に生きづらさを感じていた少年・トモはある日の下校途中、天真爛漫なリツという少年?に出会う。リツに導かれるように迷い込んだ先は、不思議で魅力的で、ちょっとグロテスクな異世界だった。

雰囲気がどことなくジブリっぽいし、トモもリツもずっと可愛いし、このままほのぼの路線で続いてほしいところだけど、めちゃくちゃ影があるので不安ではある。


たそがれにまにあえば 赤井さしみ作品集 / 赤井さしみ(KADOKAWA)

発売された時に絵柄でビビッと来たけど、値段がまぁまぁ高くて日和ってしまった一冊。これもポイント還元セールで実質半額だったので購入。

ショートショート(女の子と”へんないきもの”成分多め)とイラストが盛り沢山で、ずっと読んでいられそうな感じで大変良かったです。割と真面目にこの世界に妖精とかはいてほしいなと思う。紙でも買いたい一冊です。


BADDUCKS 1巻 / 武田登竜門(双葉社)

死んだ親の借金の肩替わりとしてヤクザ組織に臓器と戸籍を奪われた挙句、改造手術を受けさせられた男・モーガン。そんな全てを失った彼の前に現れたのは少数民族の生き残りのリサという少女だった。協力して組織から逃げる二人は偶然”攫ってしまった”赤ん坊・ボズ抱いて長い長い逃避行に出た。

組織の目的と世界観がイマイチ謎だったのと、時間軸が結構行ったり来たり飛ぶから若干混乱した。やってることも義賊的なものでもなくただの泥棒だし、これからどう発展していくのか、追っていきたいところ。


怪奇千万!猫町商店街 1巻 / 金魚鉢でめ(祥伝社)

猫の日に読んだやつ。東京の下町にある「猫町商店街」は猫と人間がこっそり共存している不思議な商店街。猫たちは人間に化けて生活している。その秘密を知るのは主人公の智聡だけ。智智は化け猫たちの生活を守る為、今日も相棒(?)の化け猫・小虎と商店街を駆け回る。

商店街に住みたい欲、猫を愛でたい欲、猫になりたい欲、日常のすぐ隣で不思議体験をしたい欲を同時に満たせる作品だったのではないでしょうか。


休日ジャンクション / 真造圭伍(小学館)

真造圭伍先生作品読破月間①

2冊目の短編集。友人や兄弟、身近な人を元にしたようなエピソードも多くて先生という人間を少しだけ知られた気がする。

ゴジラが襲来する中、男女がただヤるだけっていう『ゴジラカップル』がめちゃくちゃ面白かった。ゴジラ襲来のスリルをスパイスにするんじゃないよ。『家猫ぶんちゃんの一年』はこれはジーンと来ましたね。独り身でペットを飼っているとふと考えてしまいそう。他の収録話も全部面白かったです。


トーキョーエイリアンブラザーズ 1〜3巻 完結 / 真造圭伍(小学館)

真造圭伍先生作品読破月間②

「地球移住計画」発動の為の先発調査で地球にやって来た宇宙人兄弟の夏太郎と冬ノ介。計画発動の条件は兄・夏太郎が「仕事」と「恋人」を手に入れること。ちょっと臆病で地球知らずな兄と陽気で器用な弟の、奇想天外で平和な地球侵略が始まった。

3冊サクッと読めた。オチとしては「地球移住計画」は結局中止になり、兄は地球に残り、弟は帰郷するという流れ。大騒ぎとかになる展開ではなく、あくまで宇宙人兄弟の日常と葛藤を描いた作品だったと思う。あなたの近くにも宇宙人はいるかもしれない(?)


ノラと雑草 1〜4巻 完結 / 真造圭伍(講談社)

真造圭伍先生作品読破月間③

現在連載されている超オススメな『ひらやすみ』の前に連載されていた作品。中年刑事の山田はJKリフレのガサ入れ現場でかつて亡くした娘に似た詩織という少女に出会う。母親からの虐待で家出を繰り返す詩織を見かねた山田は一時的に自宅に招くが…という現代の闇を取り上げたような内容。

題材的にかなり重めの作品でキツかった。押し寄せる絶望の中に少女が見つけた希望。過去に囚われた男の願い。最後まで読めてよかった。


紛争でしたら八田まで 1~2巻 / 田素弘(講談社)

物騒なタイトルだな、と読まず仕舞いだったけど、世界情勢を鑑みて作中『ウクライナ編』が無料公開されていたのに合わせて読みました。どういった形でも知ることは大切だと思うので。

「地政学リスクコンサルタント」としてイギリスの企業に勤める女性・八田百合。地政学に基づいた知見と自身のフィジカルで世界中の紛争に首を突っ込んでいく、というオムニバス形式のストーリー。主人公のキャラが若干苦手だけど面白い。


破壊神マグちゃん 1〜7巻 / 上木敬(集英社)

とある海辺の田舎町。中学生の宮薙流々(みやなぎ るる)が浜辺で見つけた宝珠から目覚めたのは、かつて封印されたという破壊神マグ=メヌエク(通称マグちゃん)だった。マグちゃんを始め、個性的な邪神ちゃんたちと過ごすハートフルスローライフ邪神コメディー。

ジャンプ本誌の連載完結記念で6巻まで無料になっていたのを読んで、そのまま7巻も買いました。面白いとは聞いていたけどここまでとは。めっちゃ好きでした。

マグちゃんも大好きだけど、個人的にはマグちゃんのライバル(ライバルではない)の『狂乱』の神ナプターク(通称ナプタ)が一番好き。みんな可愛くて内容も面白くて、たまに震えるような熱いバトル展開や泣かせに来る感動展開もあって楽しかった。最終回、読みたいけど読みたくない…!!


雑記

そんな感じの2月でした。新刊で一番刺さったのは『矢野くんの普通の日々』でしょうか。やっぱりああいう、ほのぼのしたものが好きです。

一気読みした『マグちゃん』も大好きな作品の一つになりました。来月の新刊が今から楽しみです。


改めて、日々マンガに癒されていると感じると共に、何事もなく色々なマンガを読めている今のこの毎日が当たり前ではないと思い知らされています。

心を寄せることも、あえて離れて自分を大切にすることも両方大事。自分の形で祈りたい。世界が少しでも和らいでほしいです。

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