スーパーの弁当

昨日食べ忘れていた常温の弁当があって、6月、食べられるっけ。そもそも弁当って売られてる時はどこに居座っているんだっけ。そもそも食べ忘れられてしまった弁当の心寄りはどこにあるわけなの。
漬物はぐでんぐでん。ナポリタン、下敷きナポリタン。あんたは主役だよ、それだのにあんた。全てを受け入れることになるなんてナポリタンさんが考えて命名したならば、そんなのあり得ないよ。でもね、もちろんその才能はあるはずだよ。お前は私の子供なのだからって親バカ、しかも白書。この弁当の主役は唐揚げ。唐揚げは好きだから嫌いで嫌いだから好きで、衣がうまいんとちゃうか油がうまいんとちゃうか、そうなってくると鳥の立場はどうなるのかいっつもいっつも心配で。若いうちに若鶏とかいってぶちのめされて、ああ雑にいただきますとかこの前のオヤジはそれもなしにマヨネーズを撃って、それはまるでロケットランチャーだって。ロケットランチャーといえば最近ニュースで見つかった報道がやっていて、ランボー、ふとそれを思い出してランボー、乱暴なの?とかどうでもいいことばかり。どうでもいいことが心寄りで、だから今度弁当さんに紹介してあげよう。でもあまり誰かに紹介すること苦手、それはここだけの秘密にしておいて、私頑張ってみるんだから。だって弁当好きなんだもん。これも内緒にね。
あと黒板の隙間が寂しく感じた理科の先生が、それを埋めるように赤ウィンナーが一本だけ添えられる。違う、お前は唯一ナポリタン支えに来たのか、茶色の惑星で、茶色とは言えないナポリタンに寂しい思いはさせないよ、だからウィンナー星から来たんだ。僕は1人で宇宙船に乗ってきたんだ。遠かったんだよ、見たことのない星をたまに横切るだけで、それも妙な色、穴ボコ。あとは捩じ込まれていく闇が無限に。宇宙船はやけに広いし、ピコピコ音が、やだずっとそれしか聞けない。音、嫌だ、香薫ちゃん抱きしめたい抱きしめたいな、レーダーがずっとずっと輪を広げて縮めて広げて縮めて。うん、僕はねあの星へ行くと決めたんだ、自分でそうするって。お金のためじゃない、焼き上がりのためだよって。
そうだったのか赤ウィンナー。私はこの星ごと愛すよ、愛してやめないよ。

平面だな夜。映画が映画じゃないみたい。夏は嫌い、夏が嫌いだなんてスカしてんじゃねえとか、うるさい。嫌いなもん、いえ暑さが問題で、しかしながら「気づいたら俺はなんとなく夏だった」を呟くために夏を受け入れて、それが心。それもまた弁当君に伝えなくちゃ。弁当君も夏は苦手、腐敗、ダメになっちゃうって地団駄ばかりな君に教えるんだもんで。
前頭ムギュ、後頭部ぎゃん。が、翔んでまだ夏は夏ではないのね。
車が、車が、ううんアスファルトとタイヤがググッとするだけの土曜日。
心寄りは自分を通しての事象だから結局は、自分、弁当くん、私、赤winとかそうだよねそれだけだよ。

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