見出し画像

こんなにも読み飛ばした本は初めてだった

「書けないんじゃない、考えてないだけ」
エンタメ系ブロガーkansouさんが書いた文章術の本が気になって買ってみた。

noteを始めて早2年、これまで文章術の本は読んだことがなく自分の感覚だけで文章を書いていたのだがタイトルに惹かれて少し勉強してみようかと思いすぐに購入した。

この本ではkans…ローマ字めんどくさいからひらがなでいいか、本の表記もひらがなだったしな。そう、かんそうさんご本人のブログを引用しながらその書き方を展開して教えてくれるという内容だった。大変申し訳ないが私はこの本を買うまで、かんそうさんのこともブログのことも知らずにいたので、初めて読むことになる。この世には合う合わないというものがあり、人間関係だってそう、食べ物だってそう、ということは文章だって好き嫌いがわかれるのだ。私は引用されているブログを読んだ。


あっダメだ…!なんかテンションが、、、昔のオタクを思い出すようなずっと痛いテンションだ……つらい。黒歴史を思い出すようで辛い。だめだ、これ以上読めない……!!

そんな感じで22個引用されてるブログのうち、20個ぐらいまともに読めなかったのだ。ほぼほぼブログ部分を読み飛ばしてしまった。(本は全部読みました)

でも私はこの本をオススメする。


なぜなら、この本はめちゃくちゃわかりやすく文章を書くことを説明しているから。エンタメ系ブログって、読んだ後に「勉強になった!」って感想よりかは「おもしれー」とか「わかる!!」ってなることが大事で、そんな読後感を得るためにはテンポの良さがめちゃくちゃ大事だと思ってて。でもテンポの良さってほぼその人のセンスや感覚じゃない…??って思うじゃん。それ説明できなくない??ってなるじゃん。

この本、めっちゃわかりやすくそれが説明されてるんだよ……!!

中でも1番なるほどってなったのが、2章ででてくる『自分の中で「イマジナリー秋元康」を飼え』という話。

文章というのは、つまるところ「キモさの見せ合い」です。誰がよりキモい文章を書けるのかの勝負。文章を書く人間にとってキモさとは「強さ」。その戦いを制するため、私は自分の中に「イマジナリー秋元康」を飼っています。

秋元康ほど「言葉」を自在に操れる人間はいない。
あの男は何がすごいのか。それは「キモさのリミッターが解除されている」の一点に尽きます。銀河ギリギリ!!ぶっちぎりのキモい奴が秋元康なのです。

書けないんじゃない、考えていないだけ。第2章より


めっちゃ秋元康の悪口書くじゃん……
でも私は秋元康のことあまり知らなかったけど、この後の続きを読んで確かに秋元康めっちゃキモいなって思うんですよ。それと同時に秋元康めっちゃ凄いなって思ったんです。

秋元康が書いた曲が数曲引用されていて、その中で出てくる

「セーラー服を脱がさないで」
「口移しのチョコレート」
「川の流れのように」
「クリスマスキャロルの頃には」

この曲達の歌詞、60過ぎたオヂが書いてるの想像するとクソ気持ち悪い歌詞もあれば、えっなにこれめっちゃ良い曲じゃん……ってなる歌詞もあって、この本の中でも書かれてるように秋元康はおそらく恥ずかしいという感情が欠落していて、だからどんなジャンルのどんな歌詞でも書くことが出来るんですよね。

この2章ではただ秋元康の悪口が書かれてるだけじゃなくて、キモい文章は面白いってことが書いてあって。

それ読んで、確かにって思ったことがあって。


オタクの書く熱量がある文章ってバズりやすいんだよね。


それはオタクがキモいからで。


キモいぐらい熱量があって、それを同じぐらいキモいぐらい熱量があるオタクが読んで共感して広がっていく。バズるとはそういうことなのかなって私はこの本を読んで感じた。つまり、オタクはみんな心にイマジナリー秋元康を飼っているのだ。そして、この本の中で散々キモいと言われていた「口移しのチョコレート」は歌詞だけ見るとまじでキモいが、実際に聴いてみるとめちゃくちゃ良い曲だった。


それでですよ、話を戻しまして。
この本の何が凄いってね、

冒頭で私言ったじゃん。

かんそうさんのブログがなんか痛くて読めないって。


かんそうさんね、本の中で自分も心にイマジナリー秋元康飼ってるって言ってたんだよ。

だからか…!だからなのかもしれない…!!!全部曝け出してるんだ…!!引用されてるブログはほとんど読めなかったんだけど、この本自体はスラスラ読めたしめちゃくちゃ笑ったしわかりやすくて読みやすかった。だからこそ、この人はどんな文章でも書けるんだ…すごい、すごいぞ…と謎解きミステリー小説で最後に種明かしされた時バリに感動してしまった。

文章書く時って、読者の感想や反応をどうしても気にしてしまう時があるから。でもやっぱりそんな反応なんて気にしないのが1番で、自分が心に思ったことを書くことが面白いんだろうな。だからきっと、うまく書けたって時より、勢いでぶわーーって書いた時の方が反応良かったりするもんね。私も常に心にイマジナリー秋元康を飼うようにしよう。うん。

あとね、もう一個感動したところがあって。
かんそうさんのブログ、基本的に口が悪くてめっちゃ怒ってるのよ。なんでこんなにこの人いつも怒ってるの…??と序盤は疑問に思ってたんだけど、第3章で説明してたの。

人間は何かにブチギレてる様子が一番面白い

あっ…あーーー!!!なるほど!!!!!
確かに、めちゃくちゃ怒ってる人見ると笑っちゃうあの感覚、面白いよな…怒ってる方も怒りすぎるとなんか笑えてくるもんな…そういえば私の婚活エッセイもほぼほぼ怒ってるから面白いようなもんだもんな…そうか…だからか…!

すげえ、かんそうさんすげーー!!!!!

そんな感じで、ブログを読み飛ばしてもなるほど!となる文章術が沢山載ってて、ちょっと意識して書いてみたらまた面白いかもって文章が書きたくなるような本でした!

ちなみに私がこの本で1番笑ったのはかんそうさんの「まだ世に出ていない言葉」メモです。

初手の【逆にもう山崎賢人を漫画化しろ】でダメでした。ブログはほぼ読み飛ばしたけど、このメモだけは全部見て、ずっと笑ってました。すごい。この人のエンタメ情報が本当にすごい。どれだけのテレビ、漫画、映画、ゲーム、音楽に触れてきたんだろうと、このメモ欄を見るだけでわかる。爆笑しながら感動した私は、もはやかんそうさんをこの時点で尊敬しだしていたんですよね。【鬼塚に破壊された家の壁です】も【堂本剛よりも正直しんどい】も全部面白くて、この感動を夫に伝えたら頭にハテナが浮かんでたんですけど、理由がわかりました。かんそうさん私とタメだった。そりゃ私は笑えるし5個下の夫には1/3も伝わらないわ。

ということで珍しく本の紹介でした!!
文章で悩んでる人、勢いある文を書きたい人、良かったら是非読んでみてね!私はかんそうさんのTwitterを早速フォローしたのできっと次のブログもぞわぞわしながら読むんだと思う。もう好きじゃん。


この記事が参加している募集

#読書感想文

188,766件

サポートしてくれたらめちゃくちゃ嬉しいです〜!!!!これからも頑張れそうです!よろしくお願いします!