【第29話】東京生まれ東京育ちの私が、婚活にて100人の男性と会った結果、田舎の農家に嫁いだ話
前回のあらすじ!
イケメンに肉を奢ってもらってそのまま連絡が取れなくなった嫁ちゃん!
めげない負けない諦めない!!!
第29話「思ってたのと違う」
婚活に疲れ切っていた嫁ちゃんに1通のメールが送られてきた。
それはあるアーティストのシークレットライブの当選メールだった。(めちゃくちゃ濁すじゃん)それは100人限定のライブで、しかも当選した人は無料で行けるものだった。
神様〜〜〜!!!!!仕事に婚活に頑張ってる嫁ちゃんにプレゼントですかありがとうございます…!!職場に速攻でこの日休みますと伝えて当日を楽しみに待った。
ライブも楽しみだけど、なにか良い出会いがあるかもしれない!めちゃくちゃお洒落していこ…!!嫁ちゃんはぬかりないのである。もう出会いはいつどこで転がってるかわからないからこそ油断は禁物なのだ!実際にほぼスッピンに近い状態で仕事に行ったら職場のすぐ近くに福士蒼汰がロケで現れたこともあるから、その日以来常にちゃんとしとくべきだと心掛けた。(ただし心掛けただけである。毎日ちゃんとなんてしてらんないよ!!!)
そしてライブ当日、アコースティックライブだったので全席着席の為バリバリに可愛い格好をしていった。
しかも、なんと最前列。
神様…???
両隣りは女の子で、招待制のライブなのでもちろん皆1人で来ていたから始まるまで隣の女子と話して盛り上がりすごく仲良くなった。
その女子の隣は男性が座っていてなんとなく良さそうな雰囲気の人だった。
くそ〜!!!隣だったら速攻で話しかけたのに…!!!まあいいか。そんなこともあるよね。今はライブに集中だ…!!
そしてライブが始まり、めちゃくちゃ良くて興奮冷めないままあっという間に2時間が過ぎてしまった。
ライブ終了後、隣の女子とめちゃくちゃ良かったよね!!!!と興奮気味に喋っていたら良さげな雰囲気の男性がこっちを見た。
嫁ちゃんはその視線を見逃さなかった。
「最前最高でしたね!!始まる前から私達騒がしくしちゃってすいません…」
男性に話しかけると嬉しそうに、
「いえいえ、本当良かったですよね。隣で楽しそうにしてるの聞いてて僕も楽しかったです。」と答えてくれた。
えーーーめっちゃ良い人ーー!!!!!と思ったのも束の間、連絡先も聞けないまま少し会話して男性は会場を後にした。
は〜〜〜めちゃくちゃ楽しかった…!
友達も出来たし、最前だったし、聴きたい曲も聴けたし今日は最高な日だったな!
でも強いて言えばあの男の人の連絡先を知りたかったな…
………
SNS探してみるか。
帰りの電車の中でまずTwitterを開き、ワード検索をかけた。いなさそうだ。ていうかTwitterだと顔も出してないだろうし見つからないよな…インスタも探してみるか。ハッシュタグで検索をかけたら沢山の投稿が出てきてそれを指でさっとスクロールする。
ん????
ひとつ気になる投稿があった。
『最前列最高だった。最後に隣にいた人が話しかけてくれたのも嬉しかったな。』
もしかして、まじで見つけちゃった???
その人のあげてるステージの写真は私が見てた方向とほぼ一緒だったし、投稿内容から見ても間違いなさそう。DM送ってみるか。いやその前に一旦フォローするか。おっ速攻でフォロー返ってきたじゃん!やっぱりDM送ろう!違ったら違うで別に同じアーティスト好きなんだからそれはそれで良いし、タグにアーティスト名付けてるから見てほしいって投稿だろうし、ええーい!送信!!!!
『こんばんは!初めまして!今日私も同じライブに行きました!最高でしたよね!!そして、もしかしたらライブ後に話した方ですか…?違ったらすいません!』
DMを送ったら秒で返ってきた。
『あ、そうです!あの時は話しかけてくれてありがとうございました!知り合いもいなく心細かったので嬉しかったです!』
インスタのストーリーに今日着ていた服を載せていたのが幸いだったのか、すぐに私だとわかってくれたみたいだ。
そしてそのまま今日のライブの感想をずっとDMでやり取りして、話し足りないからご飯の約束まで取り付けた。コミュ力おばけとはこのことか。自分で自分が恐ろしい。
そしてご飯の日がやってきた。
またお洒落をして、仕事終わりに髪の毛を巻いて待ち合わせの駅へ向かう。
あ〜なんか緊張してきた!!まだかなまだかな。ドキドキしていたら前からスーツを着た男性が歩いてくる。
「こんばんは。嫁ちゃんですよね?」
そう言われて男性の顔を見ると…
あれ…????
なんか、思ってたのと違くない…????
あれ???????
なんか想像以上におじさんというか…
あれ???????ライブの日はもっとなんか良い感じだと思ってたのに、え、なんか想像してたのと全然違う。コレじゃない感がすごい。
そんなめちゃくちゃ失礼なことを頭で考えながら、「こんばんは!!」と笑顔で返した。
あの日、ライブの日は確かに会場が暗くてテンションも上がってたし顔はよく見えていなかったんだ。
ところがどっこい、こんな明るい駅じゃ顔もよく見える訳で、会わない期間にどんどん想像が膨らみ、私の中で理想の男性が作り上げられてしまっていたんだ。
理想と現実のギャップが酷くてテンションがガタ落ちである。でもあっちはすごく嬉しそうに今日を楽しみに仕事終わらせてきたと言ってくれた。この人はまじで何も悪くないのに、こんな気持ちになってしまうことが本当に申し訳ない。だからせめて今日は楽しい日にしようと決めた。ただの同じアーティストが好きなオフ会だ!
そうこれはオフ会!!!!
そう思ってお店に入ったのだが、お店もなんかめちゃくちゃ良い雰囲気のアダルティな高そうなお店を予約してくれていて、ええええオフ会の雰囲気じゃねえええ…って焦りながらお酒は一切飲まずにこの間のライブの話を繰り出した。
ライブの話で盛り上がっていると美味しそうな肉料理が運ばれてきて更にテンションがあがる。やっぱり仕事終わりには肉だよな。肉がうめえ。
「嫁ちゃんは彼氏いるの?」
肉を頬張っていたら突然の質問が飛んできた。
「え、いませんよ〜!」
「そっか…いや、彼氏いそうだなって思って…でもいないんだね、良かったよ」
良くない良くない良くない〜!!!!!!!!
良い雰囲気を出さないで〜!!!!!!!!!
そこからやたらと恋愛トークをしたがる相手vs必死に話を変える嫁ちゃんの攻防戦が始まった!!!
正直言ってめちゃくちゃ良い人ということはわかったんだけど、なんせ見た目が結構無理だったのだ!!生理的に受け付けなかった…ほんとごめん…まじでごめん……
良い人なら良いってわけじゃないのよ…だって私この人とは何も出来る気がしないもん……
そろそろ良い時間になってきたので帰ることに。お支払いは当たり前のように相手が払ってくれて、なんか全額おごりは気が引けたので少しでも出そうとしてたんだけど払わせてくれなかった。
電車が改札から違ったので改札前でバイバイすることになり、別れ際に「また会いたい」と言われて軽く笑って流してしまった。
「じゃあまたLINEするね!」
「はい!じゃあまたweb上で!!」
もはや会話も成り立っていない。続きはwebでみたいなこと言ってしまった。
その後、インスタでめちゃくちゃ連絡がきてしんどくなった嫁ちゃんはインスタのアカウントを消してLINEもブロックして彼の前からそっと姿を消したのであった…。 完
完じゃねえよおおおおお
いやまじで本当に申し訳ないなぁって思ったけど、無理なもんは無理だったんだよ…てか今まで私の前から消えてった男性達もこんな感じで、なんか違うって思ったんだろうなって考え出したらまじで鬱になるかと思った。
まあこんな風に私も普通にこの人違うって思ったら急に連絡返さなくなるし、今まで良いなって思った男性達と同じことをしてるので、それは仕方ないことと割り切るしかない!
去るもの追わず!数打ちゃ当たる!これからも新しい出会いを求める!頑張れ嫁ちゃん!!!!!
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次回予告!
先輩に呼ばれていった合コン!
やたらと1人の男性に気に入られて…!
お楽しみに!
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