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遂に到着! 未来を感じるAI特化型PC「Copilot+ PC」使用レポート

Copilotに関する書籍を執筆する中で、話題のAI特化型パソコン「Copilot+ PC」に大きな可能性を感じていました。

そして本日、ようやく「Copilot+ PC」に準拠したLenovo Yoga Slim 7x Gen 9を入手したので、使用レポートを交えながらその実力を紹介していきます。


Copilot+ PCとは?NPUによるローカルAI処理が魅力

Copilot+ PCは、CPUに内蔵されたNPU(Neural Processing Unit)を活用し、クラウドではなくローカル環境でAI機能を快適に利用できるようにしたPCです。現状は「QualcommのSnapdragon X Elite/Plus※」を搭載したPCのみですが、将来的に対応が拡大されることが予想されています。
※Snapdragon X Elite/Plusは、スマホではおなじみのQualcomm社の最新チップです。優れた省電力性と高い処理性能を誇り、特にAI処理に特化しているのが特徴です。

NPUはAI、特に推論に特化したユニットで、小規模かつ低消費電力でAI関連の処理ができるのが特徴です。
こちら、以前にCopilot+ PCシリーズを比較検討した際のブログです。結果的には、「Lenovo Yoga Slim 7x Gen 9」に決めました。

Copilot+ PCでは、このNPUを活用した6つの機能が提供されています。

1. コクリエイター:ラフスケッチ×プロンプトでAI画像生成

コクリエイターは、Windows標準アプリ「ペイント」に搭載される生成AI機能です。プロンプトとラフスケッチを組み合わせて画像生成ができるのが最大の特徴です。
「ラフスケッチ」を使うことで、言葉だけでは伝えにくいイメージをAIに指示しやすくなります。ただし、思い通りの絵にするのは難しく、様々な調整が必要です。とはいえ、リアルタイムで何度でも生成できる気軽さは魅力的。試行錯誤しながらの画像生成に適しているといえます。

2. リコール:画面の記憶を漠然と検索できる便利機能

リコールは、PC上で表示されたコンテンツを記憶し、後から検索できる機能。定期的にデスクトップのスクリーンショットを取得し、この情報を基に検索できます。「青いグラフ」など漠然とした言葉で過去のコンテンツを検索可能です。
※残念ながら現状は利用できませんでしたが、便利そうな予感がします。

3. Windows Studio エフェクト:Web会議で大活躍のカメラ&サウンド効果

Windows Studio エフェクトは、Web会議などで重宝するカメラとサウンドの各種効果を適用できる機能。Copilot+ PCではNPUを活用した高度な効果が追加され、ラグなく適用できるのが特徴です。
背景ぼかしや自動フレーミングなどの効果が、TeamsでもZoomでも共通して適用されるのは嬉しいポイント。いつでも快適に使える、実用的な機能と言えます。

4. イメージクリエーター/リスタイル:ローカルで画像生成&編集

イメージクリエーターは、フォトアプリに搭載されている画像生成機能。テキストから画像を生成する「イメージクリエーター」と、既存画像をプロンプトやスタイルで変換する「リスタイル」を利用できます。
ローカルのNPUで処理されるため、高速かつ無料で画像生成や編集が可能。ガンガン生成して試行錯誤できるのは楽しいですが、プロンプト作成の難しさは課題かもしれません。

5. ライブキャプション:44言語から英語字幕へリアルタイム翻訳

ライブキャプションは、PCの音声出力をリアルタイムに翻訳し、画面上に英語字幕を表示する機能です。Copilot+ PCではNPUを使用した高速な翻訳と表示が可能になっています。
この機能の大きな特徴は、実に44もの言語に対応している点です。アラビア語、中国語、日本語、韓国語など、世界中の主要な言語をカバーしています。例えば、日本語で作成したプロモーション動画を再生しても、自動的に英語字幕を表示します。YouTubeなどのアプリでも同様の機能がありますが、ライブキャプションはアプリを問わず利用できるのがメリットです。
現状は英語のみの表示で利用シーンは限られますが、多言語コンテンツの理解を助ける力は大きいです。今後の日本語表示対応に期待が高まります。

6. 自動スーパー解像度:ゲームのフレームレートと画質をバランス良く向上

自動スーパー解像度(自動SR)は、対応ゲームのフレームレートと画質をNPUの力でリアルタイムに強化する機能です。PCのハードウェアだけでは実現が難しかった、高フレームレートと高画質のバランスを実現します。
発売時点では、Qualcomm Snapdragon X シリーズ搭載のCopilot+ PCと、厳選された一連のゲームでのみ利用可能。BeamNG.drive、Borderlands 3、バイオハザードシリーズなど、人気タイトルが名を連ねています。
ゲームを起動すると自動的にこの機能が適用され、720pでプレイしても1440pネイティブに匹敵する精細さと滑らかさを体験できるとのことです。まさにNPUならではのゲーム体験向上と言えるでしょう。
※ただし、現状のCopilot+ PCはArmベースでゲーム目的の選択肢としては現実的でないかもしれません。今後、IntelやAMDのチップを搭載したCopilot+ PCの登場にも注目です。

おわりに

駆け足で本日入手したCopilot+ PCの機能を紹介してきました。NPUによって実現された新しい機能は、まだ発展途上の部分もありますが、PCのAI活用における大きな一歩だと感じています。
来月7/9にはCopilotビジネス活用セミナーとして、Copilot+ PCの実演も交えたコンテンツを予定しています。
ぜひ、Copilotの利便性や未来に可能性を感じる方はご参加いただけると嬉しいです。

今回購入した「Lenovo Yoga Slim 7x Gen 9」は、タッチ対応+32GBメモリでコスパも優秀だと感じています。目下のところ、理想的なCopilot+ PCと言えそうです。Copilot時代の幕開けを感じさせる1台でした。


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