見出し画像

田舎のデイ起業セラピストが考える「はじめての集団体操」

本日も臨床BATONにお越し頂きありがとうございます。
237日目を担当させて頂くのは、5月1日からオープンした私のデイサービスがおかげさまで今月か来月ぐらいにかけて黒字になる予定となり、とりあえずは首の皮一枚残った田舎のデイ起業セラピストことPT貴田農士です。

さて、早速ですが、今回は「はじめての○○」シリーズ第4弾。
(完全にシリーズ化に成功。ムフフ・・)
「はじめての集団体操」というテーマで、私が開設したデイサービスにおける集団体操の構想と今日までの実施経験に関して投稿させて頂きます。
急性期や回復期病院などではあまり集団体操に従事することは無いかもしれません。私も13年間回復期病院に勤務していたので、集団体操を考えたり、行ったり、指揮を執ったりしたことはその時はありませんでしたが、去年老健で勤務していたときは月に数回は老健の入所者さん向けに実施していました。その時の体操の内容はその老健で今まで実施してきた体操を行っていましたので、自分のオリジナリティはあまり出しませんでした。
しかし、今回は私が0から作ったデイサービスの集団体操の内容になりますので、私の独断と偏見による集団体操に対する思考と実際の経験をお伝えします。皆さんの何かしらの役に立てばと思いますし、月末ということもあるので、気楽な気持ちで読んで頂ければ幸いです。

・構想:集団体操をそもそもやるべきか

まずはじめになりますが、デイサービスで集団体操はそもそもやるべきなのかということを考えました。

皆さんはどう考えますか?

私の答えは「やるべき」1択です。

なぜならば、1つは、個別のリハビリの時間が限りなく少なく、「リハビリの絶対的な量、時間」を補えないからです。
生活期、ことデイサービスにおける個別機能訓練(個別又は小集団での機能訓練指導員によるリハビリ)は加算がつきますが、訓練時間に何分という規定はありません。しかし、回復期のように20分○○単位となってもいません。
つまり、何分実施しようがしまいが個別機能訓練加算は一緒(収益は一緒)ということになりますので、大体のデイサービスは20分も個別訓練をやっていないかもしれませんし、リハビリデイサービスとうたっている施設でも30分程度というのが私の調査の結果です。

つまり、リハビリ、または運動を時間的にも量的にも行うには、集団体操を行うことが好ましいということになると私は考えます。

2つ目の理由は、7~8時間滞在の1日型としたら、集団体操を入れないと「間が持たない」という理由です。

想像してみて下さい。

7時間滞在のうち、個別機能訓練が約20分、食事が約20分、口腔ケア5分、入浴がある方は30分~60分としても合計105分で残りの5時間と少しの時間は何をする時間になるでしょうか?

他利用者との交流ももちろん良いと思いますし、食後の昼寝もすこしぐらいは良いかもしれません。
しかし、5時間をそれらで間を持たすのは流石にムリでしょ。

(3~4時間の短時間デイだったら、違うかもですが、今後短時間デイサービスは厚生労働省のデイサービスに対する思惑にはそぐわないので、しんどくなっていくと言われています。ちなみに私のデイサービスは3~4時間と7~8時間の混合型です)

ということで、集団体操は間を持たすためにも必要と考えます。

そして、3つ目ですが、それは「集団の強み」です。
人は集団に入ると良かれ悪かれ流されやすい生き物です。(特に日本人は)

例えば、保育園などがそうです。
子供は保育園という集団の中で育ちます。色々なことを覚えてきます。
これは集団という「環境」に影響され「行動」が変わる、変わらざるを得ないため、個人の「能力」が高まります。

つまり、集団体操をすることが当たり前という「環境」を作り上げることにより、意欲などにあまり左右されない形で運動が出来る。運動のハードル、導入障壁を下げることが出来るメリットがあるので、集団体操は行うべきと私は考えます。

・実施:やってみて感じたこと

では、実際私のデイサービスで集団体操をやりはじめたのですが、「どのくらいやるか」「何をやるか」は実際運用していく中で検討していきました。

構想としては、朝の体操と食前嚥下体操と夕方の体操と3回程度かなと考えていましたが、実際の利用者さんをいれて実施していく中で、朝、食前、13時半頃、夕方の4回となりました。
(多い方ですかね・・)

そして、「何をやるか」が重要になってくると思いますが、これは正直紆余曲折ありました。

あまり構想の段階では、内容を決めませんでした。

なぜならば、この那須塩原のデイサービスの地域特性や利用者特性を把握しながら行う方が、最初からこの集団体操をやるとか都会のデイサービスではこの集団体操(例えばレッドコードなど)が流行っている、主流だからとかでこのやや田舎のデイサービスに持ってくることは利用者が受け入れづらい、抵抗感に繋がるリスクを感じていたからです。

そのため、5月の開設した月は、利用者さんの様子をみて実施してみました。

初めは、車椅子、及び椅子に座って出来る随意運動や筋トレ、ストレッチなどを行ってみました。

ところがどっこい、これがまあ、はまりませんでした。

私のデイサービスは脳卒中の利用者さんが7~8割となっていますが、随意運動は運動麻痺の影響で出来ない、または代償が強化されてしまう、そして、動かないことを職員に訴えかけてくる(マンパワーや対応に追われる)などのあまり良くない反応が見られました。
また、麻痺側は実施しない方も見られました。

そして、特に老健時代に感じていましたが、男性の集団体操に対する参加率が極めて悪かったです。

私のデイサービスは男性が7割程度います。

上記の結果を踏まえ、廃用的観点を考慮した結果、私のデイサービスの集団体操は、座った状態での骨盤の前後傾の動きや坐骨支持の左右重心移動、体幹の回旋など麻痺の影響を受けづらい「体幹の運動」と「立ち座りの反復」としてみました。

これがけっこうはまっています。

特に「立ち座りの反復」がはまっています。
(調べたら他のデイサービスでも集団立ち座りやっているところもありました・・・)

立ち座りの良さの細かい点は割愛しますが、片麻痺や障害があってもほとんどの方が出来ること、廃用予防になること、ADLに繋がりやすいことなどもあります。
そして、私のデイサービスでは、各利用者さんに個人ファイルを作成しそこに朝、食前、13時半、夕方の立ち座りの回数を書いて1日の合計回数を毎回記載して頂いています。この取り組みを行うことで、努力の見える化、成果や結果の見える化が行え、スタッフや家族も共有できること、賞賛に繋がることできます。
さらに、集団という環境因子が相まって、皆張り切って行っています。
だんだん回数が増えてくる方ばかりです。

スライド2


私のデイサービスにおける集団体操において大切なことは
「どんな利用者さんでも出来ること」
「筋力がつく程度の負荷、ADLに繋がること」
「成果や結果を見える化できること」

この3つが実際実施していく中で、この那須塩原という地域の利用者さんには合う集団体操の方法なのかなと感じています。

また、運用の工夫として、私のデイサービスの集団体操は、動画を作成し使用しています。
動画を使用することにより、体操を指揮するマンパワーがいらなくなる。スタッフが指揮する緊張感やストレスが無くなるという良い点があります。そして、その空いたマンパワー、スタッフが利用者さんの近くに付くことが出来るため、転倒のリスク管理や指導、応援や賞賛が出来るという更に良い点があります。

動画使用の集団体操はやはりおすすめです。(都会では当たり前か・・・)

・現在3ヶ月続けて思ったこと

私のデイサービスは開設して3ヶ月が過ぎようとしています。

着々と利用者さんは1日の立ち座りの回数を上げてきていますので、体力は付いてきていることは間違いないです。

しかしというかやはりというか、
利用者さん自身が自主的に、目標、目的を持って運動をすることは、簡単なことじゃないということにぶち当たります。
(これはデイサービスや老健などの介護保険施設あるあるかもしれません・・・・)

いわゆる「環境」で立ち座りの「行動」は当たり前になってきたけど、各利用者自身の課題や目標に対しての関わりや自主性を促すことは決して順調とは言い切れていないということです。

20分程度という個別機能訓練、専門的なヘルスコミュニケーション不足、利用者さん自身の遂行機能、目標設定能力の低下などの課題があり、「集団体操」以外にも環境や時間をうまく使いながらより個別性のある関わりを引き続き検討していかなければなりません。


また、実際の集団体操においても、立ち座り以外の体幹などの運動はあまり真剣にやってくれない、立ち座り以外飽きてきている方も見かけます。

ここらのタイミングで、段階付けやバリエーションなどの工夫が必要なのかもしれません。

回復期病院と違って施設利用の終わりが見えづらいのがデイサービスなので、飽きさせない工夫が必要なのですね。

そのため、立ち座りの前の内容に関しては、もうすこし色々な種類のものを今後検討していこうと思っている最中です。

ここから先は

764字
この記事のみ ¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?