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感覚障害による袖のボタン操作が拙劣さ

お疲れ様です。脳リハです。

本日はSNSで相談を受けた説明をそのままお伝えしたいと思います!

相談を受けた内容!

脳リハ先生

お疲れ様です。

ご無沙汰してます。

くも膜下出血から1年が経過しましたが、未だに左手の指先の感覚が鈍いです。

これも回復することをしますか??

指先の感覚が鈍いため、細かい手作業がむずかしいですね。

職場では事務服を着るのですが、ブラウスシャツボタンは小さく留めはずしがむずかしいですし。手首のボタンなんて、自分ではできません。

いつかはできるようになる!と思ってますが…
指先を使う作業って、指先の感覚を頼りに行ってるんですよね。鏡を見ながらやってみたりするんですけど、なかなか難しいですね。事務服のリボンも病前は指先の感覚で留めてたんですね。
 
なので、今は自分ではなかなか難しいんです。

感覚を感じるようになりますか?

よろしくお願いします。

お伝えした内容!

〇〇さんお疲れ様です!

結論から言えば良くなります。

私の担当したケースで、脊髄梗塞の影響で感覚障害を呈し、財布からお金が取り出せない方が、良くなったり、視床出血によりボタンがとめられなかった不随運動+感覚障害の方もボタンが止めれるようになったり、回復するケースを多く見ています。

〇〇さんの場合、その方達よりある程度、感じることができていますし、動かせているので、根本的に「感じる」ための脳の領域は生き残っているのが予測できます。

では、なぜ鈍く感じるかが重要な視点です。

感覚の概念から説明しようと思います。

感覚とは…

末梢組織(筋-骨格・目・耳・鼻など)の効果器が何らかの刺激を受けて、その刺激が脊髄視床路を通し大脳皮質に投射されることによって『感じる』と認識されること

簡単に言うと、指先でボタンに触れると、その刺激が感覚神経の経路を通って脳に行く事で「ボタンが硬い」などのボタンから得られる情報が感じることが出来ます。

この考えだと、
「感覚は指先でボタンを感じなければ感覚の神経は使うことが出来ない」ことになります。

しかし、この常識は3つ研究から覆されています。

この記事に詳しく書いてますが…

1つは、手が切断した人が、胸のあたりに手の感覚を感じることができるようになったケース。

2つ目は、手が切断した人が、顔に手と感覚領域が生まれたケース。

3つ目は、猿の実験で、感覚神経を切断したのち、手に刺激を入れても感覚領域の脳が働かず、顔面に刺激を入れると感覚領域の脳が働いたケース。

これらが意味するのは、指先に感覚を入れる=反応する訳では『ない』と言うことです。

次は方法論です。

視覚での一方通行で動かすだけでなく、
ボタンから得られる情報が言語化でき、その言語化できた情報が本当にその感覚量や自身のイメージと相違がないかを、非麻痺側と比較する。

この思考を混ぜる訓練が非常に重要です。

目を閉じて、事前にどのような感覚を感じるかを予測し、その予測との違いと、本当にその感覚が指先から感じ取れるのか、

また指先でも比較的上手くいく活動があると思いますが、その時は、なぜ上手くいくのかを感覚情報をもとに考えられると、ボタン操作ではない指先の動きから、ボタン操作に必要な要素の感覚や運動が回復することもあり得ます。

まとめると…

 
目で見ながら繰り返し指先を使っても、繋がりを作りたい脳の領域は働かない場合があり、

思考や注意、予測、病前の記憶を使うと感覚領域の活動が得られます。

ここの、領域が活性しないことには始まりません。

やるなら、様々なボタンを購入して、袋の中から触った感覚だけで取り出し課題、最初は写真を撮ってそれを見ながら探してもいいと思います。

この課題の中で、思考や注意、予測、病前の記憶を注意させた中で行ってみて下さい。

本来は、セラピストの誘導や言葉の選び方など、予測される感覚をいかに本人の感覚の言葉に置き換えながら、操作に結びつくような動きを覚える事をやるのですが、1人ではそれは難しいので、探索活動は一つ手かも知れません。

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