2015年10月 娯楽は洗濯とラジオ(入院3日目、手術から2日目)

6:30頃起床。体温37.1度。
痛みで細切れにしか眠れなかった。痛み止めのロキソニンで徐々に痛みはおさまってきたが、鼻や口の中が腫れて苦しい。鼻からのどにかけてチューブが通っている影響か、ひどい鼻づまりのような感じで空気が通らないし、口の中は術後の舌が腫れていて息がしづらいし、寝ている間に呼吸が止まることはないのかと心配になった。(こういうことからいちいち心配になるくらいに、いろんなことが初めてで不慣れだった。そもそも慣れるものなのかもわからないけれど。)

8時。朝食の放送が流れる。
口から食べられて、取りにいける人は、配食台に取りにいく。
私はしばらく口から飲食ができないので、鼻からのチューブで直接胃に栄養を流し込む。ベージュのどろっとした液体を、朝は1パック。微妙にくさい。チューブの操作は看護師がやってくれた。栄養を流しこみながら、朝ドラを見るのが習慣になった。

朝食の時間が終わり、待望の洗濯をした。手術の前日に着ていたパジャマ、術後にベッドに敷いていたバスタオル2枚、下着、タオル。乾燥機は1回で乾かず、2回まわした。
洗濯場所は入院フロアの屋外にあり、狭い場所にコイン式の洗濯機が4台ほど、乾燥機が3台設置されている。なぜか磯っぽい、生臭いにおいがした。鉄骨の隙間から外をのぞくみたいな感じで眺めも悪いのだけれど、久しぶりに外気に触れて気持ちがよかった。
これで、シャワーが浴びられて、口の中がすすげれば、なおすばらしい。

10時。300ccの白湯をチューブで入れてもらう。食事の液体だけでは水分が少ないため、1日に900ccは入れるように言われた。

11時。診察を受ける。「手術跡の腫れはあるものの良好」とのこと。舌を安静にしないといけないので、こちらから伝えることは、すべて筆談。
診察のあと、若い男性医師が抗生剤の点滴をしてくれたのだが、手間取る。
点滴を入れるための4-5センチくらいの細い管が、左手首付近の血管に刺さっていて、点滴のチューブをそこに接続するのだけれど、うまく点滴が落ちていかない。針の角度を微妙に変えることを繰り返す。

12時。昼食は栄養パックを1.5パック。体温37.1度。

15時。白湯300ccと痛み止めを入れてもらった。熱っぽく、頭が痛いので、アイスノンももらった。体温37.0度。

16時。今日2度目の抗生剤点滴。朝と同じ男性医師。あまり要領のよくなさそうな雰囲気。観察が足りない感じとでもいうか。
やはりうまくいかないので、ベテランの看護師を呼び、みてもらう。血管に刺さっている管の先が血管壁にあたっていて、うまく点滴が落ちなかったらしい。
15時の痛み止めが効いているのか、わりとすっきりした感覚。久しぶりに36.9度。37度を下回るとだいぶ体が楽に感じる。

18時の夕食のあと、鼻のチューブに自分で白湯を入れる方法を教わった。自分でできることが増えるのはうれしい。

19時。夫が見舞いに来た。
入院前にまとめて作っておいたおかずを弁当箱につめて持参している。頭痛があったが、夕食の時間は過ぎており、3人部屋なのでデイルームにいく。あとで熱をはかったら37.1度。無理するとよくない。

この日は、HクリニックのK医師が外来担当日で、朝と午後、病室に顔を出してくれた。
執刀医のM医師がとても工夫してやってくれたので、手術跡はきれいだし、機能的にも問題ないだろう。つばを飲むのも今は難しいだろうけど、こまめにやって慣れるように。リハビリをちゃんとやれば徐々に舌も軟らかくなる。Hクリニックに来るまで2週間待ったけど、その分早く来てたら、もっと(切る分量が)小さくて済んでたなー。
と言われた。全体的にはいいこと言われてるのだけど、「2週間」のことが悔やまれた。
でも、不慣れな場所で、知っている人の顔を見るのは心強い。

日中はほとんどの時間、夫が録音しておいてくれた「菊地成孔の粋な夜電波」を聞いて過ごした。聞きながらウトウトすることもあった。

痛み止めと白湯300ccを入れて、20時すぎ、消灯時間前だけど寝た。

手術日は1ページしか書いていなかったノートに、この日は2ページ書いている。回復の兆しがこういうところからも感じられる。

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