見出し画像

晴れた夏空の下、あなたも絶対にカレーを食べたくなる話

本日は、「レシピに合わせて米のオーダーメード」ができるお話第二弾、
カレー専用のお米、
「カレー米」のお話です。

画像1

カレーライス。
みんな大好きカレーライスです。
カレー大好きは、ラーメン大好きと同じくらい、
多くの方が一度は口にしたことのあるフレーズだと思います。
もちろん私もカレーが大好物です。
ラーメンか、カレーか選べ、と言われれば、
私はカレーを選びます。
ラーメンライスの場合は迷います。
米屋ですから。私の中では常に米が勝者なのです。

カレーライスとは一言で言いましても、
実際、世の中には様々なカレーライスがあります。
ビーフ、チキン、シーフード、野菜、キーマ、スープ、などなど。
国、土地、店、家庭の数だけカレーは存在します。
数え上げれば切りがありません。
それだけ様々なジャンルやテイストがあるカレーですが、
共通していることが一つありますよね。
そう、そこにご飯が存在しているということです。
なんと大事な話なのでしょうか。

3683069_lのコピー

私たちがカレーに対峙する時の心得その1


カレーライスに限ってのことではありませんが、
私たちがレシピに合わせた米のオーダーメードをする際の心構えがあります。

それは、「米を主役ではなく名脇役にする」ということです。
名映画のクオリティをさらなる高みに連れて行ってくれるのは「助演者」の力であるように。
言うまでもなく、
カレーライスであれば、ルーが主役であり、ご飯は脇役になるということです。
さらには、単なる脇役ではなく、名脇役である必要があるのです。

カレーのジャンルは様々です。
甘いのも辛いのも、ドロドロもサラサラも、こってりもあっさりもあります。
私たちはカレー米を、どんなルーであってもそのルーの味が最高に際立ち、
美味しいカレーライスとして成り立つために開発をしました。

画像7

既に、あなたはだんだんカレーが食べたくなってきている筈

カレーのルーはご飯に比べるとかなり味を主張するメニューです。
『キングオブ存在感』の冠を与えても問題ないレベルです。
そのため、ライスにまで主張の強い味にしてしまうと、
カレーライスとしての完成度は低くなると考えています。
何と言うか、お互いが魅力を消しあってしまうように感じるのです。
ですので、どうしたらルーが美味しくなるかという視点で我々のカレー米の配合は考えられているのです。

画像4

それでは一体ぜんたい、カレーに合うってどう言うことなのか


もっちり粘りが強すぎるお米でも、
パサパサしたお米でもよくありません。

もっちり粘りのあるお米は、ご飯にルーが絡みにくくなります。
またご飯が主張しすぎてしまい、ルーの美味しさが伝わりにくくなります。
逆もまたしかりです。
パサパサあっさりしすぎるお米にはルーはよく絡むかもしれませんが、
今度はルーの主張が強くなりすぎてしまい、
「カレーライス」としてのバランスが崩れてしまいます。

米屋が目指すカレー米は、ルーが米粒の一粒一粒に絡みながらも、
絶妙な弾力とほんの微かなお米の甘みを感じられる、
カレーライスを感動領域に持ち上げてくれるお米なのです。

石川県産の「あきたこまち」にめぐりあい宇宙(そら)

画像5

その食感を味わっていただくために使用されているお米が、
前回のnoteでご紹介した、
・石川県輪島市門前町の岩井さんのコシヒカリ
岩井さんのコシヒカリはこちらの記事
そして、もう一つが、
・石川県小松市宮本農産のあきたこまち
です。

岩井さんのコシヒカリを活かしながら、
カレーに抜群に合う、カレー米に仕立て上げてくれたのが、
宮本農産のあきたこまちです。

あきたこまちは、その名の通り秋田県が主産地である東北を代表するお米です。
首都圏のお米売り場でもよく目にしますし、大変人気もあります。
あきたこまちは、味が濃すぎずあっさりした食感が特徴のお米です。
それでもコシヒカリを親にもつお米だけあって、ほのかな甘みもあり単体で食べても十分に美味しいお米です。
その特徴を、このカレー米に活かすことはできないかと考えていました。
しかし、東北地方が主産地であることもあり、石川県ではあきたこまちを生産している農家さんがほとんどいないのです。

できれば地元石川県のあきたこまちを使いたいという思いもありながら、
生産者がなかなかどうして見つからず、
カレー米の開発を始めた5年前は今と違う、県外産のお米をブレンドしていた時期もありました。

石川のあきたこまち・・・
石川のどこかにあきたこまちはないものか・・・。

そんなことを日々考え、探していました。


宮本農産さん宮本さんとの出会い

画像6


そんな中、ちょうど今から3年前、知人の紹介で「石川県小松に面白いお米を作っている農家さんがいるから会ってみないか」と紹介されたのが宮本農産の宮本健一さんです。
宮本さんは古代米という聞き慣れないお米を作っている方でした。

(※古代米については機会があればまた詳しく書きたいと思います。)

そのお米=古代米をつかって何かできないかという相談だったわけですが、
それなりに米修行を積んだ米師魚住も頭を悩ます難問だったことを覚えています。
なかなか答えが出ない中、
「ところで古代米以外にはどんなお米を作っていますか?」と何気なく質問を投げかけたところ、
「あきたこまちとか、あとは、○○、あと、えーと△△とか?」
と宮本さん。

「ええっーー‼︎あきたこまち!? 本当!? やったー! 愛してる!!」
思わず立ち上がり、世界の中心でもないのに「愛」を叫んでしまいました。
あきたこまちの後に言っていた銘柄○○や△△が何であったかは全く覚えていません、すみません。

もちろん直ぐに、待ち望んだ石川県小松産のあきたこまちを試食させてもらい、
食べた瞬間にこれだと確信しました。
理想のカレー米の誕生です。

カレー米が「名脇役であり続ける」ことが誉であること

画像7

米屋は、沢山の地元飲食店様に支えられています。
その飲食店の皆様のご要望に応える技術としてブレンド米のノウハウを磨き上げてきました。
飲食店のオーナー様はよく言われます。
ご飯が美味しくても、お客様はご飯(お米)を美味しいとまではあまり言わない。
でも自然にお客様は増えていく。
逆にご飯が美味しくなければ、料理も不味いと言ってお客様は離れていく。
これはつまり、
「お米は美味しくても褒められないけど、不味いと店の評判まで下げてしまう」と言うことなのです。

その言葉を聞いて、お米はお客様に味や名前までは覚えてはいただけないかも知れないけれど、料理のイメージには大きく寄与をしていると言うこと、
文字通り「名前さえ知らないけれど、映画の記憶を鮮明にしてくれる完全なる脇役」のような存在であり、
いかにお米の美味しさが料理の質にまで左右するのか、を思い知らされたのです。
また、誠実に美味しさにこだわって「メニューに合うお米」をお届けすることさえ続けていれば、

お米は主役として目立たなくて良い、あくまで脇役で良いのだ、
と思えた瞬間でもありました。

画像8

カレー米が多くの飲食店やご家庭で採用されて、
「あそこのカレー美味しかった!また行きたい!」
「お母さんのつくるカレーライス最高だね!」

と言う言葉が私たちにとって最高の褒め言葉なのです。

そこに「お米」と言う言葉がないことが、
逆に嬉しかったりさえするのです。
だって、「カレーライス」が美味しかったのでしたら、良いじゃないですか。

月見の月でもなければ、備えの餅でもありません。
月を見上げるように道端にひっそりと咲くかすみ草で良いのです。
かすみ草で良いのです。
かすみ草、素敵だなって思います。


ここまでお読みいただきありがとうございました。

【コメント・フォロー・おすすめ お待ち申し上げます🙇‍♂️】

米屋のnote→
https://note.com/notokomeya
米屋のTwitter→
https://twitter.com/nonoichikomeya2
米屋のインスタグラム→
https://www.instagram.com/komeya188/
米屋のおこめ売場「おこめ本舗」→
https://www.eekome.biz


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?