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【能登半島地震】学生先遣隊活動報告①


⓪はじめに

能登地震での震災復興を学生主体で行う会「わかものと」代表の納田です。
今回の活動は、株式会社御祓川やETIC.をはじめ行政も関与する現地中間支援組織を中心とした復興支援ネットワークの支援活動を行っており、学生が独断で行動していることはありません。現地との調整を経て要請を受け、今後始まるボランティア投入に向けた先遣隊を出したという経緯です。

個人での現地入りすべき時ではないという世間の考えには同感です。一方で支援NPOや、JCなどの物資支援などはすでに様々な活動をしていますがそのうちの一つに私たち学生が加わるという認識です。

現地入りに際しては、東日本大震災や中越沖地震のときの復興支援機関などから食事や水などの持参などのポイントをレクをうけ、滞在は現地団体のもとで、ETIC.やガクトラボにコーディネートにも入ってもらっております。

また、御祓川代表の森山奈美さんが中心となって毎日能登全地域のキーパーソンを集めて避難所やインフラの情報収集を行っている会議にも参加をしており、先遣隊の活動を経て、現地復興の拠点である七尾市を拠点に活動を行うことを決めました。

①概要

活動期間:1月4日(木)~1月6日(土)の3日間
地域:能登地域 主に七尾市・穴水町・珠洲市
活動目的:状況把握、関係者との顔合わせ
メンバー:能登地震学生グループ「わかものと」代表 納田・運営 佐藤・松村

②活動記録

納田は自家用車で、3日(水)夜から出発
水不足と聞いていたためドラックストア、スーパーを回り、飲料水を大量に積んで徳島を出発し、朝方に金沢に到着しました。

4日(木)
9:00 金沢駅前
先遣隊として行くメンバー2名と合流し、金沢駅前からスタットレスタイヤのレンタカーを借りました。さらに自分たちの食糧として業務用のパンを日数分購入し、まっすぐ七尾市に向かいました。

12:00 七尾市 瀧の川運輸(救援物資拠点)
七尾市までの道のりは割と安定して向かうことができました。七尾にゆかりのある松村の運転で、ところどころで車を止めて、町中を歩いて被害の状況を目の当たりにしました。

1階が潰れた薬局(七尾市)
土壁がむき出しの住宅(七尾市)

その日は、株式会社御祓川さんのもとで、支援物資の集積作業を手伝いながら、私たちの団体「わかものと」の活動方針を検討しました。

20:30 七尾自動車学校 TADAIMA
夜までに団体の体制を整えることができ、現地のキーパーソンが集まる情報共有会議に参加しました。そこでは七尾だけでなく、能登地方全体の情報が集まっており、深刻な現場の声をその後、現地には居ないメンバーに向けて情報共有を行いました。夜はオンラインで打ち合わせを行い、御祓川の代表の森山奈美さんたちが運営をする七尾自動車学校の寮に泊まらせていただくことが出来たため、雑魚寝をして次の日の活動に備えました。

5日(金) 
5:30 珠洲市へ向けて出発
5時半に出発し、6時間かけて珠洲市の飯田高校に向かいました。本来なら1時間半程度で到着できる距離ですが、雨による土砂崩れや路面陥没に伴い路面状況が悪く、片道一車線の道、車が倒れていたりするため普通の速度で運転することは難しく、11時過ぎに珠洲市に到着しました。
納田と佐藤が通う武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)の元事務の伊藤紗恵さんと合流しました。避難所の状況把握や市役所で情報収集を行いました。持参した水に関しても避難所を点々としながら必要な場所に届けていきました。

陥没に巻きこまれた車(穴水町以北 場所不明)
人命救助にあたるレスキュー隊(珠洲市)
飯田高校のグラウンドには亀裂が(珠洲市)

今回の七尾市での行動を含め、1番衝撃を受けたのは、断水をしていたことです。仮設トイレがある避難所も水が流せない状態や、お風呂にも入ることが出来ず少し離れた場所に無料開放しているお風呂を利用している等、現地の厳しい状況や生々しい現実を目の当たりにしました。

2階が道路に向かって前のめりに倒れた住宅(珠洲市)
古い建物は倒壊し道路をふさいでいます(珠洲市)

珠洲市では、市街地も見てまわりました。崩壊している建物も多く、復興が難しい実態を知りました。また、津波の痕跡も見受けられました。想像していた以上に、現場は今を生きるフェーズで、復興のフェーズではありませんでした。全てがギリギリの生活をされており、まだ学生が入り込むのは難しいと感じました。

津波の痕跡が残る沿岸部(珠洲市)
車も流されて向きもバラバラ(珠洲市)

その後は2日目と同様の寮に戻りました。戻るまでの道も行きは通れていた場所が土砂崩れによって流されており、帰りも1時間半の道が6時間かかりました。

19:30 穴水町 森本石油での給油
穴水町で森本石油というガソリンスタンドで名刺交換と立ち話をさせていただきました。穴水町がガソリン供給の最後の拠点であること、供給量はあるがスタッフ不足であることを知り、学生がガソリン補給の手伝いをすることで、情報共有やコミュニケーションが行える余地があることを感じました。
寮に戻った後は、寮で避難している大人の方々に現地の状況を伝えました。

森本石油 穴水SS 毎日営業中です(穴水町)

6日(土)
5:30 七尾自動車学校にて余震
震度5の緊急地震速報で目が覚めました。まだまだ余震が続く状況でした。お世話になった寮で炊き出しやお掃除などを担当してくださったおばあ様方に感謝の気持ちを伝え、午前中のうちに金沢駅に戻り、レンタカーを返却して解散し各々帰路につきました。

七尾自動車学校(七尾市)

③感じたこと

学生たちの特長は、時間に余裕があり、マンパワーを発揮できるところです。復興復旧の作業や避難所でのサポートが急務であり、様々な学生の協力が求められています。また近隣の学生(金沢大学や富山大学生)も被災地であり、首都圏や関西圏など遠方の学生だからこそ、大学のない能登地域へ出向き活動ができるのかなとも思いました。
現地の声に耳を傾け、一部の場所を除き、学生が有益な活動を行うことは意義深いと考えます。また、各地域の復興状況は異なり、金沢駅や富山駅から七尾へは1時間30分弱と日帰りも可能です。珠洲や輪島から穴水や七尾までの差異がありつつも、全地域が同じ状況ではないということです。

一部地域では捜索や立ち入りがまだ難しい状況もありますが、生き死に以外の支援は急務です。私たちは、体力に自信のある方や車の運転が得意な方、こどもたちやお年寄りとのコミュニケーションが得意な方など、ご協力いただける方々の積極的なボランティアの参加と周知やサポートをしていきます。クラウドファンディングや募金活動などを通じて、学生の費用面のサポートする方針も固めました。

④能登へ向かう学生への注意事項

・ガソリンや車のこと
奥能登地域へ向かう場合は、穴水町のガソリンスタンドで満タンにするべき
道路状況は常に変化するため、渋滞でのガソリンの消費に気を配る
時間に余裕を持って行動すること
パンクした時に応急処置が自分たちでできる装備をするべき
能登の雪は水分量が多いため対策が必要
スタットレスのタイヤを使う必要がある

・持って行くもの
電気が通ってる箇所は多いが、モバイルバッテリー等は持っていって、なるべく現地の方の迷惑にならないようにする
私たちは、チャージスポット(コンビニなど)のサービスを利用したり、パソコンを充電器替わりにしたりした。

・支援物資
足りているところが多いため、自分自身の必要用品を準備してもっていくべき
ただ、マウスウォッシュ等の衛生管理系は支援物資として必要だと考えて持っていく
現地でも釜戸等はあるためご飯は提供されていたが、パンはあまりないため喜んでもらえた

・体調管理
水が通っていないため、トイレも我慢してしまうこともある。脱水症状になっていたり腹痛もあった。薬を持って行く、水分を多めに用意しておくなど対策が必要。
避難所には仮設トイレが設置されている場所もあるので、把握しておくといざという時に便利。

⑤私たちの活動・支援スタンス

現地のニーズに応えることを1番に活動を進めていきたいと考えています。実際にボランティアや支援を経験したことがある方々からお話やアドバイスをいただくことで、心構えと自分たちの役割を把握した上で向かうことを事前に行い、現地へ向かった時には、地域の人と協力し合い効果的に持続的に支援を行うことを目指します。持続的に人を派遣することで学生メンバーのマンパワーを発揮していきます。活動を継続的に行うために、お金のない学生に対して、 活動の支援資金を集めて、被災地の支援のために使っていきたいと考えています。

私たちの団体の強みは、過去の震災経験の受け入れサイドとボランティアサイドの方をアドバイザーに迎え、東日本大震災や中越沖地震などの知識を共有する勉強会を実施していることです。
また、先遣隊を派遣し、現地の地域団体やNPO法人等と緊密な協力体制を築いています。これにより、確かな知識と信頼性のある受け入れ先を把握し、初めて行く学生でも行ってすぐ活動を行う安心感があります。

引き続き「わかものと」では活動メンバーを募集します。
ご参加を希望される方はこちらのフォームまでお願いします。

ご支援をいただける方も募集しております。
代表の個人口座を緊急で開設しましたので、こちらまでお願いいたします。

口座情報 ノウダ カオル
金融機関名 PayPay銀行
金融機関コード 0033
店番号(支店コード) 007
支店名 かわせみ支店
口座番号 3266065
預金種別 普通預金

これからも皆様のご支援ご協力を心よりお願い申し上げます。
能登地震直後に現地を訪れ、その3日間で感じたことをまとめました。

活動報告はこちらでもご覧いただけます。

公式Webサイト
https://preview.studio.site/live/ogO0wgvDW2/

XやInstagramも開設準備中です。

能登地震学生グループ「わかものと」代表 納田薫

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