『なつとさくら』
『なつとさくら』【超短編小説 086】
なつは話してくれた。
「僕が目覚めると目の前には必ず、薄い桃色のあの子がひらひら舞いながら可愛らしく笑っているんだよ。その子を見ているとなんだかとても甘酸っぱい気持ちになるんだ。」
さくらは話してくれた。
「わたしが目覚めると目の前には必ず、丸々と膨らんだ橙色のあの子がじっとわたしのことを見ているの。あの子の真剣な眼差に、わたしは照れてしまって少し紅潮しちゃうの。」
甘夏があんなに甘くて酸っぱいのは、さくらのせい。桜の花が綺麗な薄い桃色なのは、なつのせい。
実がなる季節と花が咲く季節が同じ、甘夏と桜お話でした。
《最後まで読んで下さり有難うございます。》
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