【金の時計座】夫の乱気なう。

夫はいま、一人繁忙期真っ只中だ。
4月に痔の手術をして、2週間会社を休んだため
溜まりに溜まった仕事を片付けるのに必死だ。
(とはいえ、入院中もベットの上にPCと巨大モニターを置き、痛みがあるとき以外は普通に仕事をしていた。夫の入院中は私は実家に帰ってのんびりさせてもらっていた。)

夫は病気に加え、妙な一人繁忙期に突入しているが、
仕事に関してはまったく儲からないどころか赤字の仕事ばかりきている。
”あぁ、これが乱気か”と言わんばかりに
夫は”ゲッターズ飯田は当たるな”と時々こぼしている。

幸か不幸かコロナ渦で登り調子だった夫の業界も
コロナ終焉に伴い勢いに陰りが出始め、
インセンティブで食べている夫は休日返上など通常運転で
多忙を極めているのに実入りがないという大打撃を受けている最中だ。

あらやだ、不思議。
私は全くと言っていいほど心配していないのである。
育休をしっかり楽しんでおり、
「あぁ今が一番幸せだな」くらいに思っている。

夫は56歳。

普通の人なら死んでいるであろう病気や事故、事件に
見舞われてもけろっと生還してしまう不死身な運命の人だ。
かつ、私から見ると妙にお金と縁がある人だと思う。


「今月は残高がマイナスになるーーーー!!!」と騒いでいることが多々あるが
そのタイミングでコロナの保険金が入ってきたり、
子どもの給付金が入ってきたり、還付金が戻ってきたりと
「あれ、なんとかなかった」ということも多い。
(勿論、なんとかならないときもあります)

私は夫自身の能力も信じているが、
なによりも彼の運の強さを信じている。


とはいえ、夫はいつもあたふたしている。
毎年自分のお金のことを心配しており、
やばいやばいと駆けずり回り、
なんとかなっている人生だ。

あたふたしているわりに独身時代だった50歳で二世帯の新築を買い、
結婚してからも乗ることもないバイクを捨てずに修理し、
1人乗りのカヤックを「2人乗りにしようかな」と検討し、
昨夜は「キャンピングカーを新しくしたい」とつぶやいていた。
(どういう神経なのかと思う)

そして独身時代に貧乏性で同じ服を毎日着ていた私も
ふと「キャンピングカー買おうかな」とつぶやいてしまっている。

私にももともとそういう素質があったのか、
結婚してなにか夫の能天気が私まで拡大してしまったのかわからないが、
恐ろしい感染力を持ったなにかに私は洗脳されてしまったようだ。

でもなぜだろう。

毎日楽しい。

夫が乱気でも、私の毎日は幸せなので
私が乱気のときでも、ほかの家族は幸せに過ごしていてほしいと思う。

そうやって家族は助け合うのかもしれない。




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