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しめり箸 吉兆味ばなしより。

今朝は08時40分に起きた。相変わらず 起きる時間が不安定という状態で安定している。パートナーもどうやらまだ眠っているようなので ゆっくり朝ごはんの献立を考えることにする。

カボチャがまだ最後の一塊残っているので それを使ってカボチャのきんぴらを作ることにした。調味料の具合は白ごはん.comさんを参考にさせてもらうことにした。

パートナーは献立のどこかに肉が欲しい民なので きんぴらに豚バラ肉もつけ加えることにして 汁物には卵スープを作ることにした。

朝起きたらいつもキッチンの窓を開けるのだけど 調理のために火を使い始めるとあっという間に部屋が蒸し暑くなってきた。

たまらず扇風機を回すことにする。パートナーが起きてくる前には除湿あるいは冷房をかけておかないと文句を言われそうだ。

そう言えば 今読んでいる『吉兆味ばなし』という本の中で しめり箸と言う話が出てくる。
以下 最初の行を引用します。

初夏になると、なおさら、濡れ色をよろこびたいとおもいます。もみじの葉一つあしらうにも、木の芽をあしらうにしても、洗い上げ、カゴに打ち上げて、いよいよ盛るときに、もういちど霧水をふいて、ぬらしてから盛る。一度洗ったからいいというものでなく、盛る寸前にぬらす、これが料理の掟です。

吉兆味ばなし(湯木貞一著 暮しの手帖社)   

このようにぬれている状態にすることにより清涼感が感じられるようになる ということが大事なのだと理解しましたが 作者の湯木さんは冬なら皿や鉢を湯通しするように 夏は皿や鉢を冷たい水に通すのが肝要だと言います。

それにより器に水滴がつき 涼しさを感じさせることが出来るようです。そして それはお箸も同様でお箸も流水にかけることで ひんやりとした感じを感じてもらえるようになると言います。

たしかに言われてみれば 夏の暑い中 ほかほかのご飯に 温かい汁物で あついおかずが出ようものなら どこかに涼しさも欲しくなろうものです。

ですので今回はわたし 流水で箸をぬらすではなく 冷凍庫に箸を入れ 冷やすという手段をとってみました。パートナーがいつ起きてくるのか分からないということと 冷凍庫でやってみたいという好奇心に駆られたのが理由です。

さて 出した瞬間はキンキンに冷えていたお箸ですが いざ食べる段になると ちょうどほどよい ひんやり感を感じます。パートナーは無言でしたので ためしに聞いてみると 言われてみればそうかな?というくらいで大して冷涼感を感じていないようでした。

ですが わたしとしてはこういうところに氣配り 心配りをするのか と感心した次第です。ほんのわずかの違いがいたるところに さり氣なく行き届いていて 吉兆のような一流のお店の空氣感というのが醸成されていくのでしょうね。

吉兆味ばなしの本について話をしますと 湯木貞一さんの語りを花森安治さんが聞いて文章にし それを再び湯木さんが自身の言葉になおし 暮しの手帖に掲載されていたものをまとめて出版されたものになります。

湯木さんは一流の料理人だそうですが 同時に家庭の料理人のこともよくわかってらっしゃって 化学調味料で味をつけることもお勧めされています。※料理人としては使わないで味をつくる訓練も必要だが 同時に全く使わない(特に家庭料理においては)というのもバランスを欠くのでは という考えのようです。

そのような方ですから 読んでいて堅苦しいところがありません。もちろん湯木さんのこだわりというものは書かれていますが なにか試してみようという心もちになれる文章でした。

わたしもこの方を知ったのは どなたがnoteかなにかブログに書かれていて いつか読みたいと思っていたことがきっかけでした。

もし この文章を読んで吉兆味ばなしに興味をお持ちになった方がいらっしゃると嬉しいです。

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