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ああああってなる
2019年6月4日 03:25
多佳子はいつも風のなかにいた。 校舎の前の小さめの広場、校長先生待ちのとき、寮の玄関を出たとこで女子が集まる前とか、多佳子は大勢の人に囲まれながらもどこかひとりでいるみたいだった。彼女の薄茶の瞳はビー玉みたいにつるんと光っていて、多佳子のことを友達だと思って話しかけてる子は多佳子の瞳を通すと違って見えていたのかもしれない。新入生の中で誰より早く人間関係を築き、自由で楽しそうにみえた。大人