低温火傷の恋 ご
恋 というタイトルを付けながら、
恋 以外の言葉を探している。
この気持ちは本当に、恋と呼ぶのだろうかと。
わたしが知っている恋は、
もっと、わかりやすい気持ちだった。
会っている日は幸せ。
会えない日はさびしい。
会えなくとも、言葉交わせれば、一日がきらきら。
言葉や思いやりが足りなくて、気持ちの行き違いがあると、いろんな気持ちでいっぱいいっぱい。
それに、いつだって、ときめきで溢れていた。
どれも言葉にできる、気持ちばかり。
だったと思う。
今は、よく、わからない。
会いたいような、
会いたくないような。
いたら嬉しい気もするし、
いないとさびしいかもしれない。
一緒に帰りたいとは思うけど、
帰ったら帰ったで、口をつぐんでしまう。
何を話していいかわからない。
思いを馳せない日がないわけじゃないけど、
うっとり、はしない。
なにより、ときめきがない。
あるのは、
ふっ とした一刻の温もりと、
じん と跡が残る痛み。
それだけ。
これは、恋ではない。
わたしの知ってる、恋ではない。
では、何と呼ぶのだろう。
「恋ではない」
そう思うと、泣きたいような、笑いたいような気持ちになる。
「恋」
と呼ぶと、違和感で眉が八の字になる。
温もりと痛みを繰り返せば、呼び名が見つかるのだろうか。
今日もまた、温もりと痛みの間で、
恋に代わる言葉を探している。