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「英知、勇気、情熱を与えたまえ」ある女性アトツギの祈り

妻の実家も中小企業を経営している。

いきなり余談だけど、経営者の娘と結婚している経営者って多い印象。「社長の働き方 / 生き方が感覚的にわかっているから良い」とか言うのも聞いたことあったり。皆さんの周りはどうですか?

先日、妻の実家のご家族と一緒に鍋を囲む機会があったので、岳父に「◯◯家には家訓とか、経営理念とかあるんでしょうか?」と聞いてみた。

うーん…と悩まれてから、

「そう言えば、おばあちゃん(先代)は毎日『英知、勇気、情熱を与えたまえ』と神棚に祈っていたなぁ」

と、おっしゃった。

岳父は18歳の時にお父様を交通事故で亡くし、お母様(先代)が後継社長として会社を経営してきたそうだ。岳父は元々行こうと思っていた他県の大学ではなく地元の大学に進学し、週末は家業を手伝うという学生生活を経て、卒業後はすぐに家業に入社したそうだ。

岳父の苦労を改めて知るとともに、急に夫と社長を失った先代がいかに不安だったか、その不安に対して日々自分を鼓舞して頑張っていたのかを感じて、ジーンと来た。

「英知、勇気、情熱って、今聞いても良いですね。」と僕が話すと、「いや、もう聞き飽きたよ(笑)毎日毎日聞かされて、一緒に唱えさせられたんだから。でも、そうだな、やっぱり覚えているもんだなぁ。」と笑いながら応えられた。

企業理念とか、ミッション・ビジョン・バリューなんて大層なものじゃなくても、先代が好きな言葉、大切にしている信条はきっとある。

アトツギは、時にその由来や背景を掘り起こすと良いと思う。

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