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クリエイティブな発想をするには?

この画像をご覧ください。

三角形を使って四角形を作る問題です。一番左の図では、簡単に四角形を作ることができますが、三角形の数が増えると、よりクリエイティブな発想が求められます。一番右の図形になると、さらに発想の転換が必要になってきます。

では、もう一つ問題を出してみましょう。

Q. 丸を3つだけ動かして、上下逆さまの三角形を作ってください。

A. 答えは記事の一番最後に載せています。


集中思考と拡散思考

Kohji AsakawaによるPixabayからの画像

21世紀に入ってから、神経科学の分野では脳についての研究が急速に進んでいます。
その結果、私たちの脳は、深く集中している「集中モード」と、リラックスしている「拡散モード」という二つの状態を切り替えていることがわかってきました。

集中モードとは、「よし、勉強しよう!」と決めて机に向かうときのことです。このモードでは、論理的に考えたり、順序立てて分析したりする力が発揮されます。

一方で、拡散モードは、リラックスして心を自由にさせている状態です。この状態では、ふと良いアイデアが浮かんだり、解決策が見つかったりすることがあります。
実は、リラックスすると脳の色々な部分が繋がって、新しい洞察が生まれやすくなるのです。この洞察は、多くの場合、集中モードで考えていたことが基になっています。

集中モード

Наталия КогутによるPixabayからの画像

私たちの脳は、過去の経験や思考パターンを素早く取り出し、問題解決の糸口を見つけるのに役立てます。これが、脳が練習や経験を通じて学んだルートを優先する理由です。

例えば、小学校で掛け算を学んだときのことを思い出してください。2×2の答えが4だとわかっていれば、次に他の掛け算をするときにその経験を使ってスムーズに計算できます。これは集中モードのおかげです。脳が過去の知識を活用して、迅速に答えを導き出すのです。

拡散モード

Jill WellingtonによるPixabayからの画像

脳は、リラックスすることで記憶を広い視野で捉え、発想の転換やひらめきを生み出します。

シャワーを浴びているときや、散歩をしているときに、また問題とは別のことに意識が向いているときに、突然素晴らしいアイデアが浮かんだことはありませんか?これは、リラックスすることで脳のさまざまな部分が繋がり、新しい視点が生まれるためです。
無意識のうちに脳はせっせと神経回路を構築してくれるのです。

なぜ脳はこの二つのモードを持っているのか?

DIY TeamによるPixabayからの画像

野生の動物たちは、私たちに集中モードと拡散モードの重要性を教えてくれます。例えば、鳥が地面に落ちているエサをクチバシでついばんでいる光景を思い浮かべてください。しかし、彼らは同時にタカなどの天敵から身を守るために、広い視野で周囲の安全を確認していなければなりません。だから、鳥は地面をついばんでいるかと思うと、ふと立ち止まり、地平線を見つめるのです。まるで集中モードと拡散モードを交互に切り替えているかのように。

このように、二つのモードが切替わることは自然のリズムであり、これを意図的に切り替え、利用することで、仕事や生活の質を向上させることができるのです。

右脳人間?左脳人間?

ElisaによるPixabayからの画像

「右脳タイプ」とか「左脳タイプ」といった考え方には、実は科学的根拠がありません。MRI研究によると、これは真っ赤な嘘です。しかし、集中モードと拡散モードは右脳、左脳のどちらも関与しています。

スポーツ選手が試合前にリラックスする時間を大切にするのはうまく集中モードと拡散モードを使えてると言えるでしょう。集中モードで戦略を考えるのは重要ですが、試合の合間に心を落ち着けることで、プレイの中で新たなひらめきが生まれるのです。

要するに、右脳、左脳ではなく、感覚、論理的ではなく、両方の力を最大限に扱う仕組みを知ることが重要だと言えます。

構え効果とは?

Steve BuissinneによるPixabayからの画像

時々、私たちは不完全な取り組み方に固執してしまい、問題を解決したり新しい概念を理解したりするのが難しくなることがあります。これを「構え効果」と言います。しかし、集中モードから拡散モードに切り替えることで、この効果を取り除くことができます。

最初のアイデアがうまくいかない場合、集中モードを解除して拡散モードに切り替え、全く違うアプローチを試すこと、つまり発想の転換です。集中モードを継続する限りこの構え効果の沼にハマってしまうのです。

要するに、問題解決の際には必要に応じて思考モードを意図的に切り替えることが重要です。これが、私たちが直面する困難を乗り越え、より創造的で効果的な解決策を見つけるための秘訣です。


日々の学習への応用

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まず、学習を始めるにあたって、集中モードの力を借りる必要があります。そのためには十分な『注意』が不可欠であり、問題に最大限の意識を集め、概念を理解することが求められます。
ただテキストを読むのではなく、『なぜ?』を追求する思考力、粘り強さが重要です。ただ単語を覚えるだけでなく、単語の語源を調べたり、出題者の意図を汲み取ったり、問題の背景を想像したり。

ただし、集中するための精神エネルギーである自制心は無限ではありません。エネルギーが少なくなると、集中力が切れ、疲れてしまいます。例えば、試験勉強を何時間も続けると、次第に集中力が低下していくことがあります。集中モードが長引くほど、精神エネルギーは乏しくなります。そういう時には、集中するのをやめて、運動をしたり、友達と話したり、SNSを見たりするなど、短い休憩を挟むことで拡散モードに移り、気分が一転します。

脳は筋肉と同じで、ダンベルを持ち上げ続けても筋肉は大きくならず、休息が必要なのです。ジムでのトレーニング後にしっかりと休むことで、筋肉が成長するのと同じように、脳も休息を取ることで情報を整理し、学習効果を高めます。

長期的に見れば、概念をしっかり理解するために学習を手堅く続けることがコツです。したがって、一夜漬けや教材の一気読みは効果的ではありません。一夜漬けで詰め込んだ情報は、すぐに忘れてしまうことが多いです。

また、概念を理解したことを確認することも重要です。学んだことを人に教えることで確認が取れます。
人に話すことで、より分かりやすく説明できるかどうか、『例えば』と言い換えて具体例を出せるかどうかが、概念を理解している証拠となります。

効果的な学習のステップ

AdrianによるPixabayからの画像

  1. 学習する内容の全体像を把握する(集中するための準備)

  2. 学習を進める(集中モード)

  3. 学習した要点を思い出してみる(拡散モードへの準備)

  4. 休憩を取る(違うことに意識を逸らす)

  5. 1に戻る

  6. 1~5を繰り返し、その後人に伝える(アウトプット)

このようにして集中モードと拡散モードを交互に行うことで、複数の脳領域が働き、解決策を思いつきやすくなります。

例えるなら、レンガを積み上げる作業(集中モード)は、脳が神経構造を構築する作業です。そして、モルタルが乾くのを待つ(休息モード)ことで、知識を脳がしっかりと理解します。

具体的には、25分間の集中→問題から意識を逸らす→25分間の集中というメリハリの効いた学習法を数週間、数ヶ月続けることで、堅固な神経構造が築かれます。

そのため、息抜きの時間を楽しみつつ、深く学べるようになります。くつろいでいるときに、学習の進捗状況や全体像を把握することができるのです。

この方法を続ければ、学習がより効果的になり、持続可能な学びの習慣を築くことができるでしょう。

集中できない時

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怒りや欲求不満をバネにしてうまくいくこともありますが、これらの感情は学習に関わる脳の領域の活動を阻害します。難しい問題に直面しているとき、イライラすると集中力が低下し、効果的に学習することが難しくなります。

勉強中にイライラを感じたら、それは中断すべき合図と受け止め、集中モードから拡散モードに移行しましょう。

学習において、粘り強さは確かに長所ですが、見当違いの粘り強さは逆効果です。例えば、同じ問題に何時間も取り組み続けると、次第にフラストレーションが溜まり、ますますイライラすることがあります。こういう時こそ、一歩引いて、他のアクティビティに移ることが重要です。短い休憩を取ってリフレッシュすることで、脳がリセットされ、新たな視点で問題に取り組むことができるようになります。

ですから、学習中にイライラを感じたときは、無理に続けるのではなく、休憩を取りましょう。これが、集中モードと拡散モードをうまく使い分ける秘訣です。


まとめ

いかがでしたでしょうか?私自身もこの方法を実践するために読んだ本や得た知識を、皆さんと共有していきたいと思います。この過程で、この記事を読んでくれた皆さんのお役に立てれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。この記事が役に立ったと思われた方は、ぜひ「いいね」とフォローをよろしくお願いいたします。

参考著書


問題の答え

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