【決定版】九月がどうとも思ってない食べ物10選
この間のライブ中、トーク企画のコーナーで質問を募集したところ、「どうとも思ってない食べ物はなんですか?」という質問があった。とてもいい質問だなと思った。ライブ中は尺の都合があるため、数点挙げるのみになってしまった。とてもじゃないが答え足りなかった。文章の形で書きたい分書き出しておくことにする。
九月がどうとも思ってない食べ物
チョリソー
どうとも思っていない。食べたところで「これチョリソーだな」とは思わない。「辛いウィンナーだな」と思う。個体として認識していない。羽毛とかと一緒。ジャンルでくくって見てる。好きでも嫌いでもない。肉バルのおつまみ、ピザの上、あってもなくてもいい。食べても食べなくてもいい。というか、食べても「辛いウィンナーだな」しか思わない。だから嫌うとか、馬鹿にするとか、見たくもないとか、そういうのもない。どうとも思っていない。思うに至らない。名前に馴染みがない。個として見えていない。
ちらし寿司
どうとも思っていない。「なんかいつも平たいな」しか思わない。何も感じない。飾り付けが綺麗だなとか、めでたいなとか、頭では理解しているだけで特に何も感じない。「平たいな」とは思う。それ以上はない。「錦糸玉子はこういう由来があってね」みたいな話、何回聞いても覚えられない。ルーツを知るモチベーションがない。自ら食事で選ぶ気にならない。出てきたら、よけるほどでもないから食べる。それくらいどうとも思っていない。関心がない。
カリフラワー
どうとも思っていない。野菜って結構好きなもの、苦手なものとかあるんだけど、カリフラワーに関しては限りなく無。かぼちゃめっちゃ好き。いつも食べたい。オクラちょっと苦手。お通しで出てきたら「苦手なんだよなぁ」って思う。大葉は食べ方による。お肉と一緒なら好き。玉ねぎとかピーマンめっちゃ好き。たぶん辛い系の野菜が好きなんだと思う。ナスはそんなに得意じゃないなぁ。むにゅってするから。そういう感想がだいたいの野菜にあるのに、カリフラワーだけは無。どうとも思っていない。サラダの中にいてもいないような気がする。色とか目立つのに。なんでだろう。感性に対して訴えてくるものが一つもない。
にゅうめん
どうとも思っていない。「そうめんの、こっち版」くらいしか思わない。おいしいとかまずいとかに至らない。「そうめんの、こっち版」しかない。それ以上も以下もない。感動するとか、ムカつくとか、食べたいとか、もう見たくないとか、そういうのが一切ない。心が動かない。「そうめんの、こっち版」しかない。あったら食べる。なかったら食べない。もらったら茹でる。茹でたあと一定確率で冷やす。
おやき
どうとも思っていない。ふだん存在を認識していない。味の印象もない。うまいともまずいとも記憶にない。何時くらいに何個くらい食べるものなのかも何一つ知らない。人に勧められたときだけ食べる。ぶっちゃけ名前と形状があんまり一致していない。
ミートローフ
どうとも思っていない。肉料理で唯一、特有のワクワク感が一切ない。ミートローフを見ても「ミートローフか」しか思わない。ハンバーグならわくわくする。コーンビーフにさえワクワクが多少はある。チョリソーにさえ、「ウィンナーとしての」ワクワクはある。ミートローフにはワクワクが一切ない。ホテルの朝食バイキングで、他に肉料理が一つもなかったとしても取らない。ミートローフなら取らない。人が持ってきて、「一個余ったから食う?」って言われたら食う。それくらい受動でいいと思ってる。ミートローフに能動的になった試しがない。
冷やし中華
どうとも思っていない。ものすごく空腹で、目の前に冷やし中華があったとしても、気付かないで通り過ぎると思う。もう本当に関心がない。夏でも関心を抱かない。冷えてるだけならそうめんでいい。にゅうめんを冷やしたものでもいい。「冷やし中華って夏の風物詩だな」と思ったことがない。「おいしい冷やし中華」とか「まずい冷やし中華」という感覚もない。冷やし中華の成功例を知らない。失敗例は知っている。「言うほど冷えてない」とかがあるのは分かる。でもそれ以上、どうとも思わない。黒酢のやつとか醤油っぽいやつとか胡麻のやつとか、バリエーションを見せられても何も感じない。バンドのアルバムの8曲目にある、ややファンクっぽいテイストのイマイチな曲くらい何も思わない。あってもなくてもいい。
芋ようかん
どうとも思っていない。書くことがない。「芋で作ったようかんなんだな」と思う。
お寿司のウニ
どうとも思っていない。取らない、食べない、握らせない。関わって生きている感じがない。回転寿司で唯一、レーンを回っててもノータイムで見送れる。「本当にうまいウニ食べたことない」みたいなことでもない。僕は三陸の漁港、青森県八戸市の出身で「本当にうまいウニ」に囲まれて育った。そのうえでどうとも思っていない。まずいと思ったことさえない。嫌いとかもない。今さら「値段高すぎるやろ!」とかも思わない。そういう期間も終わって、本当にどうとも思っていない。なんでもいい。ちなみに、地域柄ウニは炊き込みご飯で食べるイメージ。それはおいしい。
中華丼
どうとも思っていない。頼んだことが一度もない。中華料理は好きだけど、中華丼だけ意識の中に入って来ない。メニューを見ても素通る。書いてないのと一緒。別に食べたことはある。たぶん美味しいと思ったこともある。そのうえで関心がない。注文しようとか、この店の中華丼が気になるなとか一切思わない。まったく興味がない。誰かが頼んでいるのを見ても何も感じない。「頼む人いるんだ!」「これ好きな人って実在するんだ~!」とかもない。そういう感慨もない。自分の人生にあってもなくてもいい。何なら、ないのかもしれない。
ただし、コントで使ってから、概念にだけ愛着が湧いた。結構いいコントになったので。中華丼という概念については、マジでめっちゃ感謝するようになった。実体としての中華丼には依然として何も感じない。
参考映像
参考映像① コント「人殺しの中華丼」
参考映像② どうとも思っていない食べ物、本編トーク動画
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