柿は買うもんじゃねえ

柿は買うもんじゃない、もらうもんだ。

5年前東京から移住して来た時に何度も聞いた言葉

今はその時より、さらに田舎に住んでいる

敷地の裏に一本の柿の木。美味しそうな実がなっている。でもなぁ。渋柿なんじゃないかなぁ

渋柿には文字通り渋い思い出があるから手を出したくないんだよねぇ(食べたことないって言ったら何事も経験だと脳内お花畑変換に食べさせられ舌も味覚もしばらくおかしくなった)

というわけで放っておいたら、隣のおじさんに裏の柿はあれは甘いやつだよ。そろそろ取んなよ。柿は買うもんじゃねえ、家のを取らんと

と教えてもらった。そーか甘いのかぁ。熟れて落ちちゃったのもある。もったいないことしたなぁ

でもどうやって取るんだ?柿の木は折れやすいから登るなって聞いたけど

そしたら今度は裏の家のおじさんが、柿取らんのかあ?って声かけて下さる

渋柿だと思ってたんですと答えたら、いやその柿の木は甘いやつだ。柿は買うもんじゃねえぞ。家の食わんと(またでた!)

でもどうやって取ったらいいんですかぁ?と尋ねたら、竹を細工した柿取り棒を作ってくれた

これでな。パキッと挟んで取んだ

うおおおおお。なんて画期的な!!これできっと昔の子どもたちは柿どろぼうをしたに違いない

早速おばあちゃんがるんるんで柿取りを始めた

家の敷地で柿取るの夢だったのお

へー、そりゃよかったね。70前にしてどんどん夢が叶ってて羨ましい限りです

全部は取っちゃダメなのよね

なんで?鳥のため?

それもあるけど、その木に対するお礼とかなんとか聞いたことあるよ。その木の取り分というか。また来年よろしくねって意味かな

柿の木さん、来年もどうぞたわわに実らせてくださいね。ありがとう。いただきます

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