元ミス尾道のアルバイトに労働審判を起こされた話③
司法に関わらない一般人にしては人より訴訟関連に関わっていることが多いかもしれない。当事者だったということもあればクライアントや友人知人の協力者として数件。訴訟に至らないこういった争い事も何件もある。こういう争い事で一度も負けたことないことと、コンサルタント業だったことが起因していると思う。勝訴した裁判で、もし相手側に貴方が就いていたら確実に負けていただろう、と言われたこともある。
絶対敵に回したくないタイプ。敵に回すと超面倒。相談相手としては最強。味方にしても大した益はないかもしれない。でも敵に回すと厄介この上ない。こういう評価を受ける人物が一定数いることは知っておいた方がいいと思う。
③訴状受取~労働審判期日まで
10月12日に訴状が届いてそこからは法廷闘争になる。労働審判なので展開は早い。第1回の審判は11月15日。答弁書・証拠の提出は11月5日まで。2~3週間で訴訟資料作成というのは結構キツいものがある。そしてここからの準備手順は、手順という程のことではないけれど、後学の1つとして読んで頂ければと思う。
①労働審判の制度の知識獲得と理解、そして自分なりの認識。
②今回の案件について複数の専門家(弁護士等)の意見と助言。
③書類作成と専門家の確認。
ついでに書いておくと、私は日本の裁判所と裁判という制度に対してかなり懐疑的。裁判に初めて関わった頃は、裁判は事実と事実で争う場だという間違った甘くて幼い考えを持っていた時期があった。実際やってみると裁判は事実など関係なく、相手と争う場でもなく、提出した証拠で如何に裁判官を説得するかの場だった。
さらに裁判で決着を付ようとする人がいるけれど、私に言わせると判断を他人に委ねている時点で間違った判断だと言える。自分でコントロールするのはなかなか難しいし、裁判は交渉や争い事の武器の1つとして使うものであって決定させる場でも機関でもない、という認識。
①に関して。労働審判は労働問題を解決する為のかなり労働者側に立った制度。審判事例を読んでみても目を疑うような内容ばかり。例えば試用期間勤務中1カ月程度の営業社員を成績不振でクビにした場合の審判事例では企業側に150万円ほど支払えという事例もあった。とにかく企業側はまず勝てない。と思った方がいい。
②弁護士の意見。合計で4人の弁護士に確認。
A弁護士「まず勝てない」。
B弁護士「(大目に見ても)7:3で負ける。うちの事務所で過去1年間企業側が勝った案件は1件もない」。
C弁護士は曖昧な言葉で返答を濁す。
D弁護士「こうやれば勝てまよ」。
これもついでに書いておくと、弁護士やコンサルタント等の専門家を雇う時、悲観的な意見を出す方を選ぶと良いと思っている。普通では悲観的な意見を言ってくる専門家を雇う気にはなかなかなれないと思う。私自身コンサルタントだったので痛感していることではあるのだけれど、相談時に楽観的な事を言えばクライアントや見込客は喜んでくれて契約が取れる。取ることができる。が、争い事に楽観主義は禁物。戦争で考えてみて欲しい。あぁ勝てる勝てる大丈夫って楽観的な軍師を雇って意見を取り入れると痛い目みる。無理でしょ。命や人生がかかっているのに。曖昧な返答をする人も避ける。事実を事実として捉え、悲観的に準備し、楽観的に臨む・臨める人を雇うべき。ちなみにA~Dの中に弊社の顧問弁護士がいる。
③書類作成。まず争点を予想し、どう答弁してどこに落とし込むかのシナリオを作る。今回想定した争点は不当解雇かどうか。
社内規則に沿った解雇で、誹謗中傷の録画もある。答弁書のシナリオは作れる。だが日本の労働法での解雇規制は昔から言われているようにかなりキツい。今までクビなんてしたことなかったので知らなかったが、やってみると実際クビにするのは無理でしょって感想。じゃぁ問題社員・アルバイトをどうやって解雇するの?というと、顧問弁護士に代行してもらっている企業もあるらしい。弁護士から聞いた。「次から気を付けてくださいね」と弁護士。あ、はい、解りました。勉強になりました。
今回は労働審判という企業側に不利な制度の上、弁護士の意見を聞いて負けると思っていた。初の黒星か~と考えてた。コッチに不利な事もあった。もちろん訴えてきた林原美織(旧姓:金沢)にも不利な事は多々ある。こう書くと矛盾しているが、結果から見ると労働審判ではなく最初から民事訴訟だったらもしかしたら負けていたかもしれない。
如何に被害を少なくすることができるか、そういう風にも考えていた。だが資料を作る上でそんなことを考えて作るのは負け犬の考え方。やる以上、徹底的に相手の不利な点を攻撃する。負けることを考えつつ負けることなど考えない。そういうシナリオを作る。弁護士にとっては当たり前の話だと思うけれど。
そして③を準備する中で出会った人達、会社があった。
労働審判申立人、林原美織が前職で勤めていた会社の人達だ。
続く。
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