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掌編小説集

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原稿用紙で10枚以下くらいの創作小説をまとめています
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#掌編

がめ

 ヘベさんに会ったのはギルドのオフ会で三回だけ。ゲーム内にて二人だけでおしゃべりをしたこともある。内容は忘れたが、それなりに盛り上がったように記憶している。ただ、リアルで、例えば彼女と同じクラスだったとして、友達になれたかと問われれば、ならなかったと思う。  噂通りに飲み会の前から酔っ払っていて、始まると休むことなく酒を体内に流し込み、一時間もしないで力尽きて眠ったかと思うと、三十分くらいすると起きて、「アタマ、いたーい」とか、「ぐあい、ワルっ」と言い、「迎え酒タイーム」と

そっちのタイプ

 岩佐から、「どうして自分ではダメだったのか知りたい」とお願いされて、なんと不毛な、と思った。「どうしても?」と聞くと、かつて甲子園を目指していたという浅黒い男は、「どうしても」と、真顔で返した。  学校に来ているなら、あそこだろうと、学食に行ってみると、昼前で閑散としているが、それでも、ここかしこで暇を持て余した学生たちが集まっておしゃべりに興じている中で、カコは、携帯から線の伸びたイヤホンで耳を覆い、小さな無人島のように孤立し、一人で勉強をしていた。  彼女の視線は辞書と