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田丸雅智さん×高橋晋平さん「ショートショート書き方講座」イベントレポート #ショートショートnote

現代ショートショートの第一人者である、ショートショート作家・田丸雅智さん。第1回日本おもちゃ大賞受賞の「∞プチプチ」をはじめ、さまざまなおもちゃを開発してきたおもちゃクリエイター・高橋晋平さん。おふたりが共同開発した、noteでショートショートが書けるカードゲーム「ショートショートnote」の発売を記念して、6/22(火)に「ショートショート書き方講座」を開催しました。

「ショートショートnote」は、「お題カード」「制限時間カード」「形式カード」「ヒントカード」がセットされたカードゲームです。ゲームの親が「お題カード」を数枚引いてショートショートのタイトルをつくり、参加者は制限時間内にnoteでショートショートを書きます。時間になったら書くのをストップして作品を見せ合い、自分以外の作品で一番好きだと思ったものに「スキ」をつけます。もっとも多くほかのプレイヤーから「スキ」と言われたひとが勝ち、というゲームです。

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「ショートショート書き方講座」の前半では、言葉の組み合わせから想像を膨らませ物語を生み出す田丸さん式のメソッドや、高橋さん独自のアイデア発想法と思考の柔軟性を高める方法を教えていただきました。

後半ではワークシートを用いたワークショップが行われました。さらに、「ショートショートnote」を実際につかって、参加者のみなさんで作品を執筆。書き上げた作品をnoteに投稿していただき、その場で講師のおふたりに読んでいただいて、感想をお話しいただきました。

この記事では、講座の前半部分でおふたりにお話しいただいた講義内容を、ポイントをまとめてお伝えします。この講義の内容や、「ショートショートnote」をつかって参加者が一緒にショートショートを書いたイベントの様子は、こちらの動画で閲覧できます!

3つのステップでつくるショートショート

ショートショートとは、簡単にいうと「短くて不思議なお話」のこと。ショートショートの創作を通して「文章力」が培われるのはもちろんのこと、「発想力」の強化にもつながります。また、発想したことの辻褄を合わせてまとめていく「論理的思考力」も高まります。この3つの力を、ショートショートの創作をすることでたのしみながら磨いていきましょう。

ショートショートの具体例として、田丸さんの書かれた「発電生物」「日光傘」の2作品を挙げていただきました。どちらも短くて不思議なお話です。

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ショートショートをつくるには、大きく以下の3つのステップがあります。

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1. 不思議な言葉をつくる

最初に、ショートショートの「お題」となる「不思議な言葉」をつくりましょう。

まず、「名詞」をいくつか書き出します。「ガラス」「粘土」「太陽」など、名詞ならなんでもOKです。そして、その名詞のなかから1つを選び、それに関して思いつくことを書いていきます。たとえば「太陽」だったら、「発電につかえる」「マグマみたい」「皆既日食」「ぽかぽかする」「夕焼け」など、「太陽」という言葉から連想することを書いていきましょう。

次に、最初に書き出したいくつかの名詞と、選んだ名詞から連想した言葉とをあべこべに組み合わせます。すると、「発電につかえるタコ」や「ぽかぽかする傘」のように、不思議な言葉ができます。

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2. 不思議な言葉から想像を広げていく

1.でつくった不思議な言葉について、それはどんなものなのか、想像を広げて説明してみましょう。妄想力、空想力を大いに発揮してください。たとえば「発電につかえるタコ」だったら、実際にいる「電気ウナギ」の原理を発展させてできたタコ、などと架空の説明をしていきます。

次に、それについての「メリット」と「デメリット」を考えてみてください。たとえば、「タコは足が8本あるから一度に8個の電源コードをつなげる」のがメリット。でも「一度にたくさんの電気をつかうと熱くなってゆでダコになってしまう」というデメリットもある━━などという感じで、自由自在に想像を広げていきます。

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3. 想像したことを短い物語にまとめる

最後に、いままで想像したことをまとめ、お話を完成させます。

不思議な言葉をつくり、そこから想像を広げ、それを短い物語にまとめる。最初にご紹介した田丸さんの「発電生物」も、この3つのステップを踏んで書かれています。

どのように発想を広げていくか

アイデア発想の一番の敵は「緊張感」です。緊張すると何も思いつかなくなるし、「いいことを書こう」と思えば思うほど頭が真っ白になってしまうもの。最初から1つの正解を出そうとするのではなく、あらゆる方向からパッパッと考えていきましょう。とにかく柔軟にどんどん考えていき、そのなかからどれかを選ぶ、というやり方がおすすめです。

想像を広げるには、1つの考えを「いかにずらしていくか」が大事。自分がやりやすい「考えのずらし方」を探してみてください。

どんな「ずらし技」が得意かは、ひとそれぞれ。ひっくり返すのが得意なひともいるし、大きさを変える、場所を変えるなどが得意なひともいます。ぜひ「これが自分の鉄板技」と思えるものを身につけましょう。

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発想するさいに、自分に合った「ツール」や「ルーティン」を見つけるのも大事です。1人で考えるのが好きなひともいれば、逆にだれかと会話しているときにアイデアを思いつくひともいます。つかうツールも、Excel、PowerPoint、紙やノートなどいろいろありますが、自分が一番つかいやすいものをつかいましょう。

また、どんなときにアイデアを思いつくかもひとによって違います。散歩中に思いつく、お風呂に入っているときに思いつく、など。自分のパターンを把握すると、発想もしやすくなるでしょう。

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「#ショートショートnote」で投稿してみよう

この記事を参考に、ぜひ気軽にショートショートを書いてみてください。書き終わったら、ハッシュタグ「#ショートショートnote」をつけて投稿してみましょう! ほかのクリエイターの作品も読めますので、「スキ」をつけあったり、コメントをしあったりして交流を深めることができます。また、だれかひとりが「ショートショートnote」を持っていれば、何人かで同時にショートショートを書くイベントを行うことも可能です。

「ショートショート書き方講座」の後半のワークショップで参加者のみなさんが書いた作品も「#ショートショートnote」で読めますので、ぜひ読んでみてください!

今回、田丸さんに教えていただいたショートショートの書き方メソッドは、『たった40分で誰でも必ず小説が書ける 超ショートショート講座 増補新装版』に詳細があります。書籍のWebサイトでは、イベントで使用したワークシートもダウンロードできますので、ショートショートにチャレンジしてみてください!


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