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ボドゲの楽しさを発信し続けたことで、あらたな仲間と出会えた ボードゲームデザイナー・ミヤザキユウさん

noteで活躍するクリエイターを紹介する #noteクリエイターファイル 。今回は、ボードゲームデザイナーのミヤザキユウさんにお話を聞きました。

株式会社バンソウや同人サークル「東京ゲームメイカーズ」で、仕事と趣味の垣根を超えて、ボードゲームをつくっているミヤザキさん。ボードゲームの企画・制作だけでなく、ワークショップや研修も行なっています。

noteでは、ボードゲームのつくり方や楽しみ方を共有し、自身の1週間を振り返る「週報」を更新。また、ボードゲームを一緒に楽しむ仲間が集うサークル「ボードゲームあそび部」も運営しています。

1本のnoteが仕事をつくり、起業を後押し

ミヤザキさんがボードゲームをつくり始めたのは2016年5月。たまたま参加したボードゲームをつくるワークショップがきっかけでした。そこで出会った仲間たちと集まってお互いがつくったボードゲームを試すように。その集いは同人サークル「東京ゲームメイカーズ」として今も続いています。

「大学時代からボードゲームが好きで遊ぶ側として楽しんでいましたが、自分がつくる側になるなんて。ましてや“デザイナー”と名乗るなんて思ってもみなかったです(笑)」

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その頃から、同人サークルの活動報告のような位置付けで、ボードゲームをつくる過程で得た気づきなどをnoteに書き始めたミヤザキさん。

趣味として仲間と楽しんでいたボードゲームづくりを仕事にしたきっかけは、1本のnoteにありました。

「ボードゲームをつくってみたいという人は身近にもいたけど、つくり方や仕組みがブラックボックスになっているなあと思っていて。僕も当初はよくわからなくて、つくって販売するまでに1年以上かかりました。つくりたい人の参考になったらと、その過程をnoteで全部解説したんです」

このnoteは反響を呼び、ミヤザキさんのもとには、ボードゲームをつくりたい人たちからの感想だけでなく、企業等からボードゲームを制作してほしいという仕事の依頼が舞い込みます。

「想像以上の反響があって、これは仕事になるんじゃないかと。ちょうどその頃、今一緒に会社をやっている東郷さん(現 株式会社バンソウ 代表取締役 東郷 源さん)から起業しないかと誘いを受けていたこともあり、ボードゲームづくりを仕事にしようと、当時勤めていた会社を辞めました。noteがあったから起業ができたんです」

ボードゲームはメディア。noteは優秀な営業

noteの反響をヒントに創業したバンソウでは、単に遊ぶ道具としてだけでなく、企業等の依頼を受けて、研修や広報を目的にしたボードゲームを制作しています。

「たとえば、全国の中高生の情報リテラシーを高めるための教育をボードゲームを通じてやりたいという依頼を受けてかたちにしました。伝えたいことがあるときに、講義形式で話をするよりも、ボードゲームで体験して学んでもらう方が定着率が高まる。僕らはボードゲームは何かを伝えるための手段、メディアの一つだと思っているんです」

そうした思想を伝えるためにも、ミヤザキさんは会社と個人のnoteでボードゲームの魅力を発信し続けています。

「『ボードゲーム 制作』とかで検索すると今でも僕のnoteが一番上にくるので、そこから依頼をもらうことも多いんです。会社のnoteに載せている問い合わせフォームからも連絡が来ますね。noteは弊社の優秀な営業です」

新作ボードゲームの販促にnoteを活用

ミヤザキさんはこの秋、バンソウから新作のボードゲーム『サバンナテリトリー』を発表しました。数学の「四色定理」に着想を得てつくり始めたというこのゲーム、イラストはnoteクリエイターのサタケシュンスケさんが手がけています。

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「noteのみんなのフォトギャラリーでよくサタケさんの絵を使わせてもらっていたんです。サタケさんの個展にも行かせてもらってご挨拶をして。モチーフが動物に決まったときに、サタケさんしかいないと社内でゴリ押しして、お願いさせてもらいました。noteつながりです」

着想を紙でかたちにして、実際に遊んでもらう「テストプレイ」を重ねて、改善を繰り返す。その過程でミヤザキさんが大事にしているのが、プレイヤーの垣根をなくすこと。

「ボードゲームで遊んだことある人と遊んだことがない人が一緒に楽しめるものをつくりたいと思っています。大人と子どもが本気で遊べるし、つくり手である僕も負ける可能性がある。ボードゲームは楽しい時間を共有するためにあると思うので。そのための改善の実装がすぐにできることにボードゲームづくりの醍醐味があります」

ミヤザキさんがルールと仕組みをつくり、サタケさんがイラストを描き、デザイナーがDTPを組んで、印刷所で刷り上げる。そうして完成した後、制作過程やルールを公開するなど、販促にもnoteを活用しています。

「情報公開日から発売日まで、週2回更新を目標に、サバンナテリトリーにまつわるnoteを書きました」

「ボードゲームは、ルールや仕組みを考える人、イラストを描く人、グラフィックをデザインする人、1人〜3人で制作できるので、自分がつくったという意識が強くなります。だからこそnoteやTwitterで発信していると、実際に遊んでくれる人とつながれる可能性も高い。Twitterで感想をつぶやいてくれる人には、できる限り反応するようにしています。遊んで楽しかったで終わらずに、わざわざ文字にしてツイートするのは大変なことだと思うので。感想をもらえるのは励みになるし、嬉しいですね」

歯磨きと同じようにnoteを更新し続ける

noteを通じて、仕事が生まれただけでなく、ボードゲームを一緒に遊ぶ仲間も増えたと言います。

「noteのサークルを中心に、もともとつながりがなかった人と一緒にボードゲームで遊べる機会が増えました。弊社には遊べるボードゲームがたくさんあるので。サークルの活動費でお菓子を買って都合がつく4~5人で集まって遊んでいます」

仕事でも、遊びでも、noteを活用して、ボードゲームを楽しむ機会を広げているミヤザキさん。これからやってみたいことは?

「仕事としては、ボードゲーム以外の業界ともっとコラボレーションをしていきたいですね。たとえば最近クラフトジンにハマっているので、そのつくり方が学べるボードゲームをつくってみたい。企業の広告をはじめ、何かを伝えるとき、ポスターや動画をつくるのと同じように、ボードゲームが一つの選択肢になったらいいなと思っています」

そんな未来に近づくためにも、仕事の実績とともに、noteの更新も習慣として重ねていきたいと話します。

「noteを書いてよかったことが色々あったので、習慣にしようと、1年前からその週にあったことを書く週報を更新しています。漫画『ドラゴン桜』に『歯を磨くように勉強しろ』というセリフがあるんですが、週報の更新も歯磨きをするのと同じ感じになっていますね。書かないと気持ちが悪い。これからも淡々と続けていきたいです」

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■クリエイターファイル
ミヤザキユウ/ボードゲームデザイナー

ボードゲームを作る仕事してます。株式会社バンソウ取締役 https://banso.tokyo/ 『DEATH NOTE人狼』やGoogleさんのボードゲームの制作。自社からは『トポロメモリー』『コトバグラム』『サバンナテリトリー』など。 お仕事のご相談は、仕事依頼ページへ。
note:@zkmymkz
Twitter:@zakimiyayu

text by 徳 瑠里香 photo by 小島瑳莉

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