出版社がnoteユーザーに求めるクリエイター像(2)【マガジンハウス編】
メディアプラットフォーム noteと、ダイヤモンド社、扶桑社、マガジンハウスの3社(50音順)が締結したパブリッシング・パートナーシップ。今回の施策にあたって、どのようなクリエイター、コンテンツを求めているのかを各出版社に聞く企画。第2回は大ヒット中の『漫画 君たちはどう生きるか』を企画したマガジンハウス取締役の鉄尾周一さんにお聞きしてきました。
マガジンハウスは基本的には実用系
加藤貞顕(以下、加藤) 今回の趣旨、ご賛同いただきありがとうございます。マガジンハウスといえば、『君たちはどう生きるか』が大ヒット中ですが、どのような意図でこの取り組みに加わっていただいたかお伺いできればと思います。
鉄尾周一(以下、鉄尾) やっぱり新しい、いいクリエイターを見つけたいという思いが強いですね。
加藤 今回の取り組みは、クリエイターが気持ちよくnoteで発表して、それが出版社で形になればクリエイターはうれしいし、出版社はいいクリエイターが見つかってうれしい、読者はネットでおもしろいのが見られる、と全員が得する枠組みかなと思っています。マガジンハウスで、こんな人に来て欲しいというのはありますか?
鉄尾 マガジンハウスで次に、おもしろいと思っているのは、マンガですね。
加藤 たしかに『君たちはどう生きるか』がかなり売れていますよね。もともとは、マガジンハウスというとファッションなどの印象が強いですが。
鉄尾 いままではほとんどマンガには縁がなかったけど、今回、マガジンハウスがマンガのベストセラーをつくったというのは、ひとつの転換期になるかもしれないと思っています。今回の取り組みで、いっしょに新しい枠組みをつくって、いままでと少し違うアプローチでマンガをつくれるようになることを期待しています。
加藤 ぜひぜひです。noteはマンガの投稿も多いので、相性はかなりいいと思います。
鉄尾 今回の『君たち』のように、マンガにはまだまだ可能性がたくさんあるんじゃないか思っています。
加藤 マンガのわかりやすくする力って、ものすごいですよね。マンガ以外でマガジンハウスとしてうれしいジャンルはありますか? たとえば料理とかはどうでしょう?
鉄尾 料理もいいですね。弊社の出版物は、おしゃれに見えることは多いんですが、そのベースは、料理だったりダイエットだったり、基本的には実用なんですよ。もっといえば、ファッションだってある意味は実用でもあるんだけど。
加藤 おおー。マガジンハウスは実用系出版社だったのか。なるほど。そういう意味で言うと、noteでもそうなんですが、役に立つコンテンツは売れやすいですよね。
鉄尾 そうなんですよ。だから実用書がいいんですね。
加藤 しかもマガジンハウスから出ているとおしゃれなイメージもあるし、うまくすると、いろんな雑誌とも連携できる。
↑note上の料理記事を紹介しています
漫画家募集コンテストを開催したい
鉄尾 ひとつ思っていたのは、御社にクリエイターの提案をしていただくのと併せて、noteでクリエイターの募集コンテストをできたらと思っています。『君たちはどう生きるか』のように、名作を原作にして誰かにマンガを描いてもらう。その漫画家を募集するようなことです。
加藤 いいですね! noteにはそういうデビューをしたいと思っている漫画家さんは多いと思うのでやりたいですね。
鉄尾 コンテストを開催したとして、どのくらい集まるものでしょう?
加藤 先日、TBSさんと一緒に報道マンガのコンテストをやりましたが、500件近くの応募がありました。原作の漫画家募集のような趣旨でやれば、たくさん応募があると思いますよ。
鉄尾 コンテストを行って、出版する、とかのゴールつくれれればいいなと。
加藤 すごくいいと思います。
鉄尾 既にある原作をマンガ化するのでも構わないし、おもしろい原作をつくれそうな作者と一緒につくるのでもいいかもしれない。
加藤 はい。いっしょに考えましょう!