見出し画像

考えを文章にし続けていたら、深く話せる友人ができた。cotree COO・ひらやまさん

noteで活躍するクリエイターを紹介する #noteクリエイターファイル 。今回は、オンラインカウンセリング・コーチング事業を行う株式会社cotreeのCOOひらやまさんにお話を聞きました。

働きすぎて心を見失った経験からメンタルヘルスケアの大切さに気づき、cotreeにて、一人でも多くの人の心を支えられるサービスづくりに関わるひらやまさん。

noteでは、人との関わり合いやコミュニケーションなどをテーマに、自分が大切にしていることや日常の中で考え抜いたことをつづっています。

また、サークル「#ひらやまラジオ 放送局」や、同じ場所に集まってnoteを書く「noteもくもく会」、いいねされたらnote読みます企画他のクリエイターとの対談など、独自の発想でさまざま企画を展開しています。

書くことを習慣にして、今の自分の気持ちを残しておきたい

ひらやまさんがnoteを始めたのは2019年2月。その3ヶ月前にはTwitterでの発信もスタートしています。それまでSNSを通して自分の考えを広く伝えることはなかったそう。

「自分の考えを文字にして発信することに慣れてきた頃、まとまった文章を書いてみたいと思うようになりました。今の自分の気持ちを残しておくことは今しかできない、書くことを習慣化することで、今の自分の気持ちと向き合いたい、と。あとは、note公式や深津さんのnoteを読んでその哲学や思想にも興味があったので、実際にnoteを体験してみたいという気持ちがありました」

「短い文章でもいいから継続すること」以外は、頻度や書き方、テーマなどルールは特に決めず、自分が日々考えていることを可視化するような感覚でnoteを更新。すると、2本目に書いたnoteに想像を超える反響があったと言います。

「『今日の注目記事』にピックアップされて、早々に自分が書いたものを多くの人に読んでもらう体験をして。自分が普段思っていることをそのまま書いたら、こんなにも広く伝わっていくんだと純粋に驚きました。実際に読んでくれた人の心持ちや行動が変わったかまではわからないけれど、“真似したい”といったコメントをもらえたのも嬉しかったです」

その後もnoteを書き続けるうちに、ひらやまさんのもとには読者からコメントが届くように。何本もまとめて読んだ人からTwitterのDMでメッセージが届くこともあるのだとか。

「自分が書き連ねたものを最初から順番に体験してくれて、まとまった感想をくれた方が何人かいます。毎回テーマは違うけれど大枠では人の気持ちや関係性について書いているので、1本1本のnoteの間も含めて読み解いてもらえている感じがして、印象的でした」

書くことから、コミュニケーションが生まれ関係性が育まれた

ひらやまさんのnoteの執筆は、日常の中で引っかかった言葉や心に浮かんだことをiPhoneにメモをすることから始まります。そのメモは、深く考えてみたい思考の種であり、noteに書いてみたいテーマでもあります。そしてその数は、現時点で330個も。

「書き切れないですよね(笑)。通勤時間やコーヒーブレイク、休日の時間を使って、そのメモをもとに思考を膨らませたり、文字を追記したりして、noteの叩き台をつくっています。そこから30分で一筆書きのようにあえて推敲をしないで出すものもあれば、1ヶ月かけて調べ物もして考える時間もたくさん取って書き上げるものもありますね。かける時間も書き方もバラバラですが、基本的には、自分の引っ掛かりに対して考えたことを自分の言葉で書けた、誰かに質問を受けたとしても自分なりに回答できる、という感覚を得たら公開しています」

ひらやまさんがそうして、考えて書くことを繰り返す日々の中に生まれたのは「コミュニケーション」と「関係性」でした。

「noteは、『僕はこういうことを考えたけどどう思う?』と特定の誰かに手紙を送るような感覚で書くこともあって。直接送りたくはないけど届いたらいいなあと。コミュニケーションツールの一つとして使っている節がありますね。

実際にオフラインでもオンラインでも、自分が書いたものを読んでくれた人とは、初対面であっても早い段階で一歩深い話ができる。もちろんnoteで自分のすべてを伝えられるとは思っていないけれど、自分の関心テーマを置いておくことは、同じように興味がある人としゃべるきっかけになって関係性がつくりやすい。

僕は思ったことをすぐ言葉にして誰かと共有するよりも、どちらかというと、ひとりで考えを巡らせて思考を深めていくことが得意な人間です。だから誰とでもしゃべれるわけではないんですが、それでも定期的に深く話せる友だちが10人くらいできました。出会いのきっかけをくれたのがnote。長い関係性の入り口になってくれているのがありがたいですね。一緒にいて楽しいと思える人が増えた。それだけでもう十分、人生の宝を得た感じです」

noteという街で遊び続ける

ひらやまさんはnoteを書くだけでなく、noteを通じたオリジナル企画も多数おこなっています。

「企画は、おもしろそうだなと思いついたら、友人に『どう思う?』と相談して、Twitterで募集をしてまずはやってみる。始めるときは、自分がやっていておもしろいことで、周りの人があまりやっていなくて、ニーズがあることを意識はしていますが、続くものもあれば、途中でやめるものもあります。今続いているのはラジオ配信ですかね。土曜の朝にcotreeのオフィスに10人くらいで集まってnoteを書く『noteもくもく会』も13回続いています」

2020年の年末年始に実施した、「Twitterでいいねしてくれたらnote読みます」企画には、500を超えるいいねが集まり、2日間で330人以上のnoteを読むことに。

「ひたすらnoteを読んでコメントを添えてツイートして、終えたときは、noteという街を端々まで歩いたなという感覚でした。大道芸人、プロボクサー、中高生など、普段出会えない人たちがnoteを書いていることを知って。毎週100本くらいnoteを読んでいた時期もあったんですが、自分のタイムラインや『今日の注目記事』の記事が中心だったので、そのときには見えなかった景色が見えました。未知との遭遇がおもしろかったですね。

あらためてnoteはさまざまなジャンルの人に活用されていて、多様な人を許容しているサービスなんだと実感しました」

ひらやまさん自身は、noteを読むときも書くときも、企画をするときも「遊んでいる」感覚だと言います。

「noteに対する僕のスタンスはずっと変わらず、いろんな実験をして遊んでいる。同じテーマでも書き方を変えたり、誰かと一緒に遊ぶ企画をしたり。noteという街で、遊び方を発見しては繰り返して楽しんでいる。その足跡がnoteに残っていく。noteがビジョンを体現しながら伸びていけば僕の遊び方も変わっていくかもしれない。これからもnoteで遊び続けていきたいです」

書くことは、考えること、生きること

ひらやまさんが遊ぶように書いてきたnoteは2年間で390本。昨年9月にふりかえりの記事を書いてからも、今も更新を続けています。

ひらやまさんにとって、書くこととは?

「限りなく『生きること』に近いかもしれないです。僕は自分の頭で考えて、価値観をアップデートしていくことが好き。かつ、文字にしないと考えられない。だから僕にとって書くことは、よりよく生きるために必要な行為なんですね。

前職時代に、仕事でエネルギーを使いすぎて心を見失ったことがあったんですが、その頃を思えば、noteが考えて書くことにシフトするきっかけをくれたおかげで、心のバランスが保てるようになりました。noteを書けば書くほど、自分の感情に対する解像度が上がる。自分の心が健康か不調かを受け止められる時間が増えたと感じます。

書いている時間は、今の自分を自覚しながら、これからの自分のあり方を決めているような。noteに書いていることは、100%誠実な今の自分かと問われたら、20%くらいはこうありたいという願いも入っています」

息をするように、noteで考えて書くことを続けているひらやまさん。未来への願いも込めながら、一つひとつ積み上げてきた過去のnoteに今の自分が励まされることもあるそう。

「たびたび自分で書いたnoteを読み返しています。文法的には書き直したいものもあるんですが、このときの自分はこんなことを考えていたんだなって振り返るのもおもしろい。何と出会うかより、出会ったときに自分がどう感じたかが大事だと思っていて。自分がどう捉えているか、その一瞬一瞬をnoteに保存するように、未来の自分がおもしろがれる文章を書き続けていきたいです」

書くことは、考えること、生きること──。ひらやまさんの思考、生き方の過程をぜひnoteでたどってみてください。

■クリエイターファイル
ひらやま|cotree

株式会社cotreeCOO・CN(note)O/人の心と物語を支えるサービス作りと持続的なプロダクトグロースをしたい/オンラインカウンセリング・コーチング事業/カフェラテがすきなアドレスホッパー/オールユアーズ公認共犯者/丸一年半でnote340本執筆なう
note:@kaz_hirayama
Twitter:@yhkzk

text by 徳 瑠里香


みんなにも読んでほしいですか?

オススメした記事はフォロワーのタイムラインに表示されます!