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子供たちの心の中に降りていった先に。
国語の授業で「ずうっとずっと、大好きだよ」という単元があった。
天邪鬼なわたしは、そういう感動系はあまり好きではなくて、それを6歳の子供に教材として読ませるのもちょっとね…ぐらいに思っていた。
しかし今回、授業を進めるにつれて子供たちの心が段階を経て開いていくのを目の当たりにした。
・エルフが変わっていく様子の箇所に、横線をつけましょう。
・主人公がエルフのことを大好きだとわかる箇所に線を引きましょう。
・何故主人公は、エルフが死んでも少しは気が楽だったのでしょう?
・隣の子から新しい子犬をもらわなかったのはどうしてなのでしょう?
・どうしてエルフの使っていたバスケットを隣の子にあげたのでしょう?あなたならあげますか?あげませんか?その理由は?
・なぜ、エルフは世界で一番すばらしい犬だったのでしょう?
・エルフに手紙を書きましょう。
全ての項目で、子供たちの答えを聞いて紙に考えていることを書かせる。ある時は一人で、またグループで。
子どもにとっては、自分の考えていることを言葉にすることは難しいから、先生やわたしが子供たちに話を聞いてまわり、助けていく。
すると、考えもつかなかった純粋な個々の気持ちを聞くことができる。
もちろん、大人が喜びそうなことを言う子もいるけど、思いもかけない子から大人が考えもつかないような気持ちを聞けることもある。じっと考えて心の中から浮かんできた言葉を、ポツリポツリと大人に話す。聞いているこちらが泣きそうになる。
生きることや死ぬことがまだ身近ではないこの子たちも、大事なものを失うことについてその子なりに真剣に考え、苦労しながら言葉を綴る練習をする。
わたしは、この授業をこの子たちと受けて本当によかった。
ふと、わたしは「いきものの係」だったことを思い出した、小学校の時。
誰がメンバーだったのかな。その時共に生きものの世話をしていた子たちと、一緒にこの授業を聞いてみたい、大人になった私たちは、この子たちの気持ちを聞いてそれぞれどう感じるんだろうと、そう思ったのだった。
「ずうっとずっと、大好きだよ」の全文
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