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中国古典から学ぶ現代野球

最近は中国古典をよく読む。
以前に読んだものもポイントだけを改めて読むとまたおもしろい。

たくさんある中国古典の中で小浜の好む本はこの3種類。

1.孫子(そんし)
2.論語(ろんご)
3.貞観政要(じょうがんせいよう)

この3種類の本はスポーツ界だけではなく、経営者や政界など他にも組織のリーダーには多く読まれていると思う。
本から学んだことを野球にどう活かしたいかを今回は書いてみる。

◆孫子

孫子の兵法と言えば野球界では名将野村監督が思い浮かぶ。
野村監督著作の弱者の兵法がある通りID野球の始まりはまさに孫子兵法から。

ポイントを絞って2項目を紹介。

まずは計篇にある
"兵とは詭道なり"

詭道(きどう)とは相手を欺くということ。
少し卑怯な感じがして格好悪いかもしれないが、弱いチームが格上に勝つためには必要になると思う。

状態の悪いところをよく見せ、反対に良いところは悪く見せる。要は相手に嘘の情報を見せかけるということ。そして相手の弱点を探し、そこに助長したり、つけ込んだり、または挑発して態勢をかき回す。

これを野球の攻撃においてはどんなことができるのか。
例えば相手キャッチャーの肩が弱いのであれば何をするべきか。
ピッチャーのフィルディングが鈍いのであれば何をするべきなのか。
エラーをして焦っている野手がいればどこにつけ込むべきか。
他にもいろいろ探すこと。

逆の場合
キャッチャーの肩が弱いのであれば練習で全力を見せない。
ピッチャーのフィルディングが鈍いのであれば最初から野手がカバーすることを常識にしておく。
エラーをしてもエラー上等ぐらいでいること。

相手に自軍の情報は与えず、相手の攻め所を掴むことが大事。

2つ目は謀攻篇にある
"彼れを知り己れを知らば、百戦して殆うからず"

これは有名な言葉で一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

戦う相手のことを知り、自分を知っていれば百戦しても危ないことにはならないということ。
100%勝つとは言わないけど、少なくとも大敗を喫する負けはないというのが孫子の考え。

これこそ野村監督のID野球はじまりと僭越ながらにそう思っている。
スコアラーに細かく相手バッテリーの配球や相手打者の得意、不得意などの情報収集からデータ化させたものが弱者であったヤクルトを優勝に導いた。

中学生の野球ではトーナメントであり、試合数や活動期間からこのデータ化することを取り入れるのは難しい。ただ考え方としては持っておくべきと個人的には思う。

情報をデータ化することによって具体的に見えて来る。
例えばこのバッターは変化球に強いとか、このピッチャーは真っ直ぐが中心とか、そんなことではない。
右の4番打者に対してカウント1-2に追い込んだ場合には85%以上フォークボールで空振りをとりにくるとかの具体的=信用度の高い情報が得られ、絞りやすくなる。

孫子兵法はビジネスにもたくさん参考にされているし、孫正義やビルゲイツなどの著名人も読んだとされる書物。
ランチェスター戦略もよく似ているので参考にしてもらえればと思う。

読みやすいですよ!

◆論語

孫子兵法が戦略とすれば論語は生き方だと思う。
論語は孔子が他界した後に弟子たちが孔子との会話や出来事を記した記録が元になっている。

最初の投稿に
"之れを知る者は之れを好む者に如かず
之れを好む者は之れを楽しむ者に如かず"

同じ内容の孔子の言葉を書かせてもらった。

この言葉をもっと具体的にすると、成熟するプロセスとして、知る→好む→楽しむの順序がある。
知る段階ではまだまだこれから。
好むまでくると思い入れが深くなる。
楽しむは融合し一体化する。

野球をこの感覚で向き合えたら、選手としてもチームとしても最高の境地いるのではないでしょうか。
また選手たちにはそうなってほしいと思っている。

孔子と弟子の情景が浮かびます!


◆貞観政要

貞観政要を一言にすると帝王学の最高傑作
これは唐王朝2代目皇帝の李世民の話。
貞観は今の日本で言うと令和、政要は政治の肝になることという意味。
この貞観政要のキーワードは諫める(いさめる)の1択でいい。

人は1番になるといつか緩んでくる。
そうならないように皇帝自ら自分を諫める役割の臣下を数人置いたというかなりのストイックさ。

例えば会社が創業5年目あたりから傾きだす原因には経営者が苦労を忘れて遊び始めた時、これは倒産の兆候と疑うべき。こうならないように抜擢された優秀な社員数名が『社長、調子に乗ってはいけません』と諫める。

ダメなことをしっかりと批判できるか否かで、太平の世を築けるかどうかに大きく左右されるということ。

この仕組みを大正ボーイズに取り込むと……
大人も子供も好きなことを言いたい放題になること山の如し。

お祭り状態。

カオス状態になるのでオススメはしないが、1つだけ大事なことがある。

李世民はどの皇帝よりも聞く力がなにより長けていたと思う。周囲からの意見を求め、自分の非を注意されても権力で処罰せずに受け入れて修正できることがこの時代にはすごいこと。

強くなるために大正ボーイズもこの聞く力を身につけたい。

経営者必読!

まとめると
孫子の兵法からは戦略を学び、
孔子の論語からは生き方を学んだ。
そして貞観政要では周囲からの意見や注意を素直に受け止めることの大切さが学べます。

そんなわけでいつものように乱筆乱文を最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

          感謝!

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