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不可思議な縁
「誰でもいいから俺の話を聞いてくれ」
9年ほど前、仕事に行けなくなり自己嫌悪にまみれ、生きるのが嫌になり、でも死ぬのも怖くて、誰かに話を聞いてもらいたくて「いのちの電話」に電話しました。何度かけても話し中で繋がりませんでした。
スポンサーは遠くの町で確実に仕事中でした。メンタルクリニックに何件か電話しましたが、予約して何日も待たなくてはいけませんでした。
こうなったらと適当にスマホでカウンセリングを検索しました。どうせ何日も待たせるだろうとは思いましたが電話しました。
「今日の夜ならいいですよ。」と、あっさり決まり「それまでなんとか生きてやる。」と時間を持ちました。
そのカウンセラーは浄土真宗の門徒で、ユング心理学を学んだ人でした。「あのユングかよ」って驚きました。部屋の本棚には心理学の本、キリスト教、仏教を始めとする宗教の分厚い本がたくさんありました。「仏教カウンセラーです。」と自己紹介してくれました。
プログラムをやっていなければ、怖くて帰っていたと思いますが、宗教に偏見はなくなっていたので、とにかく自分の話を聞いてもらいました。落ち着いてきて、なんとか生きていく気になりました。
それから8年近く毎月そこに通いました。
「今は悩みはありません。」と言うことは一回もなく、煩悩まみれの自分を晒してきました。
また、話を聞いてもらうだけだけでなく、たくさんのことを教えていただきました。ユング心理学、キリスト教、仏教、浄土真宗、老荘思想…。
(でも、その時の悩みを乗り越えただけで、あまり知識として残っていません…)
昨年そろそろ卒業しても良いかなぁと思い、通わなくなりました。
今、僕は誘ってくださる方がいてオンラインの読書会に少しずつ参加してします。
「歎異抄」は浄土真宗の本です。
昨日はメンバーの方から「無明」「輪廻」仏教における「悪人」など聞いたことはあるけれど、忘却の彼方にあった単語が出て来ました。
そして親鸞に思いを馳せました。
どんなに努力しても悟れない悪人の自覚。宿業。絶望感。胃が痛くなりました。でも、昨日の話を通して、自分に変化が訪れるだろうという予感がありました。ゆっくりとでしょうが。
一対一のあのカウンセリングに助けてもらいました。
複数人で行う読書会にも助けてもらえそうです。
「12ステップ」「ユング」「親鸞」と僕をつなぐ不可思議な縁を感じています。
今はそれにつかまっていこうと思います。