#41 みんなと同じを嫌がりながら、みんなと同じになっていく?
自分の中で微小妄想がはっきりあるとは言えないと述べたが、
それについて書きたい。
精神疾患というのは、非常に厄介だ。
「精神」を相手にしている以上、
どこまでが正常範囲内のものでどこからが異常、
すなわち病態なのかが見えにくい。
さっきの微小妄想だって、自分が犯罪を犯しているわけでも、生活保護を受けているわけではないことぐらい理解している。
しかも「お金がない」なんて、きっとほとんどの人が思うことだと思うし、
それでもなんだかんだやりくりできているのが普通だと思う。
僕がうつ病を疑われて休職になったのは、
仕事中に緊張してパッと重要な事が思い出せなくなった事がきっかけで、
それから数日して
なぜか涙が出てきてそれが止まらなくなってしまった。
この二つは切り離して考えればどこにでもあることのような気がする。
緊張しやすい人は何かしらのプレゼンで頭が真っ白になった経験は一度や二度はあるだろうし、
女の子の仕事話なんかでは「泣きながら仕事した」なんて苦労話はよく聞くことだ。
それでもみんなその辛い経験をしながら仕事していつの日かそれを
「あの日自分を成長させてくれた苦しかった経験」
として堂々と語る。
それと僕の休職になった体験とは何が違うのだろう。
あのまま
「いろいろ大変なことあるけど、
みんなやっていることだから挫けずに明日も頑張れよ」
と言われていたら僕はどうなっていたのだろう。
どうにかこうにか
自分を騙しながら働き続けてそれなりに上手くやれていたのだろうか。
それともどこかでプツンと糸が切れて
自殺していたのだろうか。
その二者択一の判断は非常に難しくて、
きっと誰にも、
自分にも判断できない。
自分の涙は嘘か真か
それすら僕には分からないのかも。