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私の宝物〜松本記念音楽迎賓館①

家から自転車で10分程のところに、その施設はあります。

以下の私のやたらダラダラ長い記事🙇‍♂️の後半で、タイトルと何の脈絡もなく😅、ヴァイオリニストの漆原啓子さんの演奏会が素晴らしかったことを書きました。
(「分けて書くべきだった」と猛省中です。
スキを押してくれた寛容な方々に感謝。)


その会場となった施設のことを、きちんとご紹介したいと、ずっと機を伺っていたのですが、ようやくその日がやって参りました。

長い間のクラシックのCD購入癖が高じて、家にレコード・プレイヤーもないのに、どうしても聴きたい稀少なLPを海外のネットオークション等でいくつか入手していました。

知り合いのツテで、持ち込んだレコードを大音量で聴かせてくれるライブハウスにも伺ったのですが、近所にそのような施設はないかと検索したら、なんと!
こんないいところがあるではありませんか。

しかし、平日働いているとなかなか予約できる日が取れず、二年余り前に体調を悪くして半年程休職した際に、初めてこちらに伺うことができました。

国分寺崖線と呼ばれる、眺望の素晴らしい崖の上に広がる高級住宅街にあるこちら、松本記念音楽迎賓館です。

なんとスピーカーだけで1,320万円、全部合計で2,000万円を超える超高級オーディオセットで、レコードはもちろん、CDやSACD、映像視聴もできるー!

しかも、お安いー!

そうそう、病気になった私を気遣ってくれた仲良しの友人にこちらの話をしたら、音楽好きのその友人、「行きたい!イイ音でCD聴きたい!」とすかさず反応してくれたので、一緒に聴いたこともあります。

ご興味のある方、利用方法、演奏会、ファンクラブ、アクセスなどの詳細は、こちらの公式サイトをご覧ください。


そこは、オーディオメーカーのパイオニアの創始者、松本さんご夫妻のお住まい(超豪邸)を、ご遺族のご意思で、音楽の普及に貢献するようにと、松本氏が創設された公益財団法人音楽鑑賞振興財団という、音楽愛好家としては頭が下がる思いの団体に寄贈され、こちらの団体が管理していらっしゃいます。

館内に飾られている、
エンジニアとして会社を起こされた
松本氏の作業場での写真
銅像にもなっています。


実質的に主に施設を管理運営されているのは、元館長で管理責任者であるYさん。

Yさんは人生の大先輩。

作曲家の池辺晋一郎さんと高校の同級生だそうです。

180cmはあろうかというその身長(実際は175cmとご指摘があり、訂正いたします)からその効果を感じますが、「身長が伸びると良いと思い」中・高校・大学・社会人時代はバスケットの選手としてご活躍。
その傍で、お若い頃から音楽愛好家だったのだそうです。

Yさんは、今も立ち姿はすらりと、綺麗な白髪で、矍鑠(“かくしゃく“ってこういう漢字だったんですね…)とされて、私から見てもカッコイイ紳士です。

パイオニアに入社されてからは、パイオニア合唱団で長く活動されたそうで、それもあって、日本のクラシックや合唱の世界でも顔がお広いです。

レコードやCDを携えて何度か施設を訪れているうちに、Yさんの「今日は何を持ってきたの?」というご質問から、クラシック談義が始まるようになりました。

しかし、Yさんは音楽を聴きに来た私の邪魔をしないようにと、早めに話を閉じて事務室に戻られます。

正直なところ、私は半分Yさんと話がしたくて通ったようなものでしたので、「次回は是非私とお話をする時間を作ってください」とお願いしたり。

そのおかげで、Yさんがお若い頃に、カラヤン+ベルリンフィルの「運命」「田園」の公演のチケットを入手する為に徹夜で並んだお話や、バーンスタイン+ニューヨークフィルのマーラー9番の公演に行ったお話を伺って、羨ましくて、とても興奮した覚えがあります。

そんなリアルで貴重なお話を直接聴けるなんて、有り難い限り。

そのYさんは、音楽鑑賞振興財団の主催公演の企画・運営をされていて、演奏希望の方のご相談に答えてお手伝いされています。

私も、Yさんの企画やご紹介の演奏会なら是非!と何回も伺っています。

次回ご紹介しますが、そこで初めて知って、すっかりファンになったチェリストもいます。

今日もその一環で行われた特別な演奏会でこの迎賓館のAホールに伺ってきたのですが、その話は長くなるので次の機会に。

他の演奏会のことも交えて、できるだけ早く記事にしたいと思います。

公式サイトに詳しいですが、そのAホールは、杉の木で音響設計され、小さなパイプオルガンが設置され、ベーゼンドルファーのピアノ、そしてあのブーニン所有の歴史あるブリュートナーのピアノ(ヘッダーの写真)がブーニンご本人の希望でここで管理され、その上チェンバロにチェレスタまで。

今日伺ったお話では、施設全体ではヤマハのグランドピアノやアップライトを含めて6台?程のピアノがあるそうです。

Yさんの承諾を得て今日撮影した写真を幾つか載せますね。

Aホールの客席とオルガン。
印象的なステンドグラス
暖炉や蓄音機、
奥にはチェンバロが設置されたラウンジ
プレイエルのチェンバロ
蓄音機 蓋を閉めると…
こちらです(季語なし)
外に出て、こちらは庭園に通じる門(字余り)
その門をくぐると見事な紅葉かな
(工夫ゼロ)
茶室のある別邸。右手は錦鯉のいる池
建物を背に西を望むと、富士山も見えそう。
庭園から見た建物

施設の紹介がメインになりましたが、この記事を「私の宝物」と題したのは、こんな素晴らしい施設を、今も「運営に携われるのは光栄なこと」と仰って、演奏会を企画したり、子供たちに施設を紹介するツアーでは嬉々として案内されたり、私のようなファンクラブの会員に、ウィットに富んだ写真付きメールで迎賓館の近況をお伝えいただいたり、ときには、「tyashiさんにお勧めしたい公演がある」と、別の会場主催の声楽の公演をご紹介いただいたりしてくれるYさん。

私にとっては、Yさんとの出会いそのものが宝物です。

音楽に身近に接することができるこのような施設が、自分の生活圏にあることの有り難さを思うにつけ、そして、Yさん無しではこの施設の存続はないであろうことも含めて、心からそう思うのです。

いつまでもYさんがずっとずっとお元気で、この松本音楽迎賓館が変わらず今のままでいてくれますように。

そんな思いも込めまして、今日の記事も、最近恒例のクリスマス装飾の写真で締めくくりたいと思います。

エントランスのロビーから、
ホールのある2階に繋がる階段とシャンデリア


次回は、こちらでの演奏会のことなどを。

それではまた。

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