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家に入れなくなった話

この年で警察にお世話になるとは…。


6月の休日はすべて外出していたので、久しぶりにお家でゆったりの休日。

その日は、遅めに起床してお部屋の掃除をしていました。

部屋がきれいになっていくのは気持ちがよい。


ウェットティッシュが余計に出てしまったのでドアノブをふきふき。

その流れで外に出て、外側のドアノブもふきふき…


「ウイーン、ガチャ」


はっ!!!ドアが閉まった……

自宅はスマートロックで、ボタンが触れるだけで閉まってしまうのです。

でもパスワードを入力すれば大丈夫!ポチポチポチ…


「ピピー」


とエラー音が。

忘れないように誕生日に設定していたはず。


あっ。


先日、不具合で修理してもらった際にパスワードリセットしたんだった。

(再設定してなかった)


オワタ。


締め出された。

初期パスワードっぽい番号をいくつか試したが開かない。


すっぴん、部屋着、ノーブラ。


暑さのせいなのか、焦りなのか汗が止まらない。

このままではいけない、誰かに助けを求めなければと思い、
外を出歩く格好ではなかったが駅前の交番へ向かいました。


経緯を説明し、管理会社へ問い合わせやカギのレスキューなど対応を相談。

すっぴん、部屋着、ノーブラがとにかく恥ずかしいし

費用が高額になるとか対応は長丁場になりそうと言われ不安で頭が痛くなってきました。


対応してもらっている間、交番には次から次へと人がやってきます。

正直、暇な時間の方が多いのだろうと思っていたので驚きでした。

(ごめんなさい)

申し訳なさと恥ずかしさが増す一方で、
警察官の方と話をしている間にだんだん冷静になってきました。


実家が帰れる距離なら今日は帰るのはどうかと提案された時でした。



私「実家にスペアキーがあります」

警察官「ご家族との関係は良好ですか?」

私「…はい」



良好ではあるけど親に迷惑をかけるのは嫌だったので、少し悩みましたが
高額の費用を払うより安く済むかもしれない。

そう思い実家に電話をかけてもらい、鍵を持ってきてもらうことにしました。

母はびっくりした声ぶりでしたが、
すぐに向かうと言ってくれました。


ありがたい(泣)


ひっきりなしに人が訪れる交番で待たせてもらえるはずはなく、

一文なしの私は警察官に借りた1000円で
母が来るまでの2時間を過ごすことに。


さて、どうしよう。


こんな格好で何処に入ればいいの。
だってノーブラなんだよ?



1000円でブラ買う?いや買えないだろ
何で私はブラつけてなかったんだろう
次こうなる前にお家ブラとやらを買おう
って、そういう事じゃないだろ!
と1人でノリツッコミ。


結局、ショッピンセンターのフードコートへ
日曜日ということもあり、めちゃくちゃ人多い。
恥ずかしい…


ノーブラが気になりすぎて前かがみでずっと座っていたら

惨めな気持ちが増してきた。

Tシャツは毛玉だらけし、今朝食べたヨーグルトがついてるし…。

30歳手前で何やらかしてんだ。



真面目だけが取り柄で毎日真っ当に生きてきたのに。

はめ外したことないし、お酒の失敗もないのに。

むしろ交番に財布届けたりしてた側だったのに。



はぁ。



耐えられず1時間で外に出る。

こんな格好じゃなかったら、ウィンドウショッピングや本屋で立ち読みとか有意義な1時間を過ごせるのに。


せめてブラさえしてれば…。


ショッピングセンターを後にして近所をお散歩。
熱中症対策として自販機でスポーツドリンクを購入。


「ちょっとそこまで」の感じで外に出た人を装ってみた。


これくらいの恰好でごみ捨てとかコンビニ行く人いるよね?

と自分に言い聞かせて…。



時々、公園の時計で時間を確認しながら
待ち合わせの交番へ

先に到着していた母の姿が見えた。


あぁ、やっと家に入れる。ありがとう、母。


警察官は循環中で不在だったので、母に連絡と待機をお願いして

私は母から鍵を受け取って家へ急ぐ。



やっと入れた!!!



当たり前だけど、

電気つけっぱなし、エアコンつけっぱなし、洗濯物も終わっていました。



でもそんなことはもうどうでもいい。

家に入れてよかった。



急いでブラをつけて着替えて再び交番へ。

借りた1000円を握りしめて。


交番に着くと担当してくださった警察官の方が戻っていました。

母と共にお礼を告げて、

もう二度とお世話にならないと心に誓ったのでした。


母は、一切怒ることもなく遠くから来たことに文句を言うこともなく

私の失態を笑い飛ばしてくれて、褒めてもくれました。


母「いい話のネタになるね~(笑)」

 「交番に助けを求めたのが偉かったね」

 「よく一時間もフードコートにいたね、偉いね」(褒めてる?)


やはり母は偉大でした。

警察官に関係が良好か聞かれたとき、はっとしたけど

良好でよかった。


これからも感謝の気持ちを忘れずに生きていきます。

そして危機管理能力を高く…。


#アラサー女子

#締め出し

#休日のすごし方

#日記










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