見出し画像

人材育成担当初心者へのアドバイス ~コーチングとインストラクショナルデザインの専門家による架空対談 その20~

これまでの質疑応答を聴いていた若い方が挙手します。
この春に人材育成の担当になったばかりで、何をどうすれば良いか分からないようですね。


若い人材育成担当者の質問:

「私は最近、人材育成担当に任命されたばかりで、まだ経験が浅いです。これから社員の育成を進めていく上で、何から始めれば良いのか、またどのように効果的な育成プログラムを設計・運用すれば良いのかが分かりません。具体的なステップや心構えについてアドバイスをいただけますか?」

鈴木貴史先生の回答(インストラクショナルデザインの視点から):

「まずは、今回の新しい役割に対する意欲を持たれていることに敬意を表します。人材育成は非常に重要な業務であり、ここからの経験があなたのキャリアにとっても大きな意味を持つと思います。

インストラクショナルデザイン(ID)の視点から、次のステップを提案します。

  1. 現状分析から始める: まず、現場や社員のニーズを把握することが大切です。現在の育成プログラムの状況や社員が直面している課題を理解するために、上司や現場のリーダー、そして社員自身と話をしてみてください。これが、どのようなスキルや知識が必要とされているかを明確にする第一歩です。

  2. 小さなプログラムからスタート: 最初は、あまり大規模なプログラムを設計するのではなく、小さなプロジェクトや特定のスキルに焦点を当てた育成プログラムを設計してみてください。例えば、オンボーディングプログラムや特定の業務スキルに関する研修を行うなど、焦点を絞ることで効果を測定しやすくなります。

  3. フィードバックを取り入れる: プログラムを運用した後は、必ずフィードバックを集めることが重要です。社員からのフィードバックをもとに、何がうまくいっているのか、どこを改善すべきかを見極め、次のプログラム設計に活かしてください。これにより、プログラムの質を向上させていくことができます。」

佐藤和也先生の回答(コーチングの視点から):

「新たな役割にチャレンジされていること、とても素晴らしいですね。コーチングの観点から、いくつかのアドバイスをさせていただきます。

  1. 自己研鑽と学び: まず、自分自身も成長し続けるために、コーチングに関する基本的なスキルや知識を学ぶことをお勧めします。コーチングは人材育成の中で非常に効果的なツールとなりますので、まずは自分自身がコーチングの基礎を理解し、実践することで、社員のサポートに役立てることができます。

  2. メンターを見つける: 社内外で、経験豊富な人材育成の担当者やコーチングの専門家をメンターとして見つけると良いでしょう。彼らからアドバイスを受けながら、自分のプログラムやアプローチを改善していくことができます。

  3. コミュニケーションを重視する: 育成プログラムを設計する際、社員一人ひとりの目標やニーズに耳を傾けることが非常に重要です。コミュニケーションを通じて、社員がどのように成長したいのかを理解し、それに基づいてサポートしていくことで、より効果的な育成が可能になります。」

高橋純一さんの総括と補足:

「お二人のアドバイスを総合して、次のポイントをお伝えしたいと思います。

  1. 焦らず、小さく始める: 最初は、完璧を求めず、現場の声を聞きながら小さく始めることが大切です。小さな成功を積み重ねることで、自信を持って次のステップに進むことができます。

  2. リソースをうまく活用する: 新しい役割で全てを一から学び、実行するのは大変です。社内外のリソースやメンターを積極的に活用し、学びながら進めていってください。

  3. 学び続けることを忘れない: 人材育成は常に進化しています。自分自身も学び続け、最新のアプローチや方法論を取り入れながら、育成プログラムを改善していくことが重要です。

このように、小さな成功を積み重ね、フィードバックを得ながら育成プログラムを改善し続けることで、あなたの役割を果たしていけると思います。頑張ってください!」

このやり取りでは、若い人材育成担当者が初めての役割に対してどのように取り組むべきかについて、鈴木先生はIDの視点から、佐藤先生はコーチングの視点から、それぞれ具体的なステップを提案しました。高橋さんは、これらのアドバイスを総括し、焦らず小さく始めること、リソースを活用すること、そして学び続けることの重要性を強調しました。

若い人材育成担当者の反応:

「鈴木先生、佐藤先生、高橋先生、それぞれの具体的で実践的なアドバイス、本当にありがとうございます。初めての人材育成担当ということで、どう進めれば良いか正直なところ不安がありましたが、今回のお話を聞いて少し安心しました。

鈴木先生がおっしゃったように、まずは現場の声を聞いて、ニーズを把握するところから始めるべきだという点は、とても納得できました。大規模なプログラムを一気に導入するのではなく、小さなプロジェクトから始めて、成功体験を積み重ねるというアプローチも、自分に合っていると感じました。

また、佐藤先生のコーチングに関するアドバイスも非常に参考になりました。自分自身も学び続けることの大切さや、メンターを見つけてサポートを受けながら進めることの重要性に気づかされました。特に、社員とのコミュニケーションを大切にし、彼らの目標やニーズを理解してサポートするという考え方は、今後の育成活動において意識していきたいと思います。

高橋先生の総括にもありましたが、焦らずに小さく始めること、自分のリソースをうまく活用すること、そして常に学び続けることが重要だと改めて感じました。これから、自分ができることから一歩ずつ進めていこうという自信が少しつきました。

皆さんのお話を基に、まずは小さな成功体験を積み重ね、フィードバックを得ながらプログラムを改善していきたいと思います。ありがとうございました。」

この想定では、若い人材育成担当者は、三人の専門家からのアドバイスを非常に前向きに受け取り、安心感と自信を得たことがうかがえます。現場のニーズを把握し、小さく始めることの重要性に納得し、コーチングやメンターの活用を通じて、自分自身の成長と社員の成長をサポートしていく決意を固めたようです。質問者は、これからの役割に対して前向きに取り組む意欲を示しています。

【登場人物や対談内容については、すべてフィクションです】

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?