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小説の書き出しだけ!

食堂「蓮華」。今ここに顔を連ねる面々は常連の客ではない。営業時間も過ぎた夜更け。食堂蓮華は秩序を破壊するための作戦本部、HQとなる。


「今月の弾薬消費量は先月を大きく上回っている。消費電力量もそうだ。我々は常に火の車だということを忘れたのか。」
「支出を恐れていて体制が覆ると思っているのか?その消費の”お陰”で先月の怪物撃破数は4倍だ。」
「それでは活動が長く続けられないという話をしているのだ!現に…」


「まーたジイさんどもの退屈なオハナシか?」


紫紺のジャケットを翻し乱入する若者あり。


「マロウド様!困ります!議会は武装を解除してからでないと…規則ですから!」
「規則がなんだ。俺はそんなモンじゃ止められねえぜ!」
「…マロウドか。構わん。通してやれ。」


不満げに引き下がる警備役。


「ッたく。また辛気臭い話し合いなんてやってんのかよ!怪物が死んでみんな万々歳じゃねーか!誰のお陰で4倍になったと思ってるんだ?俺だぜ!」

「誰のせいで消費弾薬と電力が20倍になったと思っている?貴様にその銃を与えたのは間違いだったか?私生活でもバカスカと撃ちおって…。電力なぞどうだ。長風呂に次ぐ長風呂。うちがオール電化であることを忘れたのか?スリランカ全域の灯りが賄えるほどだぞ。」

「ンまあ…細けぇことはいいじゃねーか!それより、次のターゲットはもう決まったのか?早くこの寿命銃を使わせてくれよ!寿命を削りたくて仕方ねーんだ!」

「まあ待て。その話をするところだったのだ。私達もできるだけお前に死んでもらいたくはない。吟味に吟味を重ねてだな。ターゲットを慎重に選んでこそ…」

「どーでもいいぜ!決まったら教えろよ。俺がまた殺してやるからな?あんた達に拾ってもらった恩、育ててもらった恩を返してぇんだよ。」



風のように去るマロウド。然り。後先短い老人たちにはおいそれと扱えぬ寿命を削る武器を若者に託し戦いを促す。それがこの作戦本部の役割だ。

すべてはたぬきさんに支配されたこの国の歪みを正すため。人間による支配体制を取り戻すため。



新番組

拾われたぬきの同族殺し


第一話

許嫁はきつねさん!?政略結コン、もうどーなるの?



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