~ショウタロウのつぶやき6~
「何を言いたいのか分からない人」の頭の中はこうなっている
皆さんの周りに、要領を得ない話し方をするため、職場の人たちを苛立たせる人はいませんか?本人は必死にまくしたてているけれども感情的な上に、話が回りクドくて結局何を言いたいのか分からないし、トラブルも起こしがち。職場にこういう人がいる場合、どのように接したら事態が好転するのでしょうか。
今回は、MP人間科学研究所代表 榎本博明さんの教えです。ご参考にして頂けると幸いです。
ただ興奮しているだけ
要領を得ない話し方をするため、職場の人たちを苛立たせる人がいます。話が回りクドくて、結局何を言いたいのか分からない。そんな部下に振り回される事が多く、困っているという管理職がいるはずです。
「まあ、とにかく何を言いたいのか分からないんですよ。そんなだからトラブルも多くて、本人も困ってるんでしょうけど、毎回興奮した調子で何か言いにくるんです。こっちも仕事を中断して耳を傾けるんですけど、結局何を言いたいのかよく分からない」
上司:『興奮した調子という事は、何か困っている事があって相談に来るんでしょうか?』
榎本:『それで本人に再度説明を促したりはしているんですか?』
上司:「勿論です。話がよく分からないから、何が問題なのか?もう少し分かるように説明して欲しいと言うと、部下は、『だから、さっきから言ってるじゃないですか、本当に困ってるんです!』と感情的に熱弁するのですが、やっぱりよく分からない」
榎本:『感情が先走るばかりで、理屈が飛んじゃってる、って感じですかね』
頭のなかのモヤモヤを、質問する事で整理してあげる
正にそんな感じです。何か困ってる事がある事は分かるし、何とかして欲しいっていう気持ちは伝わってきます。でも、何をどうして欲しいのかが分からない。それでこっちが困惑していると、その表情を見て諦めるのか?
部下は、『あっ、いいです。現場の事はどうせ分かってもらえないって思ってたので』なんて捨てゼリフを口にして立ち去っていくんです。現場の事は分からないっていう事じゃなくて、あんたの言い方がまずいんだろう、って言いたくなっちゃいますよ」
『きっと頭の中が整理出来ていないんですね。こんなんじゃ困る、やってられない、といった感情面ばかりが意識の前面に出てい来て、何がどう問題なのかっていう理屈面が意識に上っていないんでしょう。本人もちゃんと意識化していないので、幾ら気持ちを訴えられても、何が問題なのか分からない、っていう事になってしまうんでしょうね』
そこで、話が要領を得ず、イライラする気持ちは分かるけれども、そこはグッとこらえて、混沌とした話の糸のもつれを解す様な対話を心がけるようにアドバイスしました。
その際、話の中に出てきた言葉を手がかりに質問しながら、話の流れを明確化していく必要があります。
例えば、人の名前や業務についての話が出たら、問題の真因について質問していく事です。
そして、○○さんに何か問題を感じているという事なら、「○○さんのどういうところが問題だと思うんですか?」「○○さんにどうしてもらったらいいと思いますか?」などと焦点を絞ってい来ます。△△業務に何か問題を感じているという事であれば、「△△業務のどんな点が問題だと思うんですか?」「△△業務をどのように改善したらいいと思いますか?」などと焦点を絞っていきます。
要は、本人が頭の中を整理するのを手助けする必要があるのです。よって、何が問題なのか?どうして欲しいのか?といった課題・問題が明確になってきます。本人は、感情的になっているので落ち着いた対話によって、自分が何に苛立っているのか?が分かってもらえます。受け手も、何が問題でどうして欲しいのか?が分かってきます。
言語化する能力に乏しい
例えば、ある同僚の態度に不満を持っているという事は伝わってくるんですけど、どんな態度が問題だと思うのかと尋ねても、曖昧な態度と言動で具体的な説明になりません。
本人も言語化が苦手、自分が思っている事を言葉で説明するのがどうも苦手である事に気付いてません。
また別の事例で、本人がやっている作業に、入力ミスが多いので、『定型文のコピペをして、日付や数字や先方の名前をその都度修正すれば、毎回すべて入力するよりミスが少なくなるのではとアドバイスしたんです。それに対して、『でも、かえって間違えそうで……』と言われてしまい、全て新たに入力する事で入力間違いが目立ってしまうので、コピペをしたくないとか、こだわりでもあるのか、尋ねても、『もう、いいですか』と言って立ち去ってしまうのです。
本人が、何か考えている事があっても、上手く言語化出来ない事で、トラブルが多いというのも、思っている事を周囲の人にうまく伝えられない事が関係している可能性があります。
自分の思いを言語化する、具体的な方法とは?
そこで、自分の思いを言語化する訓練として、具体的な方法をアドバイスする事にしました。
ただし、個別に言語化の訓練をすると、本人は自分が問題人物視されていると感じて被害感情を抱く可能性もあるので、当人に限らず言語化能力を磨く事はコミュニケーションの円滑化に役立つ研修の一環としてその部署のメンバー全員に行うのが良いのではないかといったアドバイスも付け加えました。
まず簡単に出来るのは、思う事を文章にする練習です。ここで問題となったような人物の場合、作文が苦手なのではないかと思われます。作文が得意な人物にしてみれば、ただ自分が思っている事をそのまま書けばいいのだから簡単なはずなのですが、言語化するのが苦手な人物にとっては、自分が思っている事を言語化するのは難しいモノなのです。
頭の中が言語的に整理されていないの為、思いが言葉で整理されずに、モヤモヤした状態で漂ってます。そこで、思っている事を言語化する訓練によって、頭の中を整理していくのです。
自分が思っている事が頭の中で言語化されれば、本人も自分の思っている事を明確に掴めるし、人に伝える事が出来るようになと、自分の思いを人に伝えられれば、気持ちがスッキリします。結果、コミュニケーションも円滑になり、ストレスも軽減され、モチベーションが高まるといった効果も見込めます。
頭の中のモヤモヤを、対話を通して明確に掴める様にしていく事は、カウンセリングの基本原理でもあります。それを応用して、いかなる場面でも、思っている事を引き出すような対話の場を設けるのも有効でしょう。
自分の思いを人に伝える為には、思いを言葉にしなければなりません。言語化が苦手な人物は、普段から思いを口にし合う様な、人間関係を構築出来ていないが多いです。なので訓練の場を与える事で、自分の思っている事を言語化する習慣が身につき、コミュニケーションも円滑になっていく事が期待出来ます。
前回に引き続き、ショウタロウ自身も会社に入社し自分の考え・感じた事を上手く言語化力が欠けていて、やはり、赴任した当初は、周りから『で、結局、何が言いたいの?』と言われる始末でした。まずは、結論・一番伝えたい事を明確に伝え、そうなったプロセスをポイントのみ話す様に努力しました。でも、今、こうして記事を投稿してみて内心は、読んでいる皆さんから『で、結局、何が言いたいの?』と感じさせていないか?常に考えます。
もし?是までの投稿の内容で「こいつは結局何がいいたいのか?」と感じた方、思った方がおられましたら遠慮なくフォローされる際に「改善点」を挙げてくださいませ。 「W」より