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パチスロの波を理論で読む: Zone Count(その1)

注記: Zoneは単に「区間」という意味です。AT機などで言う、当たりやすい区間という意味のゾーンとは違います。


変更履歴
(2024/5/7) 「検算」の項目を追加しました。
(2024/6/10)「次回の記事」の項目を追加しました。

概要

Zone Countとは

Zone Count(ゾーンカウント)とは、ノーマルタイプのパチスロの波を予想したり、設定を推測したりすることができる、一つの方法です。

成果として確度の高い押し引きの判断ができるようになります。

対象機種

ジャグラーやハナハナなどのノーマルタイプを対象とします。
※ 完全確率抽選であることを前提としています。

対象とする「波」

Zone Countはボーナス10回程度の間の小さな波を予想するものです。いわば「小波」です。

小波は自然に発生する当選間隔の粗密です。これを打ち手は波と感じます。本質は確率ですから理論に乗せられるわけです。

※ パチンコでは数日に渡る大きな波を読む考え方があるようですが、Zone Countが対象とする波はそれとは異なります。

要約

ノーマルタイプのパチスロは常に一定の確率でボーナスの抽選を行っています。(と、筆者は信じています。)しかし、いわゆる「連チャン」や「ハマリ」といった「波」を生じます。

かつて筆者は波を漠然としかとらえていませんでした。そこで、波を数値で表現する方法を考え、Zone Countと名付けました。

具体的には、当選確率がそれぞれ25%になる4つの区間(Zone1~4)にゲーム数を分割します。また、当選確率が10%になる、遅いゲーム数の5つ目の区間(Zone5)も定義します。

Zone1またはZone2で当選する確率は50%ですから、2回の1度の頻度で発生する早い当たりになります。これを「連チャン」と定義します。

Zone5で当選する確率は10%ですから、10回に1度の頻度で発生する遅い当たりになります。これを「ハマリ」と定義します。

ボーナス確率(メーカー公表値)が分かっていれば、各Zoneが何ゲームから何ゲームの間になるかは理論的に計算することができます。

そして、ボーナスに当選する度にカチカチ君などを使って、どのZoneで当選したかをカウントしていきます。

カウント数は、おおむね、理論値から離れては近づくということを繰り返します。この性質を利用して、近い将来にどのZoneで何回くらい当選するかを予想します。これが波を読むことになります。また、設定推測にも役立てることができます。

筆者自身、Zone Countを実践しており、「これは使える」と実感しています。

この記事では、Zone Countの説明、やり方、解釈の仕方、実践例を紹介したいと思います。



Zoneの定義とZone Countのやり方

概要

Zone Countのやり方は簡単です。ボーナスに当選したゲーム数を5つの区間(Zoneと呼びます)に分類して、カチカチ君などを使ってカウントしていくのです。

※ ボーナスはBIGとREGの両方とします。

※ 当選したゲーム数とは、前回のボーナス終了から次のボーナス当選までのゲーム数のことです。朝一の場合は、初回の当選までのゲーム数です。

5つのZoneの定義

Zoneを次のように定義します。

5つのZoneの定義

どういうことかと言うと、ボーナスに当選する確率がそれぞれ25%となる4つの区間にゲーム数を分割するのです。さらに、当選確率が10%となる遅いゲーム数の5つ目の区間も定義します。

これら5つの区間を、順にZone1, Zone2, Zone3, Zone4, Zone5と名付けます。

ここで重要なのは、各Zoneが何ゲームから何ゲームまでの区間になるかは、ボーナス確率によって変わり、ボーナス確率(メーカー公表値)が分かっていれば理論的に計算することができる、ということです。

※ 計算方法を別紙で無料公開します。この記事の最後にリンクをはっています。

なお、 Zone1~Zone4の長さは同じではありません
Zone1が最も短く、Zone2, Zone3, Zone4と順に長くなります。
Zone4とZone5の長さは無限です。

5つのZoneの具体例

具体例を使って5つのZoneを説明しましょう。

例えば、ある機種のある設定のボーナス確率(BIGとREGの合成確率)が、1/140と公表されているとします。

各Zoneのゲーム数は理論的に計算することができ、次のようになります。

Zone1:  1~40
Zone2:  41~97
Zone3:  98~193
Zone4:  194 以上
Zone5:  322 以上

実際の機種については、機種別の設定1~6のZoneを表にまとめた「Zone表」を別紙にて公開します(無料 or 有料)。この記事の最後にリンクをはっています。

検算

念のためですが、考え方や計算方法に間違いがないかを確認するために、自作のシミュレータを検算代わりに使いました。

当選確率1/140の場合について、1000万ゲームのシミュレーションを実施しました。

理論値とシミュレーション結果の比較

考え方と計算方法は正しいといえます。

※ 1日で打てるゲーム数は少ないので、これほど綺麗な結果は出ないのが普通です。カウント数がどの程度バラつくかは次回の記事で考察します。



「連チャン」と「ハマリ」の定義

ここで「連チャン」と「ハマリ」を筆者なりに次のように定義しておきます。

Zone1またはZone2での当選を「連チャン」と定義します。

この区間で当選する確率は25%+25%=50%ですから、2回に1回の頻度で起こる早い当たりということになります。上の例では97ゲームまでの当選が「連チャン」になります。

ホールのデータ表示器には、100ゲームまでの当たりが連チャンとして表示されます。しかし筆者の定義では機種ごと設定ごとに変わります

Zone5での当選を「ハマリ」と定義します。

この区間で当選する確率は10%ですから、10回に1回の頻度で起こる遅い当たりということになります。上の例では322ゲーム以上での当選が「ハマリ」になります。

Zone1~5には入れていませんが、
100回に1回の頻度で発生するハマリを「大ハマリ」と定義します。

上の例の当選確率で計算すると、643ゲーム以上での当選が「大ハマリ」になります。

大ハマリは意外とよく起こります。ボーナスが10回、20回・・と増えていくと、頻度は10回に1回、5回に1回・・となっていくからです。

※ Zone表には、他に200回~10000回に1回の頻度で起こるハマリも記載しています。また、BIGのみ、REGのみのZone表も載せています。
Zone Countはやらないという方にも興味を持って頂けるかなと思います。

実際の機種の例

実際の機種から、マイジャグラーVとキングハナハナ30について、計算で求めたZoneを下図に示します。
※ この2つの機種のZone表は無料公開していますので、ぜひご参照下さい。

マイジャグラーVのZone
Zone5はZone4の上に重ねて描いています。グラフの右端は無限と思ってください。
キングハナハナ30のZone
Zone5はZone4の上に重ねて描いています。グラフの右端は無限と思ってください。


カウントの方法

ここでは「カチカチ君」を使って、各Zoneでの当選回数をカウントする方法を紹介します。

カウントを始める前に、どの設定のZoneでカウントするかを決めます。決めた設定を「基準設定」と呼ぶことにします。

最低限この設定なら打ち続ける、という設定を基準設定にすることをお勧めします。(複数の基準設定でカウントすることはさらに望ましいです。)

※ 筆者は、強イベの日は設定6、普段は設定5を基準設定にしています。途中で基準設定を変えることもよくありますし、2つの基準設定でカウントすることもよくあります。

基準設定を決めたら、ボーナス に当選する度にZone表を参照しながらカチカチ君でカウントしていきます。

図を使って説明していきましょう。

カチカチ君を使ったカウント例

①ではZone1で当選した回数をカウントします。
②ではZone2で当選した回数をカウントします。
③ではZone3で当選した回数をカウントします。
④ではZone4で当選した回数をカウントします。
⑤ではZone5で当選した回数をカウントします。

Zone5で当選した場合は、④と⑤の両方にカウントすることになります。

例えば、当選確率が1/140であれば、100ゲーム目に当たった場合に、これはZone3になりますから、③にカウントします。

こうしてカウントを進めて行き、ボーナス当選が合計20回になった状況を考えてみましょう。

理想的には、①~④のそれぞれに当選回数の1/4、つまり、5回がカウントされている状態になります。

また、⑤には当選回数の1/10、つまり2回がカウントされている状態になります。

※ 理想的とは、基準設定と実機の設定が合致していて、かつ、理論値通りの結果になった場合のことです。もちろん、現実はこの通りになるとは限りません。


すでにボーナスが付いている台を打つ場合

すでにボーナスが付いている台を打つ場合は、その台を打ち始める前に、台の履歴をカチカチ君に入れます。

この時点で、この先の波がある程度予想できますし、設定推測もできますので、打たないという判断もできます。

データがWEB公開されているホールであれば、休憩場所などで入れてもよいでしょう。

※ 筆者は、ボーナス確率が良くて、なおかつ、基準設定を5 or 6としたときに「理論通りにハマった台」を選ぶようにしています。つまり、Zone5が少なすぎず、多すぎない台です。

よく見かけるのは、ハマリかけで捨てられている台です。履歴を見ると、理論的に妥当な回数のハマリで捨てられていることが少なくありません。

Zone Countのメリットは、「ハマリ」に対して正しい判断ができるという点にもあります。

Zone Countの結果の解釈

概要

Zone Countは一般的な設定推測と並行して進めていくことが大切です。

一般的な設定推測とは、皆さんがよくご存知の、設定差のある項目(合成確率や小役確率など)に着目して設定を推測する方法です。

各Zoneのカウント数には理論値との差が生じます。この差を二つの視点から解釈していきます。

一つ目の視点は、「差は近い将来に埋められるだろう」と予想することです。これが「波を読む」ことになります。

二つ目の視点は、「実機の設定が基準設定と違うかもしれない」と推測することです。つまりZone Countを使った設定推測です。一般的な設定推測と合わせて考察します。

砕いた説明

少し砕いて説明をしましょう。

Zone4またはZone5のカウント数が理論値より多くなったときには慎重な判断が必要です。この場合、二つの可能性があります。
1) 近い将来に早い当たりが来る。
2) 実機の設定が悪い。

どちらの可能性が高いかを考察するために、一般的な設定推測の結果を参考にします。
また、基準設定を下げればZone4とZone5のカウント数が減るかどうかを見るのも設定推測に有効です。

逆に、Zone5が理論値より少なくなった場合には、近い将来にハマリが来ると予想されます。
設定推測を参考にして、冷静に乗り切るか、勝ち逃げするかを判断します。

一方、カウント数が理論値から大きく離れない状態が長く持続することがあります。実機の設定と基準設定が合致していると考えてよいでしょう。
この場合、波の予想が驚くほどよく当たり続けます。ぜひ体験してもらいたいです。

このような波の予想を筆者は漠然とやっていました。しかしZone Countを始めてからは、数値で考えることができるようになりました。

Zone Countを使う最大のメリットは、近い将来にどのZoneで何回当たるかを数値で予想できることにあります。

また、打ち続けるか台を捨てるかの押し引きの判断に、明確な根拠を持つことができることにもあります。

解釈の具体例

具体的な状況と解釈の例を、いくつかあげてみましょう。

● Zone5が1個足りない。そろそろハマリが1回は来るだろう。理論的に避けられないハマリだから冷静に乗り切ろう。

● Zone5が2個多い。これはボーナス20回分だ。設定推測からは高設定とは確信できない。実機の設定が悪い可能性が高い。台を捨てよう。

● Zone5が理論値通りになった。これからボーナス10回くらいは安心して打てる。もし、すぐにハマったら、設定が悪いのかもしれない。

● Zone4に入った。Zone5は足りている。Zone5に入る前に当選するだろう。(Zone5に入る確率は10%しかないから。)

● Zone1とZone2の合計が5個少ない。設定推測は悪くない。そろそろ早い当たりが5回ほど来て差を埋めるだろう。

● すべてのZoneがほぼ理論値通りになった。基準設定と実機の設定は合致していそうだ。次はどのZoneで当選してもおかしくない。

などなど、です。他にも多々あるでしょう。もちろん、確率の世界ですから、この通りになるとは限りません。あくまで参考として下さい。

実践例

最後に、Zone Countを実践した例を示します。機種はキングハナハナ30で、総ボーナス回数は72回です。基準設定は設定5でカウントしています。

実践例 ※基準設定5

このデータの場合、実際の結果と理論値はよく一致しています。ただ、Zone1とZone2には理論値との差が見られます。この例ではZone1とZone2は単独で見るよりも合計で見た方が理論値に近くなっています。

この台の出玉グラフと各Zoneのカウント値の途中経過を下図に示します。
※ 出玉グラフは実際のデータを筆者がトレースしたものになります。

出玉グラフ

Zone1~4の途中経過


Zone5の途中経過


理論値は直線で描いていますが、カウントは整数なので階段状になります。

このデータの場合、
Zone1は前半で上振れし、後半で理論値に近づいています。
Zone2は前半では理論値に追随し、後半で上振れしています。
Zone2とZone3は理論値から離れては近づくを繰り返しています。

Zone5は理論値から離れては近づくを2回繰り返しています。ハマリがまとめて来るという苦しい場面を2度経験していますが、理論的に避けられないハマリなので乗り切っています。

同じデータを基準設定6でカウントすると下図のようになります。

基準設定6

Zone5が理論値よりかなり多くなったことが分かります。つまり、設定6にしてはハマリが多すぎるということです。実機はおそらく設定5だろう推測されます。

まとめ

ノーマルタイプのパチスロの波を予想する方法として、Zone Count(ゾーンカウント)を紹介しました。

「ハマリ」や「連チャン」を、漠然とした不安や期待ではなく、客観的に数値で考えることができるようになります。

数値で考えることによって、近い将来に来る波を予想したり、設定推測をしたりすることができます。

その結果、冷静に、かつ、確度の高い押し引きの判断をすることができるようになるでしょう。

次回の記事


 次回:Zone Count (その2): カウントのばらつき

次回の記事では、カウントと理論値の差について理論的に考察します。

具体的には、どの程度の確率でどの程度の大きさの差が発生するのかを計算します。これによって、Zone Countの有効性の程度が分かります。

また、「この程度のバラツキは発生し得る」ということを理解し受け入れることによって、いわゆる「ギャンブラーの誤謬」から逃れることができます。

ぜひ、次回の記事もご覧下さい。

別ファイル:Zoneの計算方法

Zoneのゲーム数を計算する方法を書いています。

Zoneの計算方法(無料)

別ファイル:Zone表一覧

機種ごとにZone表をpdfファイルにしています(無料 or 有料)。一覧からご希望の機種を選んで下さい。

機種ごと設定ごとの「連チャン」と「ハマリ」を定義していますので、Zone Countをやらないという方にも興味を持って頂けるかなと思います。

Zone表一覧


備考

この記事の内容は引用・転載自由です。その際は引用元・転載元の記載をお願いします。別紙の有料コンテンツについては引用・転載はご遠慮下さい。


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