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車道を走るベビーカー ハノイ,ベトナム

ベトナムといえばバイク。

通勤通学の時間にはたくさんの人がバイクにまたがる。

車道は二輪の塊で溢れ、歩行者が車道を横断することは厳しい。


春夏秋冬は関係ない、ベトナムの名物。

通勤時間



ベトナムに着いた初日に一生分のバイクを見たから、2日目にはその光景に慣れた。

2日目はバスに乗って、ハノイから車で3時間ほどかかるハロン湾に行くことにした。

朝8時出発のバスに乗り、ハノイの旧市街地を出発する。しかし、案の定バイクや車で道は混雑していて、バスは速歩きくらいのスピードだった。

ゆっくりと流れていく旧市街地の街並みからは、ハノイのカオスな雰囲気が感じられる。

昨日と同じように見られる異常な量のバイクが、この街の日常。





でもやっぱり異常と思える光景に出会した。

次々とバイクが行き交う交差点に1台のベビーカーを運転する母親。

ベビーカーを押す母親

横断歩道からは大きく外れ、交差点の中心へと繰り出す母親。その正面には、片方のハンドルに何かのバケツをぶら下げている、アンバランスなバイカー。

ベビーカーに乗っている子供は、排気ガスを吸わないようにかマスクをしている。

目の前までバイクが接近してきても微塵も動揺する素振りはなく、ベビーカーに深く腰掛けたまま、目は据わっている。




バスからこの景色を見たとき、一番に感じたのは母親の強さ。

ここはベトナムだから、周りの人にとっては日常的な朝の1コマだと思う。僕にとっても異常ではあるが、驚愕するほど不思議には感じなかった。

でも、強さを感じた。
強さを感じた理由はいくつかあると思う。


1つは、ベビーカーが走っている場所。

ベビーカーを押す母親がいるのは幼稚園でも公園でもなく、めっちゃ交差点。

ベビーカーを押す行為自体は微笑ましいことで、幸せな雰囲気が漂うことが多い。でも、景色が変わるだけ母親からは強さが醸し出される。

一見は強くなさそうなものでも、周りの状況次第で強く見えることがある。


もう1つは、見ている僕が日本人であるということ。

日本ではバイクが行き交う交差点を突っ切ってベビーカーを押す母親を見たことがない。ベビーカーを押すときは、歩道を慎重に大事に丁寧に進むのが僕のイメージ。

そんなイメージ持った日本人が見るからこそ、感じられた強さだと思う。



ベトナムの母が教えてくれた強いオーラの出し方。

自分自身が身を置く状況によって、受け手は強さを感じる。
見る側のバックグランド次第で、受け手は強さを感じる。

毎日バキバキに筋トレしてプロテインを飲んで圧倒的に強くなることは正攻法だと思うが、己を変えずに強くなれることがある。


ハロン湾

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