学生から社会人へ、そんな人生の転機にカメラを買った【Nikon Zf 半年レビュー】
Nikon Zfを購入してから半年が経ちました。
Z6のときは300いいねくらいでしたがZfは400超えましたね。これが注目度の高さか。
とりあえず結論から言っていいですか。
半年経ったけど今が一番好き。
買うまでの経緯
自分にとって初めてのカメラはNikon D5500でした。高校生のときに周りに感化され「なんか一芸を持った人になりて〜」と思い立ち、白羽の矢が立ったのがカメラでした。
そこからはネットで情報を漁り、足繁くヨドバシカメラに通う日々。最終的に「オリンピックで使われてるメーカーだし」という漠然とした理由でCanon EOS 8000DとNikon D5500まで絞り、握ったときのグリップ感とガシャンと鳴るシャッター音に心を打たれたこと、電源スイッチが右側にあって操作しやすそうというのが決め手になりD5500を選びました。
D5500は人生のターニングポイントと言える存在で、完璧なカメラだったかというと決してそうではありませんでしたが、そこからの縁でずっとニコンのカメラを使ってきました。
Zfはその流れの4台目にあたるカメラですが、D5500に次いで人生に良い影響を与えた存在かもしれません(簡単にD5500を超えられても困るが)。
それをなるべく早くいろんな人に知ってもらいたくて、買ってから1年経つ前に記事を書いてみることにしました。3月末から始まった新生活もちょうど落ち着いてきたタイミングですしね。
なぜミラーレスもニコンなのか
D5500から軽さや便利さを求めてミラーレスに変えるにあたり他社含めて色々検討したのですが、結局買ったのはNikon Z50、そしてZ6。自分の立場的に「なんでニコンなの」とか「ニコンの強みは何なの」はよく聞かれますが、そこらへんは過去にZ6記事を書いています。
リンクを貼りつつもどうせ誰も読んでくれないのでざっくりまとめてしまうと、総合力が高い、イライラしない、気持ちいい、写真を撮る人のことをわかってるって感じでしょうか。
総合力が高いというと漠然としているので、自分が思いつく現時点でのニコンZシリーズの気に入っているところを列挙してみます。
電源スイッチとシャッターボタンが一体化
EVFと背面液晶が全メーカーで最も優れている
握ったときの確かなグリップと剛性感
ボタンの形状や角度、押し心地が微妙に違う(手探りでわかる)
高水準の防塵防滴性能
半押しで露出が一瞬変わったり画面が揺れたりしない
AFがMFのようにスッと合う
写真と動画の切り替えがレバーひとつで簡単
手応えを感じるシャッターフィーリング
アクティブD-ライティング(階調補正)の性能
Bluetoothバックグラウンドでスマホ転送
Zレンズ。特にZ24−120mm、Z50mm f/1.8Sの存在
これだけ気に入っているところを挙げてみましたが、そういう一つ一つの積み重ねがあるからこそ気持ちよく使えるし自分の趣味に合うんですよね。もうここまでくると理屈じゃなくて感性の話になりそう。
成績はまんべんなく良いけどなんか地味で、無骨でちょっと不器用そうなところがオタクにとって愛せるポイントなのです。
まぁZ6も例に漏れず完璧なカメラではなく改善してほしいところが山積だったわけですが。Z6Ⅲの内容次第ではすぐに買い替えようと思ってましたね。
満を持してZf発表
2023年夏、あの頃はそろそろZ6Ⅲが出るのではとみんな思ってました。
実際に出てきたのはまさかのZfcのフルサイズ版、Zfでした。
正直自分が学生のうちは出ないだろうと思っていましたね。少なくともメインストリームのZ6Ⅲよりは後だろうと。
発表されたZfは、Zfc同様にFM2からインスパイアされたアイコニックなデザイン、フルサイズセンサーと最新の画像処理エンジンEXPEED 7を搭載、さらに真鍮製ダイヤルのようなこだわりやモノクロ専用レバーのような遊び心も忘れないまさに唯一無二の存在。
公式が言うように機能的価値と情緒的価値の両立に非常にこだわった稀有なカメラだというのは見てすぐにわかりました。
一番驚いたのは値段ですね。30万は余裕で超えてくると思っていましたが実売価格は27万円前後と他社の同価格帯と比べるとかなりお買い得。これは初任給つぎ込めばいけるのでは!と嬉しくなりましたね。(同時にZ6Ⅲはもっとスペック全振りになるんだろうなぁと予想できましたが)
発表されたその日がちょうど暇だったのでさっそくニコンプラザ大阪へ…
重いなぁとは感じつつ、スペックやレスポンスなどの使い勝手はZ6比で大幅に底上げされ、さらにストレスフリーに磨きがかかった印象。MF被写体検出やフォーカスポイントVRのような便利な新機能も載せて何よりこのデザイン。もうね、無敵かと。
我慢できなくなった
先に言ったとおりZfはZ6のnoteで挙げた不満をほぼほぼ解消していました。具体的にはこんな感じ。
新画像処理エンジンとそのUI継承 → ◯
3軸チルト → △
(バリアングル化で縦ローアンは◎)800万画素自動転送 → ◯
小指余り改善 → 無
(どうせLプレートをつける)3DトラッキングAF → ◯
Fnボタンでクロップ → ◯
センサーシールド → ×
デザイン→ ◎
背面ダイヤル → ×
半押し拡大解除 → (◯)
(Zfも今後アプデで対応するはず)
何より一番大きかったのは専用アプリSnapBridgeを使ったBluetoothバックグラウンドによる自動転送の対応画素数が旧来の200万画素から800万画素まで増えたことです。
バックグラウンドでの自動転送は他社でもなかなか見られない超便利機能で、シャッターを押して数十秒でスマホに写真が入っている体験が革命的で素晴らしかったのですが、今までは200万画素しかなかったのが欠点でした。それがZ9で800万画素、つまり4K表示できる大きさにまで対応したことでスマホなら十分な画素数になり実用性が跳ね上がったのです。それがZfにも載るなんてニコン優しすぎる…。
自分が考えるデジタルカメラの理想の姿はカメラがスマホのようなデバイスと完全に連携している状態なのですが、言うなればそれに一歩近づいたということ。まさに未来。撮影体験が劇的に変わるだろうとワクワクしました。カメラとスマホ、もっと仲良くなってほしい。
(最近だとPanasonicのLUMIX Laboが違うベクトルで面白そう。SonyのCreators' Appもがんばってる)
Zfを見る限りZ6Ⅲが出ても自分にはオーバースペックだろうし、Z6Ⅲを買ったとしてもデザイン的にもどうせほしくなるんだよなぁという気持ちが強くなる日々。大学院の最後の学期に入り聞こえてくる修論の足音。
もうね、あの頃は狂ってましたね。ほしくて。
(まぁFUPCのイベントでZfを2週間貸してもらえるってわかってた上でさらに買う気満々だったので正気です。いややっぱりおかしい…)
ここまで理屈でほしい理由を並べましたが、これは半分本音で半年建前です。もう半分は人生の節目にテンションが上がる買い物がしたかっただけなんですよ。もうすぐ修論を書き切り大学院を卒業し、はじめての一人暮らしをスタートさせ学生から社会人になるこの瞬間を忘れないために何か思い出に残る買い物がしたかったんです。できればニコンのカメラで。
だから今が一番良い買い時だと思ったんです。
一人暮らしのときより実家暮らしのときの方が散財できるという言い訳も思いつき、当時品薄だったのでとりあえず注文だけしようと思っていた矢先にたまたま在庫が見つかり、しかも現金払いなら少し値引きしてもらえるということで通帳を見たらギリギリ足りることがわかり…
ひょっとして、これが運命…?
で、買った。
気づいたら現金一括で買ってました。
うっひょーーーかっこいいーーーー!!!!!!
Zfcはカメラにあまり詳しくない人でもとりあえず手に取ってしまうような見事なデザインでしたが、 Zfはペンタ部が大きくなり全体的に筋肉質になったことでさらにバランスが良くなった印象です。かなり重くなりましたがその分持ったときの安心感というか「カメラ感」がすごく上がった気がします。カジュアルに撮ろうというよりは気合を入れて撮る気にさせてくれます。
デザインに関しては伝説のNikon F3に脳を焼かれた世代の人にはへんてこに見えるかもしれませんが、当の自分には関係ない話。自分若いので。
クラシックなフィルムカメラのデザインを取り入れながらフルサイズセンサーを搭載しているのは現時点ではZfしかありません。これだけでも偉大なことで歴史的に見ても価値ある存在です。
まぁF3ライクなデザインも見てみたかったですが、あくまでZfはスペック的にはミドルクラス。ミドルクラスのスペックにはFM2のデザインが相応しいということで納得しています。ニコンだってF3のデザインを使うなら中途半端なスペックで出したくないはず。でもやっぱり赤いラインはほしかったかもしれないですね。ジウジアーロは偉大だった。
真鍮製ダイヤル
Zfcがアルミ製のダイヤルだったのに対して、Zfでは真鍮削り出しのダイヤルが採用されています。一回触り比べてほしい。
アルミ製ダイヤルはカチャカチャ鳴るイメージなのですが、真鍮製ダイヤルはコトコト鳴るイメージです。全然違う。そこらへんの安いフィルムカメラより遥かにダイヤルの質が高いです。
まぁダイヤルは気合入ってますけどそこ以外はプラスチックが多くてなんかなあとは思いますが。軽さのためには仕方ない。
ソフトシャッターレリーズ
Zfのお楽しみ要素の一つがシャッターボタンに穴が切られておりレリーズボタンを付けられることです。自分好みにシャッターフィーリングを変えられるというのが自分には結構刺さったんですよね。
とりあえずAmazonで1000円ほどのものを付けていますが今のところ外れる心配はなさそうです。デザイン的にもさらにまとまりが出て、軽い力でシャッターが切れるので撮影体験もさらに良くなりました。あと銀のリングがチラ見えして指輪みたいで良い…!
カスタマイズできる要素が多いほど愛着がわくもの。これが新しい沼か…
将来的にはnanigashiの真鍮レリーズボタンも使ってみたい所存…
追加グリップと縦吊り
ZfにはF3そっくりの小さなグリップがありますが、Zfの大きさや重さのバランスを考えるとあってないようなものです。そこで公式お墨付きのSmallRig製Lプレートをつけてグリップを補強しています。ちょいダサとか言うな。
Lプレートをつけるメリットは底面の安っぽさをカバーできるところです。Zfの底面は軽量化のためにプラスチックなのですが、底面は撮影時によく触る部分なので結構気になってしまいます。あと傷だらけになりそうで怖い。この手のプレートは大概金属製なので高級感や安心感がさらに上がっておすすめです。
SmallRig製Lプレートのおかげで縦吊りができるようになったのですが、これがかなり良い!カメラを縦に吊るのが新鮮で面白いし、右肩にかけたときにグリップが上にくるので速写性も上がります。さらに片側にストラップが集まることで縦位置撮影のときグリップを下にして構えるとストラップが画面に垂れてくることがない!大発見!!
この構え方に変えて気づいたのが、グリップを下にしたほうが軽く感じるという不思議。さらにここで賛否両論のバリアングルモニターが活きてくるわけです。バリアングルならワンアクションで液晶が展開し縦位置ローアングルに移れます。気分はHasselblad。次の機種はバリチルトでお願いします。
モノクロレバー
Zfにはレバーの切り替えひとつでモノクロ専用機にできる機能があります。最初は使うんかこれと思いましたが、いざ触ってみるとかなり面白い。
物理的なスイッチを入れるとカラーから一瞬でモノクロに変わるというのが撮影体験として新鮮で驚きました。これはカメラにあまり詳しくない人に見せても「えっ!」ってリアクションが返ってくるんですよね。遊び心に溢れてる。
Zfに合わせて新開発された新しいモノクロモード「フラットモノクローム」と「ディープトーンモノクローム」も使ってみるとデフォルトのモノクロより使いやすいことに気づきます。デフォルトや「グラファイト」「カーボン」はコントラスト高めで森山大道風にしやすいのですが使い所がスナップか風景しかないのが微妙だと思っていました。この新しい2つはポートレートや物撮りで使いやすそう。
せっかくなので大学の後輩みわくんの力を借りよう。
許可取ってないけどYouTubeとnoteの宣伝するから…。
(これすごいのレンズのほうかも…)
みわくんの動画はラジオにぴったりですよ〜
今見ても狂気を感じるみわのfpレビューnote
その他いいところ
キリがないので他のグッドポイントは箇条書きで…
MFでも被写体、瞳検出
高効率RAWでデータ容量が半分以下に
各レスポンスが超速い
Z9と同じ丸窓ファインダー
背面のファインダーの出っ張り解消
ファインダーの表示倍率を下げられる
Fnボタンでクロップ
クロップすると警告が出る
オールドレンズでもExif記録
普通に良いAF
拡大表示してもカクつかない
USB充電しながらスマホ接続
M, Aモードの切り替えがしやすい
やっぱり安い。値付けおかしい
Z6比の話ですが痒いところに手が届いてますね。口うるさくクレーム言っといて良かった。
フォクトレンダーとの出会い
覚悟はしていたのですがやはりZfには合うレンズが少ないです。
ズームは最強のZ24-120mm、広角単焦点はZ26mmがあるからいいとして、問題は標準域の明るい単焦点レンズ。
最初は騙し騙しZ50/1.8Sを使っていましたが、Z6と比べて重心のバランスが悪く感じるせいか、単純にデザインのせいか、無慈悲な写りに飽きたのか、言ってしまうとあまりしっくりきませんでした。Z6とZ50/1.8Sはお互いがお互いのために生まれてきたレベルで完璧なマッチングだったんですけどね。
そこでZ50/1.8Sより小さくて軽いレンズを探したのですが、Z40mmは写りと質感が気にいらず、Z35/1.8Sは高い割に操作性が悪くてなんかときめかず、Z50MCは暗いし全群繰り出しで微妙、オールドレンズはアダプターが嫌と難航。
そこでたどり着いたのがCOSINAのVoigtlander NOKTON 40mm F1.2 Aspherical Zでした。Zf発表当初からずっと品薄になってましたね。
この小ささでF値が1.2、最新の光学性能も搭載、金属の質感も絞りリングやフォーカスリングの気持ちよさも完璧。最強かな。
何より特筆すべきは魔法の描写力を持ってるところ。
Zだと伝説の50mm f/1.2で感じたあの衝撃をこの小ささで??というか。
あまり写真に詳しくない会社の同期にも「なんか雰囲気あるね!」と言われる描写をします。ぱっと見でここまで言われることは中々ない。
このレンズでZfの評価がさらに上がったというか、買ったときより今の方が好きまでありますね。本当に買ってよかった。
旅行はこれとZ26mmかZ24-120mmの二本だけでいいですね。むしろこれ一本だけでもいいかも。旅行ならAFなくても困らないので。
逆光耐性やパープルフリンジ、AFがないところはやはり弱点なのでそこはZ50/1.8Sに任せることにします。腐らなくてよかった。
最近は二本目に超広角もありかな…なんて。シグマがiシリーズをZマウントで一向に出さないし、17mm f/4が出ないなら本気で検討しようかな。
もっと良い写真がたくさんあるのでそのうちnoteにでもまとめよう。
▲なところ
半年も使えばZfの良くないところも見えてきます。
スペックシートを見てるだけではわからないこともたくさんありますね。
一番予想外だったのは、静止画撮影モードのときライブビュー画面の解像度が下がってちょっとぼやけて見えるところ。これは全てのZfで常に発生する仕様のようです。ファインダーでも背面液晶でも同じです。
ことの発端は、Zfを使っていてファインダーを覗いたとき明らかにZ6よりチラついて見えると感じたことでした。実際の写真の解像度は問題なかったので最初はファインダーの不具合かと思いましたが、よく見ると背面液晶でも同じ現象が発生していました。そして動画撮影モードや再生画面に切り替えるとそれが直るという。
とりあえずネットで調べてみると、価格コムの掲示板でも同様の現象が指摘されていました。主にファインダーのジャギーが目立つ、滲んで見えるというものでしたが。
気になったのでニコンの修理センターに送って調べてもらったのですが、担当の方から電話で言われたのが「Zfは処理負荷を軽減させるために意図的にライブビューの解像度を下げている」とのことでした。おーん
ニコンの電子ファインダーは自然な見え方を追求した業界最高のファインダーですが、それが損なってしまうのは惜しいなぁというのが正直な感想です。まぁSNS上でもあまり話題になっていないし、致命的とも言えるほどではないのでそこまで神経質になることはないです。現に自分はもうあまり気にしなくなりましたし。
他のどうしようもないポイント
バッテリーが体感でZ6の7割ほどしかない
右手側のストラップが指に引っかかりやすい
→ピークデザインのアンカーリンクスで解決親指AFをしようとするとiメニューボタンに干渉しやすい
前ダイヤルが回しにくい。レンズに絞りリングほしい
Bluetoothがiメニューから呼び出せなくなった
改善案?
Mモードで露出補正ダイヤルがCのときシャッタースピードをダイヤルで設定すると、メインコマンドダイヤルがなんの機能もない死にダイヤルになります。ここがAモードと同じく簡易露出補正にできれば完璧。
バグ?
Zfの電源オン直後に拡大ボタンを押すと効かないときがあります。ランダムに発生して再現性がないので報告のしようがない…。
総括
文句をたらたら書いてしまいましたがまぁそんなのは些細な話。
夢ですよ、夢。
昔ながらのフィルムカメラの見た目に今持てる限りの最新の性能がギチギチに詰まってるなんて、まさにオタクが夢見たカメラじゃないですか。
それが昔本当にフィルムカメラを作っていたメーカーから35mmフィルムと同じ大きさのフルサイズセンサーを積んで出ているという事実!
哲学も歴史もデザインも性能も全てを持っている、そんなカメラ他にあったら教えてほしい。それくらい歴史的に見ても価値ある存在と言えます。
フルサイズセンサーでデザインもスペックも撮影体験も底上げされ、こだわりや遊び心も忘れず、妥協はあるけど致命的ではないしそれを感じさせない良いカメラ。カメラは1台しか持ちませんという人には文句なしの機種だと思います。
嗜好品は自分を強くする
これだけ褒めちぎったZfですが、やはり大きくて重いです。外付けグリップ付けたらあのZ8とそんなに変わらないですし。久しぶりにZ6触ったら魔法みたいに軽くてびっくりする。
よく「カメラは常に持ち歩かなきゃ何も撮れない!小さいのがいい!撮影機会創出!」という人がいます。たしかにそれはそうです。
僕は別にそうは思わないんですよね。写真は自分の人生のライフワークですが毎日写真を撮りたいわけじゃないです。毎日はさすがに疲れるし。だから持っていきたいときに持っていけばいいと思っています。
今日はずっと行きたかったところに行くから、今日は大切な人に会うから、今日はちょっと特別な日だから、そんな理由でカメラを持っていきます。
だから持っていくカメラは自分にとって特別なものであってほしいです。持つだけでテンションが上がる、気持ちが引き締まるもの。持っているだけでその日がハレの日になるような存在。それが自分にとってはカメラだったわけで。
なので多少大きくても重くてもいいんです。むしろその方が良い。
軽すぎるとなんか気合が入らないから。
人によってはそういう存在って服だったり靴だったり、アクセサリーやかばんなんかもあり、最近だとぬいぐるみなど色々あると思います。
そういうものって自分を強くしてくれるんですよね。
自分を最強だと思わせること、嗜好品とはそういうものです。
Zfはまさにそういう存在で、価格もスペックもほんとにちょうどいい。
いいカメラつくるな、ニコン。
Z6のレビューで「多少大きくても持って行こうと思わせてくれるのが本当に良いカメラなんだということです」なんて書きましたが、それがぶれることはなかったですね。それだけZfも優れているということ。
あとは何回でも擦りますが800万画素の自動転送が最強すぎて最近のカメラはもうZf一択です。ほんまに革命。感動!
まぁでもやっぱりフルサイズのコンパクトな機種もほしいですけどね。次カメラ買うとしたらそれかな〜なんて。
Zfで広がる輪
関西人にとって重要な話なんですが、Zfを持っていて一番ありがたいのはネタになることなんですよね。発売されてまだ間もないカメラで、さらに自分の場合外付けグリップで縦吊りをしつつレンズはフォクトレンダーなのでパッと見でもかなり目立つらしく、ものすごく注目される存在です。
カメラの佇まいというか、かなり主張する存在感があるので持ってるだけで話しかけられたり、会話のネタになったり。それで誰かを撮ってあげるととても喜んでもらえたり。だからがんばって持っていっちゃうというのが気持ち的に大きいです。
この半年いろいろありました。大学院を修了し、春休みの最後の展示で学生生活も終え、就職のため上京し、はじめての一人暮らしがスタートし、ついに社会人になってしまい、新しい出会いもたくさんありました。まさに人生の転機。
そんな半年でもうすっかり自分は「Zfの人」になってしまったようで。まぁそれで覚えてもらえるならいいかなとも思ったり。Zfは常に近くにいる存在でした。この半年をZfと過ごした思い出は忘れることはないんだろうなぁと思います。
最後に
Z6のレビューnoteで「メーカーの本気に期待したと書きましたが、いいカメラは人を成長させます。このカメラにふさわしくなりたいと思わせてくれるからです」と書きました。
この「ふさわしい」というのは、当時は写真の技術的なニュアンスが多かったです。単純に良いカメラを使ってもっと良い写真が撮りたかったしうまくなりたかった。
今の心境はどうかというと、あれから2年経ってうまくなりたい的なフェーズはもう超えたのかなと自分では思っていて、今はなんというか「Zfに似合うかっこいい人になりたい」なんて気持ちが強いです。
20代でZfにたどり着いてしまって、これから行き着く先はZシリーズのフラッグシップか、それともHasselbladみたいな中判デジタルカメラに行ってしまうか。それともカメラに興味をなくしてしまうのか。これからどんな人生が待っているんでしょうか。
気づいたらもう1万字も書いてしまいました。
これくらい語れる趣味に出会えたのはきっと幸せなことなのでしょう。
読みにくいところも多々あったかとは思いますが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
Zf、いいカメラだ。
半押し拡大解除は明日にでも実装して
※ステマ規制に抵触しそうなので白状すると入社したのはニコンです。好きって言い続けてたらいつの間にか入社してました(2024/07/06追記)
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