忘れたくない先生

またまたT先生の話。

T先生がいない学校生活が始まってからもう2ヶ月が経とうとしている。あの日T先生に会わなかったら、いつだったかも覚えてないぐらい前に受けた授業が最後だったんだなと。

学校で嫌なことがある度「T先生がいたら違ったかも」なんて思ってしまう。理科の先生がプリントをくれないのも、担任とトラブってるのも、T先生がいたらなにか違ったかもな、と思うけど、そんなことはないだろう。

T先生はカウンセラーじゃないから。T先生にだって仕事はあるし、私の愚痴を聞いてるほど暇ではなかったと思う。それでも先生は、わざわざ私のために部活を抜け出してくれたり、会議の後に相談に乗ってくれた。

T先生との話はいろいろある。T先生にガチ恋してた頃、その日先生と話したことをメモして読み返してはによによしていた。今思うとめちゃめちゃ気持ち悪いけど、それだけで頑張れていたから好きな人のパワーはすごいなと思う。

今日久しぶりにそのメモを見返してみたら、当時の自分があまりにも幸せそうで羨ましくなった。別になんてことのない会話だけど、先生と話せただけで幸せだったんだよな。

何個か書き残しておく。黒歴史になるかもしれないけど、T先生という存在を忘れたくないから。


誕生日

先生の誕生日のメモ

一番古いメモには先生の誕生日だけが書いてあった。日にち的に夏休みが終わって少し経った頃だろう。たぶん、勇気を出して先生に誕生日を聞いて、忘れないようにメモに残したのだと思う。

この前部屋を整理してたら先生の誕生日が書かれたメモ用紙を見つけたので、聞けたのが相当嬉しかったんだなと。「2月はまだ二学期だから誕プレ渡せる!」とも書いてあった。結局物を渡す勇気はなくて(既婚者だし)、デジタルで描いた絵を印刷して手紙と一緒に渡した。

手紙の内容は忘れたけど、失礼のないように目上の方への手紙の書き方をめちゃめちゃ調べて何度も書き直したのは覚えてる。気にしいだから手紙とかLINEとか何度も書き直しちゃうんだよね。

プレゼントは自分から渡すことができなくて、友達に頼んで授業前に渡してもらったんだけど、次の日授業がないのに教室に来て、私の席の横に座って「昨日はありがとう。嬉しかった」的なことを言われてキュンキュンした。ウワー好き。

しかもあの時、私の学年で授業があった訳でもなかったと思うんだよね。わざわざ「私のためだけに」教室に来て感謝を伝えてくれたのが嬉しすぎて好きが増した。今でも好きー!!ってなる。本当に良い人だったなあ好きだったなあって未練タラタラ女みたいなことを思ってる。


マンションの名前

私の両親が経営している飲食店の目の前にあるマンションの名前が知りたい!と当時の担任に言うと「先生は詳しくないから(地理の先生のくせに...)T先生に聞いてみな」と言われ、T先生に聞いた話。

これ、なんでマンションの名前を知りたかったかは全く覚えてない。T先生と話す話題が欲しかったからと思ってたけど、だったらまず担任に聞くかな?って。担任は地理担当のくせに全然知らなかったけど。

担任に言われた通りT先生に聞いてみると、T先生もさすがに分からないと。そりゃそう。学区外のマンションの名前なんて誰も知るわけないし、自分で調べろって話。なのに先生は「宿題でもいい?あとで調べてみる。」と、わざわざ調べてくれると言うではありませんか...!

翌日T先生は本当に調べてくれて教えようとしてくれた。でも「調べたけど忘れちゃった!また調べておくね!」と言われた。先生ありがとう。自分で調べた方が早かっただろうなって当時も思ってた。また翌日、先生はちゃんとマンションの名前を教えてくれて助かった。何に使ったかは本当に覚えてない。


先生の日

先生の日をご存知だろうか。10月5日は教師の日といって、教師に感謝をする日なんだそう。その情報を聞きつけた私は、先生に手紙を書くことにした。相談に乗ってくれてありがとうという感謝と、いつも迷惑をかけて申し訳ないという謝罪を書いたような気がする。

その時は自分で渡せた。が、実はその手紙を渡す前に、相談したいことがあると手紙に書いて渡すようにしていたので、先生はまた相談かと思ったみたいで「大丈夫?」と心配された。先生の日の手紙ですなんて言えなくて「大丈夫です」とだけ答えた。

その日ずっと胸ポケットに手紙を入れていてかわいい~と友達と話していた記憶がある(記憶力きも)。後日手紙のことを聞くと「教師の日なんて知りませんでした。沢山書いてくれてありがとう。」と言ってくれました。若干引かれてたような気もするけど嬉しかった。

横で見ていた友達が「先生嬉しそうだったね」と言っていたので、たぶん喜んでもらえた...と思う。気持ち悪いことを沢山書いてしまったんじゃないかと後悔したけど、最後の日に手紙と絵が嬉しかったと言ってくれて、渡して良かったなと思った。


早退

私が早退したときの話。1年生のときから欠席・早退することが多かったので、先生たちにまたかと思われてたと思う。この日は手術の影響で背中が痛くて帰ることになった。(これ信じてもらえないんだけど術後の背中の痛み半端ないから。座ってても立ってても寝てても痛いから。)

母が迎えに来て担任に早退することを報告しに職員室に行くと、ちょうどT先生が出てきた。「早退ですか?先生に伝えておきますね。大丈夫?お大事に。」と軽く会話をして帰った。この日が母とT先生が初めて会った日だと思う。

帰りに母に「T先生可愛い顔してるじゃん。あんたが好きそうな顔。」と言われた。その通り。T先生の顔が好き。童顔でくりっとした目に黒縁メガネ。今の推しもT先生の影響はあると思う。T先生からメガネフェチになった。

母からも「礼儀正しい。大人だわ。良い人そう。」と評判だったので、本当に良い先生だったと思う。そのとき廊下にいた今の担任は軽く「うっす」と挨拶してスルーしてた。すごい嫌いだった。今も苦手。チャラい。T先生みたいな知的な男性が好き。先生はみんな知的か。


たった一言

相談したいことがあって「相談したいことがあります」という内容の手紙を渡した。その日集会があって、椅子に座って待っていたら前から先生が来て「〇〇さん、今日は放課後いないから、明日おいで。」と言って去っていった。

たったこれだけのことでキャーとなっていた私。今でもキャーとなれるけど、当時はもっとすごいと思う。これのどこがキャーポイントなのかというと、集会のときにわざわざ私の席の列を通って声をかけてくれたこと、「明日おいで」というセリフ。

好きな人の「おいで」の破壊力ってすごい。恋愛漫画みたい。これを言われただけで「明日も絶対学校来る!」と思える。今の担任の「明日も絶対来いよ」とは比べ物にならないパワーを秘めている。好きな人ってすごい。恋ってすごい。恋したら不登校治るのでは。


ハイタッチ

なにか話したいことがあってT先生が教室にいるか友達に確認すると「いないよ。呼んでやろうか?」と言われた。大した用でもないので大丈夫と断ると、ちょうどT先生と遭遇した。友達が呼び止めると「ん?どうしたの?」と立ち止まった先生。

まさかT先生に会うと思ってなくてびっくりしてフリーズする私。何を話そうと思ったのか思い出せない。T先生は何か察したようにスッと手を出す。私も手を出す。なぜかハイタッチをする。先生は「さようなら😌」と言って去っていく。

何が起きたのか分からなかったが、先生とハイタッチできたので次の日までによによしていた。いや次の日どころじゃないかも。思い出してはによによしてたと思う。今もしてる。会話もほぼなかった、っていうか私一言も喋ってない。

ああ、これねという顔で手を出した先生、よくハイタッチを求められてるのか、私がハイタッチを求めている顔をしてたのか分からないけど、さすが二児のパパ...となった。当時は妻子持ちという事実から目を背けていたけど。教師と生徒という前に既婚者という乗り越えられない壁があった。


まだまだ先生とのエピソードはあるけど、超長くなってしまいそうなのでやめておく。先生がいた頃はなにもかもが楽しかったなあ。先生の授業がある日は絶対行かなきゃって思って行ってたし、どうしても体調が悪くて行けないときは悔しくてキレてた。

まーだ先生のこと言ってるのかと思われそうだけど、先生のことを忘れたくないし、これを読んで元気出したいし、嫌なことを乗り越えたい。あのときどんなに嫌なことがあっても先生に会えるっていうだけで学校に行けてた。なんとかなってたなって。

最後先生に言われたこともちゃんも覚えてる。それを思い出して頑張ってる。会えないことが辛いけど、いつか再会したときに「先生のおかげで頑張れたよ」と言えるように頑張りたい。

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