透明

君のこと、なんでもわかっている。コロナ禍のパーテーションは私たちを隔てるが、邪魔だねなんて笑いながら手を握る。私たちに境界なんてなく、お互いの考えなんて透けて見えた。
だから私、プロポーズなんて全然驚かなかった。けれど嬉しくて涙が出たんだ。
溢れた涙は指輪をより一層綺麗に見せた。