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答えは分からないけど歴史はロマンだから妄想はたくさんしよう

先週の「麒麟がくる」のあとで、足利義輝が最期に振るった太刀は何かな、大般若長光だったりしないかな、という記事を書きました。

ドラマの中で日本刀の名前出る可能性は少ないとは思っていたのですが、やっぱり出ませんでしたね。
答え合わせは見送りです。
各々、好きなように妄想しましょう。
三日月宗近でもいいし、鬼丸国綱でもいいし、名もなき太刀でもいいし。
私は引き続き、大般若長光だったかも!で妄想します。

手持ちの太刀と三好側の薙刀で応戦する、というスタイルで最期を迎えることになった足利義輝ですが、この描き方はルイス・フロイスの「日本史」に寄ったものかと思います。

畳の上にいっぱい刀を並べて応戦──っていうのは江戸時代の書物に書かれてるようですが、それはフィクションっていう見方が強いです。
派手でハリウッド映画みたいで楽しいですけどね。
「活撃 刀剣乱舞」で足利義輝の前にズラズラっと刀が突き刺さっていたのは、この話がモチーフかと思います。
フィクションはフィクションとして楽しむのは大好きです。
森蘭丸がイケメンっていうのと同じ並びで、足利義輝がズラッと刀並べた話を楽しんでます。

マジレスしますが。
剣術を塚原卜伝に師事したという足利義輝ですので、剣の腕前は確かなものだったかと思います。
刀を見る目もあったのではないかと思います。
そんな人が、足利宝剣を何本も何本も畳の上に突き立てて血を付けて錆びさせると思います?
大事な大事な価値のある刀剣を、そんな粗末な扱い方しないのではと思います。
江戸時代の後期の作品で書かれているそうなのですが、江戸時代の後期というと刀装具だって最初から美術品として作られて、金持ちの商人が、それはそれは趣向を凝らしたものを作らせていたような時代が江戸後期。
そんな時代に生きた人が、日本刀を戦や政治の道具として真に見ていたのでしょうか。

著作年月が近いルイス・フロイスの「日本史」とか「信長公記」の方が信憑性は高いのではないかな、と思います。

今の時代と違って写真も動画もないので、本当の本当に二条城で何が起きたかは分かりません。
しかし、伝わっている物事からいろいろと妄想できるのは、史実が曖昧だからこそ。
妄想大好きな人間は、歴史の曖昧な部分は大好物です。
ドラマはあくまでフィクション。
他の作品でもいろいろな描かれ方をするでしょう。

「史実と違う」と目くじらを立てるのではなく、「今回はこういう描き方できたかー」くらいの気持ちで、私は時代劇や大河ドラマを見ています。

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長船長光(号 大般若長光)『太刀 銘 長光』(東京国立博物館所蔵)
ColBase」収録
(https://jpsearch.go.jp/item/cobas-77765)

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