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【序文紹介】研修医に必要な最低限の知識をコンパクトにまとめた入門書『レジデントのための これだけ抗菌薬』

 これまで多くの研修医の先生にご活用いただいてきた好評シリーズ「レジデントのための」シリーズに、待望の「抗菌薬」が加わります!

発売に先駆けて、本書の序文にあたる「はじめに」の部分を
note限定で全文公開いたします。

日本医事新報社 公式HPでは12月10日発売開始。
全国の書店様では12月16日以降、順次発売となります。

この機会にぜひご覧ください。


はじめに

 本書の執筆のお話を頂いたのは2023年の初夏、COVID-19が5類感染症になって間もない頃のことでした。普段から140文字を超える文章を書かない私。人様が見る書籍の執筆、しかも単著と、あまりのプレッシャーから、当時勤務先の近くにあった「ラーメン二郎」一橋学園店の小ラーメン(850円)ヤサイニンニクしか喉を通らず、夜も8時間しかグッスリ眠れない日々を送ったことが昨日のことのように思い出されます。

 この文章を皆さんが読んでいるということは本書が無事発刊されたということだと思いますが、この『これだけ抗菌薬』は読んで字のごとく、なんと抗菌薬についてのみ書いた教科書ではありません
 抗菌薬のことはもちろん、抗真菌薬、抗ウイルス薬、それらを使いこなすための土台となる感染症診療の基本的な考え方、臨床で出会う主要な微生物のまとめなど、「痒いところに手が届く」どころか、何が原因で痒いのか、痒みのメカニズムは何か、どの手でポリポリかくのが一番気持ちいいのか……に迫らんばかりの充実したコンテンツで構成されています。
 手前味噌で恐縮ながら、この本1冊だけでベッドサイドで抱えがちな感染症診療の悩みの大部分を解消できるのではないか、という自負があります。皆さんの感染症診療への理解を進める材料として通読してもよし、ベッドサイドでパッと見るクイック・リファレンスとしてもよし、末長くお役立ていただければ著者として恐悦の至りです。

 なんと言いましょうか、本当に“これだけ”にしてしまい、すみません。

 そんな本書ですが、発刊までにはたくさんの方にご協力を頂きました。まずは既存の知識に多様性のエッセンスを添え奥行きを与えて下さった井本一也先生、毎日一緒に原稿を音読しエラーを忌憚なく指摘してくれた佐久間結菜先生、非専門の視点から鋭いコメントを寄せてくれた平岡修先生。そして豊富な臨床経験から繰り出されるさながら青天井の知識を元に、より実践的なアイディアを与えて下さった谷山大輔先生、私自身の感染症診療の手解きをし、コンサルタントとしての道標を示して下さった人生の師といっても過言でない小田智三先生。
 先生方どなたかのご協力を欠けば本書の完成はありませんでした。ここに最大級の深謝を申し上げます。

 最後に、あまりにも自由すぎる締切の設定とほとんど無限とも言える修正で多大なご迷惑をお掛けしたにも関わらず、文句ひとつ言わず快く対応して下さった日本医事新報社編集部の皆様にはお礼の申し上げようもございません。

 さて、この本を手に取った時点ですでに皆さんも感染症診療という沼(といってもキレイな沼)に腰まで浸かっているも同然です。

“Once done is half done.”

 始めてしまえば半分終わったも同然なのです。ページをめくって、もう半分を始めてみませんか?

2024年12月
髙野哲史


目次


書籍概要

ISBN:978-4-7849-0155-5
B5変型判/304頁/カラー/定価:4,840円
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著者について

髙野哲史(たかの・あきふみ):済生会横浜市東部病院総合内科
2017年日本医科大学卒業。
JAとりで総合医療センターで初期研修ののち、公立昭和病院感染症科を経て2024年より現職。
内科専門医、日本化学療法学会抗菌化学療法認定医。


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