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読了、ゴーストハント1 旧校舎会談

今回の読書📚:小野不由美「ゴーストハント 1 旧校舎階段」 (2020年 角川文庫)


読んでほしい人⇒おばけが怖い人、身近で心霊現象が起きているかもしれないと感じる人、中高生

あらすじ

 物語のあらすじは主人公の麻衣が通う学校には、敷地内に以前使われていた旧校舎が存在していて、そこでは不可解な出来事が絶えないとうわさされている。取り壊し工事で事故があり死傷者が出た、旧校舎に入った教員が自殺したなどの話で工事が中止になってしまった。そこでひょんなことから学校から依頼を受けた渋谷という少年とともに、旧校舎の心霊現象について調査することに。そこに様々な霊能者たちが加わり、協力して旧校舎の怪奇に挑んでいく物語。

古風でコミカルながらも、論理的に心霊現象を暴いていくのがとても面白い物語

 私は小野不由美さんの「十二国記」がとても気になっていていつかは読んでみたいという気持ちがあるのですが、現在進行形で続いていること、また小野不由美さんの文章が自分に合うかわからないし、試しに別の著作でどんなものなのだろうと気になって手に取りました。

 これが本当に面白い!何が面白いのかというと、

  • 背景描写が丁寧で小説の中の世界をイメージしやすい

  • 小説の中の人物、特に主人公目線でのナレーションが非常にコミカル

  • 学生の頃の怪談話に関する興味などを思い出すワクワク感

 というところでしょうか。

 まずこの背景描写がイメージしやすいというところですが、舞台はとある学校の旧校舎なのですが、その中で起こる不可解な現象たちを論理的に解説する場面があります。
 実際に読んでみると心霊現象の種明かしみたいで「なんだ、ただそういうことだったのか」という感じで興ざめすることもあるのですが、自分のリアルの生活の中でとらえてみるとどうなんだろう・・・?とか、自分の出身学校のことを思い出してどうだっただろうなどというように、楽しく自分の思い出などを振り返りながら回想させていただきました。

 著者の文章は特に場面の説明が上手という印象で、すっとイメージしやすいので、自分のリアルの記憶と比較してしまうことも多く、いい意味で個人的な脱線をしてしまい読むのに時間がかかったくらいです。

 他には文中のキャラ、特に主人公の麻衣の心の中の口調が何だか昭和くさいところが面白いです。具体的な場面でそれを説明するのは難しいのですが、どうもノリが昭和くさい。昭和くさいという表現が正しいかもわかりませんが、少なくとも今の小説では見ないようなコミカルさがここにはあります。

 漂う昭和くささについては、おそらくこの本が1990年代前半ごろに連載されていた「悪霊シリーズ」という本のリメイクだということ。これがおそらく理由なのだと思われます。あとは使われている機材がカセットレコーダーだったりする点もそういったレトロな感じをほうふつとさせるのかもしれませんね。
 この昭和くささをなんていえばいいかなぁ…とりあえず読めばわかる!

 あとは旧校舎っていう場面設定、また霊能者の面々も巫女、破戒僧、エクソシスト、霊媒師というように様々な霊能者が勢ぞろいしている。霊能業界のアベンジャーズ的な感じなんでしょうか!?(違う)
 中高生の興味が湧くような場所、モノを上手く使っているなぁという印象で、大人になってから読む分にはハードルも低いのですごく読みやすい印象でした!

 ただ、時たま出てくるSF系の専門用語については、私も勉強不足なところがあり、著者の表現力と解説だけではいまいち理解できなかったところだけ悔やまれます… 

 シリーズは第七巻まであり、私もこの間本屋で全巻買ってきました!
 やりたいこと多すぎていつまでに読み終わるかわかりませんが、また読んだら感想を書かせていただきたいと思います!それでは!



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