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TAXIがいなくてバスに乗り遅れそうだった私に差し伸べられた手【中国・郎木寺⇒九寨溝】

2016/6/7投稿

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この日は郎木寺から九寨溝(きゅうさいこう・ジュウジャイゴウ)への移動。


郎木寺にはにはバスターミナルがなく、国道沿いから途中乗車しなければなりません。バスは前日に宿のお姉ちゃんに予約してもらいました。

バスは14時過ぎということで、朝ごはんを食べ(2元=約33円)

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(肉まんの皮のようなもの。パオって言ってたかなぁ。味は…無味!)


郎木寺にあるもう一つのゲルク派のお寺・色止寺を見学することに。拝観料30元(約488円)

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そういえば、この日初めて僧侶と喋ることができました。20代前半くらいの男性僧侶2人とNIKONNのカメラを持った男性の3人。『地球の歩き方』を見ながら休んでいたら声を掛けてきたのです。

「ウォシー、リーベンレン(中国語で、私は日本人です。)」と言うと、「ジャパジャパ」と言い返されます。
ここまでも地元の人何人かにこの「ジャパ、ジャパ返し」をされていたのですが、やっと「ジャパン」って言っているんだと理解!

ずっと「なんだよ、ジャパネットで何か注文したいのかよ」って思ってたけど、残念ながらジャパネットはまだ中国には浸透していなかったようです。

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町に戻ってもまだ11時過ぎ。昼ごはんでも食べようと店に入ってみたものの、この時間はまだ朝ごはんメニューしかないようです。
ということで安定の水餃(スイジャオ)と、時間つぶしのためのバター茶

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バター茶はチベットでよく飲まれているお茶です。28元(約456円)

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餃子に具にはしっかり味がついていて(何の味か例えられない)、バター茶も濃い味。日本人にとってはとちょっとクドイかも。


ゆっくりと時間をつぶして、やっと13時。宿に戻ります。


さて、この日の最大のミッションは、無事に九寨溝行きのバスに乗ること。
初めてターミナル以外からバスに乗るので早めに行動しておきたかったけど、宿のお姉ちゃんはまだ出かけているようです。


14時。やっとお姉ちゃんが帰ってきました!中国語のメモを書いてもらいます。

「まず、タクシーに乗ってここまで連れて行ってもらって、そしたら14時30分にバスが来るから、115元払って乗ってね。タクシーは10分くらい。バスにはこの場所から乗ることこと伝えているから大丈夫!タクシーはメインストリートでも捕まえられるし、昨日あなたがバスを降りた場所へ行けば沢山止まってるわ!」

メモと重たい荷物を持ちながら宿を出てメインストリートにでます。…が、タクシーは見当たりません。

とりあえず町を出る方向に歩いていきます。昨日、バスを降りた路地に着きました。…タクシーは見当たりません。

町の端まできました。…タクシーは見当たりません。


……え、町の端!?
この町、タクシーなんて一台も走ってないじゃないか!!


このとき既に時計の針は14時15分を指しています。途中乗車する場所まではタクシーで10分。…なんてこった!大至急タクシーを探さなければ!!

来た道を戻って町の人に「TAXI」と聞いたり、書いて見せたりします。が、案の定伝わらない!
中国のタクシー、結構「TAXI」ってペイントされてる看板を車上に乗っけてるのにな。

すれ違う人に毎回聞いてはみるものの全く伝わってないよう。ただ、中国語ので書かれたメモを見て、みんな国道へ向かう方向を指差します。

それはわかっているのだが、歩いて行ける距離じゃない!念のために宿にいるうちにタクシーの中国語を調べておくべきだった。
時計の針は刻一刻と進み14時20分…!


若い女性の2人組に向かって、「TAXI、TAXI」と焦って連呼していたところ、一台のミニバンが止まりました。運転手は「どうした?」という顔で私たちの方を見ます。そして、メモを見せると何か言いながら「乗れ」と後ろの席を指差します。

…しかし、この人はタクシー業者でもなければ、しゃべっている言葉もわからない通りすがりのおじさん。

…どうする?…どうする、私!!
こんな時なのに頭の中でライフカードのCMが流れ、オダギリジョーが「…続く!」とか言ってる!…続かないよ、ここで判断しなくちゃ!!


私が選んだカードは「乗る」。わずか3秒間での判断でした。
「謝謝」と言いながらおじさんのミニバンがに乗り込み、もう一度メモを見せます。車が発進しました。興奮状態で何が何だかわからないまま、車が走っていく先の道路そ、その一点だけを見つめます。

…意思疎通ができてないから、知らなところに連れて行かれたらどうしよう。
なんて頭の片隅で考え始めたころ、フロントガラス越しに停車している大型バスが見えてきました。
あれだ!待っててくれた!!

ミニバンを降りるや否や、「ジュウジャイゴウ?」と聞かれます。うなずくと、バスの人が私の荷物を運んでくれます。
…よかった!おじさん、本当にありがとう!!

「謝謝、謝謝」と連呼してると、おじさんが手を出してきます。もちろん私も手を差し出します。…がその手は握られることはなく、おじさんが何やら言いながら手の形を変えました。"1"のハンドサインです。

そっか、そうだよね。このピンチを救ってくれたし、1元くらいもちろん払います!

財布から1元札を取り出すと、おじさんは語気を強めて何か言いながら両手の人差し指をクロスして、"十"のサインを私の顔の前で作ったのです。


…意思疎通ができてなかったのは、目的地ではなくお金だったようです。

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