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"中国のアルプス"のローカル温泉は地味にハードな選択を迫ってくる【中国・理塘⇒甘孜】

やはり自分はまぎれもない日本人のようで、お湯につかることが好きだ。普段はシャワーでも問題ないが、数ヶ月に一度くらいは湯船で、もくもくと立ち上がる蒸気を浴びながらのんびりと体を癒したいものだ。

海外生活も3年目になり、つかりたい欲が発症する頻度はどんどん少なくなってきてはいるが、今回の記事は海外経験が浅かった4年前。お湯につかることができる喜びを心から噛みしめたし、中国にもお湯につかるという文化があるなんて知らなくて驚いた。

2016/6/23投稿

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今回も引き続き東チベットの旅の話。理塘から甘孜(がんぜ・ガンズー)へ移動します。


この日の移動は、この旅初めての乗り合いタクシー。 (120元=約1906円)
昨日、予約をした時にドライバーが私たちのホテルの場所をよくわかっていなかったので、ちょっと不安になりながらピックアップを待ちます。 待ち合わせ時間から遅れること20分ようやくタクシーが宿の前にやってきました。早速乗り込み、さぁ出発!かと思いきや、車は少し進んで止まってしまいました。ここはまだまだ理塘の町の中です。


ドライバーを見ると、ご飯を食べるジェスチャーをしているので、どうやらこの停車は朝ごはんタイムのようです。
体調も全快ではなかったものの、頼んだ麺が辛かった…。胃が…。面条15元(約239円)

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30分くらいしてドライバーが車に戻ってきました。さぁ次こそ出発だ!と思ったら30mほど進んでまた車は止まってしまいました。ドライバーは車を降りて何やら叫んでいます。

「ガンズー!ガンズー!」

…客引きタイムのようです。

この客引きにかかった時間は1時間ほど。結局新たなお客さんは捕まらなかったようです。残念!ドライバー、そして既に乗っていた私たちとチベット人女性の客3人にとっても、ただただ無駄に過ぎて行った1時間だったのでした。


やっと甘孜へ向けて出発した乗り合いタクシー。悪路をドコドコと進み、多分3時間ほどで町に到着しました。が、ここは甘孜ではなく、乗り換えを行うようです。

乗り換えからさらに3~4時間ほどで甘孜に到着しました。

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町からは、とがった山がキレイに見える。なんだかアルプスに来た気分…アルプスなんて行ったことないけど。

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昼ごはんを食べていると、この旅で初めての物乞いに遭遇。彼ら、普通に店内に入ってきて強請るんですね。
私はというと、「I'm a Christian」なんて、英語が通じない相手にウソまでついて乗り切ったのでした。私はお葬式とか法事のときのみ仏教徒でございます。 

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青椒ほにゃららって名前のピーマンピリ辛炒めと、ピータンをWさんとシェアしました。ご飯2人分付きでひとり17元=約270円)


ご飯を食べたら、早速観光!この町でももちろんお寺に行きます。甘孜寺は拝観料がありました。(値段は忘れてしまった…30元だったかな?) 

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拝観チケットの裏面には英語の解説も!このお寺が、ここの地名の由来なんだそうです。

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(寺は丘の上にある。寺から眺める山も最高だ)


甘孜寺の僧侶たちは、「タシデレ(チベット語で「こんにちは」)」って挨拶すると皆「タシデレ」って返してくれて気持ちがよかったなぁ。ガキンチョ僧侶なんかは覚えたての英語を使いたいのか、ずっと「I love you」って言ってきたぜ!モテモテだったぜ、私!

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さて、この日泊まった宿にはシャワー設備はありませんでした。
でも大丈夫!なぜなら甘孜では温泉に行くつもりだったのだから!
町の端の方にいくつか温泉屋さんが並んでいるエリアがあるのですが、私たちは西寧で出会ったJさんに教えてもらった雪山温泉に行くことに。入浴料15元(約239円) 

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Jさんに加え、成都の宿の重鎮Oさんも甘孜の温泉をおススメしてくれたし、旅に出てからお湯につかることなんて一度もなかったので、ワクワクです。

「中国の温泉は個室。一部屋ごとに大きい桶みたいなのがあって、ダーっとお湯を入れて、15分くらいすれば満杯になるからそれに浸かる。頭や体もその桶に入りながら洗う」

なんて聞いていたから、私はこんなお風呂を想像しておりました。 

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出典:https://www.tripadvisor.jp/Hotel_Review-g298122-d1076496-Reviews-Yuyado_Ichibanchi-Atami_Shizuoka_Prefecture_Chubu.html



個室のドアを開けると、心躍る温泉体験がそこに待っている…!いざっ…!!! 

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……思ってたのと、なんか違う!!


でも、15分もたてば下がったテンションも回復!やはり日本人としてお湯につかるという行為は最高にテンションのあがることなのです!さぁ気を取り直して入浴!!温泉は少し鉄っぽい匂いがしました。

しかし、桶もなく、ホースシャワーもないので、浴槽のなかで体を洗うほかに方法はありません。

が、体を洗ってしまうと二度と温泉に浸かれなくなるので、どのタイミングで体を洗い始めるか。そして頭から洗うか体から洗うか、地味に選び難い二択を迫られるハードモードな温泉体験…。


それでも久々にお湯につかることができ、リフレッシュできたのでした。


風呂上りの夜ご飯。大肉面14元(約223円)

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